犬は出されたものを喜んで食べるのに・・
猫はフードを出してもプイッとそっぽを向く・・・
そんな場面、飼い主さんなら一度は経験があることと思います。

この違いは、犬と猫が歩んできた進化の歴史が深く関係しています。
それが「味の感じ方」「ニオイの受け取り方」「食に対する慎重さ」なとに現れています。

今回は、犬と猫が「おいしい」と感じる仕組みや性格の違いの話です。

犬は雑食寄り、猫は完全な肉食

祖先をたどると、犬はオオカミ、猫はリビアヤマネコに行き着きます。

犬は
群れで狩りをしながらも、果物や木の実も食べる柔軟な食性を持っていました。
つまり肉を中心とした食事をしながらも、実際には「雑食に近い」動物だったのです。

猫は
小動物を単独で獲物を狩る、完全な肉食動物でした。
そのため植物性の食べ物をほとんど必要とせず、その代わり肉の味やニオイを的確に識別できる能力を発達させてきました。

この進化の違いが、今の犬と猫の味覚にもハッキリはっきりと現れています。

犬は「なんでもウェルカム」

犬の味蕾は、約1,700個くらいだそうです。
ヒトより少ないものの、甘味やうま味にはとても敏感な舌を持っています。
特に甘いものを好む子が多く、それが犬のオヤツに甘い香りがよく使われる理由のひとつになっています。。

さらに犬は嗅覚が非常に優れています。
食べ物のニオイが強いと「これはおいしそう！」と判断しやすく、食欲が一気に高まります。

また犬は、食べるスピードが速いのも特徴です。
これは野生時代の「横取りされる前に早く食べる」という習性からです。
そのため味の好みよりも「食べられるうちに食べておこう」という本能が働くのです。

ただ今の犬には、その本能が欠如してる・・・
そう思うことが多々あります。
犬も飽食の時代なんです！

猫は「繊細でグルメ」

猫の味蕾は犬よりもさらに少なく、約500個くらいだそうです。
つまり味がよくわからないのですが、ただ「うま味」への感度が非常に高いのが特徴です。
そのため動物性タンパク質に含まれるアミノ酸の風味を鋭く感じ取ります。
そして「これは、自分にとり美味しいと思える肉なのかどうか・・」を判断しています。

また、猫は甘味を感じません。
甘いオヤツにあまり興味を示さないのは、この特徴によるものです。

猫は嗅覚などは敏感です。
・食器のニオイ
・置く場所のわずかな変化
・湿度や温度
このよう微妙な違いで「いつもと違う」と警戒し、食べなくなることがあります。

猫が「おいしい」と感じるには、味だけじゃないんだよ！
五感のすべてが快適であることが、重要なのでぇ〜す！

食べ方にも現れる性格の違い

犬は
・食べること自体が大きな喜び
・目の前のものに勢いよく飛びつく
そのような傾向があります。

猫は
・まずニオイをかぐ
・数秒～数十秒ほどじっと観察する
・気に入れば少しずつ口をつける
という流れで、とても慎重です。

猫は「味の審査員」なんだよ！
その食べ方を見てもわかるでしょ？
それだけ食べ物に対して、こだわりが強い動物なんです。

飼い主さんにできること

犬の場合
・香りの変化を楽しめるトッピング
・食感の違うオヤツ
を喜びます。
ただ「なんでも食べる」からこそ、誤食にはより注意が必要です。

猫の場合
・好みにあったフード選び
・静かで安心できる食事環境
・フードの切り替えはゆっくり慎重に
これらが大切です。
猫にとっては、少しの違いでも食べるかどうかを左右します。

まとめ

犬と猫では「おいしい」と感じるポイントも、食事に対する姿勢もまったく違います。
犬は食べること自体がごほうびです。
猫は安心できる環境で、気に入ったものをじっくり味わいます。

５回の連載だよ。
当たり前のような内容だけど、少しでも役に立てばと・・・思いまぁ〜す！