先生の指示に従って糖尿病食を食べてるのに、痩せちゃう？
ちゃんとインスリン注射もしてるのに、病状が悪くなって入院までしてしまう。
そんな猫ちゃんの来院がありました。

インスリンの注射を行っても血糖値は下がらないしさ、フードは先生の指示通りに食べてるのに痩せちゃった
しかも不調になることが多くて入院を繰り返しているの・・・どうにかして欲しいヨ〜

これって、困ったことですよね！
でも食べても痩せちゃうってことは、絶対的に食べる量の問題と思うのですが・・・
「このフードを○○グラムを朝晩２回食べさせて下さい！」
そう言われちゃうと、その指示に従ってしまいますよね。

糖尿病の猫ちゃんが太っちゃダメてことで、いわゆる治療の名の下にカロリー制限を行っている場合が多いですよね。
しかし指示通りの量を頑張って食べさせても、なぜか体重が減ってしまう・・・
しかも規定通りのインスリンの注射をしている、でもインスリンの効果が十分に発揮されなくて血糖値が下がらない・・・
そのようなことがあります！

その理由は！
単にカロリーを削るだけでは必要な栄養素、特に良質なタンパク質が不足してしまうと考えます。
そしてその結果として、筋肉の量が減ってしまうんです！
そこで飼い主さんには以下のような説明をしました！

痩せでも肥満でもダメ！

猫ちゃんの場合、極端な痩せすぎよりは少しふっくらしている状態の方がエネルギーが十分にあって健康的に見えることもあります。
チョット太った感じでも健康的であれば問題ありません。
でもここで問題なのは、ある程度理想的な体型を維持することが大切と言うことなんです。
あくまでバランスが重要なんです！

猫は肉食動物

猫はもともと肉を主に食べる動物です。
つまり、カラダはたんぱく質や脂肪からエネルギーを得るように作られています。

糖質カット食は、炭水化物を大幅に減らしているフードです。
その分フード全体のカロリーを、タンパク質や脂質で補わないとカロリーが不足しやすくなります。
もし十分なカロリーが摂れないとカラダは必要なエネルギーを補うために、筋肉などの体の組織を分解して使うことになってしまうのです。

エネルギー不足による筋肉の分解

糖質が少ないフードは、カラダにとってエネルギー不足を招くことがあります。
エネルギーが足りなくなると、体は貯蔵されている脂肪だけでなく筋肉などのたんぱく質を分解してエネルギーに変えます。

基本的に糖尿病用のフードを食べていても痩せるなら、食べてる量が足りないってことなんです。
必要なカロリーは猫ちゃんごとに異なります。

• 年齢によって、エネルギー消費量は違います。
• 体型の大きい猫ちゃんや筋肉量が多い猫ちゃんは多くのカロリーが必要です。
• 活発な猫ちゃんは、運動不足の猫ちゃんよりもカロリーを多く消費します。
• 病気や代謝の状態によっても、必要なカロリーは変わります。

そのため個々の猫ちゃんに合った適切なカロリー量を調整することが大切です。

筋肉量が減っちゃってさ、体重も落ちちゃった・・・背骨も腰の骨も出ちゃって、これじゃ健康的なカラダとは言えないよね！

インスリンの働きが低下している影響

糖尿病の猫ちゃんでは、すでにインスリンというホルモンの働きが弱くなっています。
インスリンは、血液中の糖を細胞に取り込ませる働きを持っています。
しかし糖尿病ではその働きが十分でないため、細胞がエネルギーとして糖を使えずカラダがエネルギー不足の状態に陥りやすくなっています。

糖質を減らしたぶん、他の栄養素でカロリーを足さないとダメですよね？
しかし必要なエネルギーが十分に供給されないと、カラダは自らのたんぱく質を壊してしまうため痩せてしまう原因となります。

まとめ！

カロリー制限だけに目を向けると糖質や脂質、そして微量栄養素のバランスが崩れてしまいます。
その結果、カラダ全体の代謝リズムが乱れ免疫力が落ちてしまいます。

もうストレスがバリバリだよ！これってストレスホルモンがさ、ドバーって出ちゃうんでしょ？
ストレスホルモンって、血糖値をあげちゃうんだよね？そしたら、もっと糖尿病が悪化じゃん！

このように糖尿病の猫ちゃんの治療では、単なるカロリー制限を行なうのでは無く！
タンパク質や脂質、糖質などの栄養素全体の『バランスを重視』することが、絶対的に必要となります。

要は糖尿病の猫ちゃんには、適度なたんぱく質や脂肪、十分なカロリーが確保されることでエネルギー不足に陥らず筋肉量を維持できるのです。

そうなんですよ！
栄養バランスを保つことこそ、猫ちゃんの体重管理やインスリン治療の効果を最大限に引き出します。

そして健康的な生活をサポートすることが出来るようにもなります。
いやぁ〜猫ちゃんの糖尿病猫の治療と管理は、とっても奥が深いんですよ！

【参考記事】

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