佐倉市の動物病院なら若山動物病院|セカンドオピニオン対応

若山動物病院ブログ

小さな影

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

9月も終わりを迎え、ようやく秋らしい日が続くようになりました。
夏は暑くてちゃんと行けていなかったお散歩にも行けるようになり、病院犬たちは毎日ハイテンションで過ごしています ヾ(@°▽°@)ノ

はじけるルーサー

お外に出る頻度が多くなると、気をつけなければいけないのがノミ・マダニへの感染です。

本来、ノミやマダニは春から秋にかけて活発に動く寄生虫でした。
それが近年の地球温暖化の影響で気温や湿度が上がり、冬でも寒さが厳しくない地域が増えたことで、年間を通して活動できるようになってきました。
また、以前は生息できなかった寒冷地や標高の高い場所でも見られるようになり、分布域が広がっていることが報告されています。

この変化は、ワンちゃんや猫ちゃんの生活に大きく影響しています。
ノミやマダニはかゆみや皮膚炎を引き起こすだけでなく、ノミの重度感染により貧血を起こしたり、マダニによって、「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」という命に関わる感染症を媒介することがあります。
活動期間や数が増えるということは、それだけ感染症にかかるリスクも高まるということです。

SFTSは、SFTSウイルスを持つマダニに咬まれることで感染するだけでなく、感染した動物の血液や唾液などの体液を通じて、他の動物や人にもうつることがわかっています。

中でも猫ちゃんはSFTSに対する感受性が非常に高く、重症化しやすいとされており、致死率は70%という報告もあります。
実際、全国でSFTSに感染した猫の報告数は、2017年にはわずか8件だったのが、2024年には194件と急増しています。
また、人の致死率は約30%、ワンちゃんでは約40%とされており、動物だけでなく私たち人間にとっても深刻な病気です。

SFTS

そして注意したいのは、完全に室内で暮らしている子たちにも被害が広がっていることです。
家族が外から持ち帰ったノミやマダニが室内で繁殖し、ワンちゃんや猫ちゃんに寄生するケースが増えているのです。
温暖化によって外部のリスクが増すことで、室内飼育だからといって安心できない時代になっています。


だからこそ、日常的な予防が大切です。

日頃から心がけたいこと

  • 予防薬は一年を通して続けてあげる
  • お散歩や外遊びのあとに軽くブラッシングをする
  • 草むらや藪にはできるだけ近づけないようにする
  • お部屋はこまめに掃除して、ベッドや毛布も清潔に保つ
  • 外から帰ったら、服を払ったり手洗いをしてからペットと触れ合う
予防薬

季節に関わらず「ノミやマダニはいつでもいる」という意識を持ち、ちょっとした習慣を積み重ねることで、大切な家族の健康を守ることにつながります。