若山動物病院ブログ
昔は多かった猫の黄色脂肪症昔
黄色脂肪症は猫の体内にある脂肪組織が炎症を起こし、黄色く変色する病気です。
「栄養性脂肪織炎」とも呼ばれ、昔の猫に多く見られました。
最近ではあまり聞かれなくなった病気ですが・・・久々に診ちゃいました。
目次
黄色脂肪症の症状って?
黄色脂肪症になるとカラダの脂肪が炎症を起こし、カラダに触ると皮膚の下の脂肪が硬〜い感じに手に触れます。
特にお腹や背中、胸のあたりの脂肪がゴワゴワとなってイタリ、場合によってはシコリに感じます。
具体的な症状としては
- 触られるのを嫌がる
- 動きたがらない
- 食欲が落ちる
- 熱が出る
- 体を丸めてじっとしている
そのまま何もしないでおくと炎症が進んでしまい、カラダの不調や強〜い痛みを訴えるようになります。
昔はなぜ多かったのか?
黄色脂肪症が昔の猫によく見られた理由の一つは、キャットフードが一般的でなかったことです。
かつてはヒトの食べ残しや生魚を猫に与えらることが多く、とくに「猫は魚好きだから魚を食べさせる!」という考えが一般的でした。
その結果、長期間にわたって青魚を食べることになり、黄色脂肪症を引き起こしていたのです。
原因は「青魚」と「ビタミンE不足」
黄色脂肪症の主な原因は、「不飽和脂肪酸」の多い青魚を好んで食べた影響と、それに伴うビタミンEの不足です。
- • 青魚には不飽和脂肪酸が多く含まれており、これが酸化すると体内で炎症を引き起こしやすくなる
- • ビタミンEには脂肪の酸化を防ぐ働きがあるが、青魚ばかり食べているとビタミンEが不足しやすくなる
つまり「魚好きだから魚だけ、という食事は危険!ということです。
現在は栄養バランスの取れたキャットフードが普及しているため、昔ほどこの病気は見られなくなりました。
健康を守るためには、偏った食生活を避けることが重要です。