若山動物病院ブログ
猫の口に「カビ」が増えて抜歯になった

まだ3歳なのに、前歯がグラグラしてる
歯みがきをしていて、ふと気づく
「え?この前歯、揺れてる?」
にゃ〜んと鳴いた顔を見て、ふと気づく
「あら?前歯が無い?」
猫ちゃんがまだ若いのに歯がグラつくとか抜けていると、飼い主さんは一気に不安になりますよね。
「転んだのかな?」
「抜け替わり?」

ちなみ猫もヒトと同じように永久歯に生え替わったら、生え替わりません!
「このまま放っておいて大丈夫?」と、悩むこともあります。
実は猫ちゃんでも口の中にカビが増えることで、若くして歯を支える土台が傷み抜歯が必要になったりた勝手に抜けてしまうことがあります。
今回の記事では、
- 「若いのに歯がグラグラ」の原因
- 「口の中のカビ(カンジダ)」とは何か
- 飼い主さんが気づけるサイン
- 抜歯が「かわいそう」ではない理由
- 再発を防ぐために大切なこと
そんなお話です!
結論:若い猫でも歯がダメになる
猫ちゃんの歯は本来とても丈夫です。
しかも3歳といえば、ヒトで言っても20代後くらいでしょうか・・
そんな若さで前歯がグラつくのは、普通ではありませんよね。
もし若い猫ちゃんの歯が揺れていたら、次のようなトラブルが起きていることがあります。
- 歯ぐきに炎症を起こしている
- 細菌やカビ(真菌)が異常に増えている
- 体を守る免疫力が落ち、感染に負けやすくなっている

「若いから大丈夫」ではありません!
若いのに起きているからこそ、早めに原因を探すことが大切です!
「口の中にカビ」ってどういうこと?

ゲぇ〜口の中にカビが生えるの?
それって驚き!
カビというと怖く聞こえちゃうけど・・・
口の中のカビの代表が、カンジダ(Candida)という真菌の仲間です。
「カビ」と聞くと怖く感じますが、実はカンジダは健康な体にも少しだけ存在することがあります。
ただ条件がそろうと一気に増え、トラブルを起こします。
増えやすい状況は、たとえば次のようなものです。
- 口の中に傷や炎症がある(歯肉炎・口内炎など)
- ストレスや別の病気で免疫が弱っている
- 薬の影響で口の中の菌バランスが崩れた(抗生剤など)
こうしてカンジダが増えると、歯ぐきや粘膜に炎症が起き、歯を支える組織まで巻き込んでしまうことがあります。
飼い主さんが気づきやすい「5つのサイン」
猫は痛みを隠すのがとても上手です。
でも、よく見ると小さなサインが出ています。
- ニオイ:口臭が強くなった
- しぐさ:前足で顔や口をこする
- 食事:こぼす、食べるスピードが落ちる、片側で噛む
- 見た目:歯ぐきが赤い・腫れている・白っぽい付着物がある
- 反応:口の周りを触られるのを嫌がる
今回の猫ちゃんは、歯みがき中に「前歯がグラグラ」なのを飼い主さんが発見しました。
この気づきが、とても大切なんです。

口の中は常に湿っているため、一度悪化すると自然には治らないってことなのね!
だから「様子見」じゃダメで、原因を確認することが大切になるわけね!
なぜ歯がグラグラになってしまうの?
歯そのものがボロボロになるというより、歯を支える「土台」がダメになることで起きます。
- カンジダや細菌が増える
- 歯ぐきが強く炎症を起こす
- 炎症が続くと、歯を支えるあごの骨(歯槽骨)が少しずつ溶ける
- 支えを失った歯が、柱の抜けた家のようにグラグラする

口の中にカビが生えると、口臭がすごくなるらしいよ!
「抜歯」はかわいそうなこと?
「若いうちに歯を抜くなんて、かわいそう」
そう思うのは当然です。
でも、グラグラの歯を無理に残すと、猫ちゃんにとってはつらい時間が続いてしまいます。
- ずっと痛い:チクチクした痛みが続く
- 治りにくい:悪い歯が“菌の隠れ家”になって薬が効きにくい
- 食べられない:痛くて食事量が落ち、体力も落ちる

抜歯は「あきらめ」ではありません。
痛みの原因を取り除き、もう一度しっかり食べられる生活に戻すための治療です。
抜歯のあとに大切なこと
歯を抜いて終わりではありません。
そこからが、再出発なんです。
- お口のケア:薬やケアで、カンジダが再び暴れないようにする
- しっかり食べる:痛みが消えると食欲が戻りやすい
- 原因を調べる:なぜ若いうちに免疫が落ちたのかの、基礎疾患や体調を確認する
繰り返さないためには、抜歯後のフォローで決まることが多いです。
まとめ
猫ちゃんにとって、お口のトラブルは生活の質を大きく左右します。
- 「若いから大丈夫」は禁物
- 歯のグラグラは、土台が壊れている重大サイン
- 抜歯は、痛みのない生活を取り戻すための治療のひとつ
もし「口が臭い」「食べ方が変」「歯みがきで歯が揺れる」と感じたら、早めにご相談ください。
早ければ早いほど猫ちゃんの負担も少なく、できる選択肢が増えます。