若山動物病院ブログ
もしかして見えてない?
「最近、ウチの猫ちゃん、なんか段差でつまずくようになったなぁ〜」
「眼が白っぽく見える気がする」
そんなふうに感じたことはありませんか?
猫ちゃんも年を重ねると、ヒトと同じように眼の機能が少しずつ衰えてくることがあります。
中でも気をつけたいのが「白内障」という目の病気です。
猫にも白内障ってあるの?
結論から言うと・・・
ありまぁ〜す。
ただし、ワンちゃんほど頻繁には起こりません。
白内障とは眼の中の「水晶体」が白く濁ってしまう病気です。
進行すると視界がぼやけ、最終的にはほとんど見えなくなることもあります。
ただし猫ちゃんの場合は、白内障の多くが「老化だけが原因」というよりも、
・外傷(ぶつけた・ひっかかれた)
・慢性の眼の炎症(ぶどう膜炎)
・緑内障(眼の圧が高くなる病気)
・糖尿病(視力に影響することも)
といった病気がきっかけで起こる「二次性白内障」であることが、ほとんどです。
とは言って水晶体の透明度が落ちてくる、老齢性の白内障がゼロとは言い切れません。
何か変だなぁ〜と感じたら、早めのチェックが大切です。
こんなサインは要注意!
猫ちゃんは視力が落ちても、聴覚や嗅覚が優れているため見えづらくなっているのがわかりません。
でも飼い主さんの眼には、チョットした変化がヒントになることも。
視力が落ちている猫ちゃんに見られやすい行動は・・・
・壁や家具によくぶつかるようになった
・ソファや棚にジャンプしなくなった
・眼が白っぽく見える
・呼んでも目線が合いにくい
・急に触るとびっくりする
・不安そうに鳴くことが増えた
こんな様子が見られたら、要注意です!
特にシニア期には腎臓や甲状腺の病気が眼に影響を与えることもあるので、健康チェックがとても重要です。
おうちでできるサポート
視力が落ちても、猫ちゃんは他の感覚を活かしてしっかり生活してくれます。
家の中を安心できる場所に
・家具の配置を変えない(記憶で動けるため)
・危ない段差にはステップをつける
・トイレや食器の場所にマットを敷いて感覚でわかるようにする
接し方もひと工夫
・ビックリさせないように声をかけながら近づく
・夜はほんのり明かりをつけておく
・不安そうな時はそっと寄り添って!
猫ちゃんにとっては「いつも通りの環境と大好きな家族の声」が一番の心の安心です。
まとめ
猫にも白内障はあります。
しかし老化が直接の原因であることは少なく、他の病気がきっかけになることが多いです。
• 視力の低下には小さなサインがあります。段差でつまずいたり、瞳が白く見えるときは注意。
• 早期発見・早期対応で、快適なシニアライフを守ってあげましょう。
「見えない」ことは、猫ちゃんにとって不安なことかもしれません。
でも、見えなくても、飼い主さんの愛情はしっかり伝わっています。
大切なのは、変化に気づいて寄り添ってあげること。
これからも一緒に、安心で穏やかな毎日を重ねていきましょう