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健診で見つかった脾臓の腫瘍

先日の定期健康診断で、脾臓に小さな腫瘍が見つかりました。
脾臓にできる腫瘍には良性のものもあれば、悪性のものもあります。
悪性か詳しい検査として腫瘍マーカー検査を行ったところ、血管肉腫である可能性が非常に高いとされました。

管肉腫は血管の内皮細胞から発生する悪性腫瘍で、特に犬では脾臓に発生しやすいとして知られています。
脾臓腫瘍は全体の約70~80%が悪性であると報告されています。
その中でも、特に血管肉腫が最も多い悪性腫瘍として知られています。
血管肉腫は進行が非常に早く周囲の組織に浸潤したり、心臓、肝臓、肺などへ転移することもあります。

今回の腫瘍は脾臓の表面に近い位置にあったため、破裂して出血するリスクもありました。
破裂すると大量出血により急激な体調不良や、場合によっては命に関わる事態に発展する可能性があったため、早期に手術を行うこととなりました。

脾臓にできた血管肉腫

脾臓に腫瘍ができる原因は様々で、それら原因が複数組み合わさって発生すると考えられています。
じゃぁ、考えられる原因をいくつか挙げてみますね!

年齢の影響

老化に伴い、体内の細胞は変化しやすくなります。
脾臓の腫瘍は高齢になるにつれて発生しやすく、年齢が進むにつれてリスクが高まるとされています。

老化すると腫瘍だけじゃなく、カラダの中には色々と起こってきますよね!

遺伝的な要因

犬種によっても発症リスクは異なります。たとえば、ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、ジャーマン・シェパードなどの大型犬では、脾臓の腫瘍が発生しやすいと報告されています。
遺伝的背景が影響している可能性はありますが、どの犬種でも腫瘍が発生する危険性はゼロではありません。

ヒトもガンは遺伝するって、家族性があるって言われてますよね!
乳ガンや大腸ガンなんかがそうです!

免疫力

脾臓は体内最大のリンパ器官として、免疫応答に重要な役割を果たしています。
多くの免疫細胞が集まるため、これらの細胞が異常に増殖や変異を起こすと腫瘍のリスクが高まります。
また、免疫力が低下すると体内のがん細胞を抑制する免疫監視機能が十分に働かなくなるため、腫瘍の発生リスクがさらに上がると考えられます。

免疫力は、がんの発生と進行に大きな影響を与える重要な要素です!
免疫力を維持・向上させる生活習慣が、大切ですよね!

環境要因

現時点では、明確に確立された「環境要因」はっきりしていません。
しかし、以下のような環境的な影響が間接的にリスクを高める可能性は示唆されています:

🔳化学物質や農薬への長期曝露

家庭用や農業用の化学物質、または環境汚染物質への長期間の曝露が、免疫システムに影響を与える可能性があります。

🔳生活環境やストレス

不規則な生活、過度のストレス、肥満などが免疫機能を低下させ、腫瘍発生リスクを間接的に高める可能性があります。

がんの原因のひとつに、私たちが普段触れている環境の中にある有害な物質があります。
健康的な生活習慣を心がけ、できるだけリスクを避けることで、がんの発生を防ぐ手助けができるのです。

細胞の突然変異

脾臓に腫瘍ができるもう一つの原因として、細胞の突然変異が挙げられます。
細胞は常に分裂や修復を行っていますが、その過程でDNAに損傷が生じることがあります。
通常は修復機構により修復されますが、何らかの理由で修復が不十分または誤った修復が行われると、DNAに変異が起こり、腫瘍性細胞へと変化するリスクが生じます。

ヒトじゃ普段の生活でのタバコが、白い猫ちゃんは耳の先が紫外線で・・・とか言いますもんね!

このように、脾臓の腫瘍は複数の要因が絡み合って発生するものです。
日々の生活だけでは体内の状態を正確に把握することは難しいため、定期的な健康診断を受け、早期発見・早期治療に努めることが大切です。