佐倉市の動物病院なら若山動物病院|セカンドオピニオン対応

  1. ホーム
  2. Dr.Nyanのすこやかコラム
  3. 夏の始まりに気をつけたいポイント

Dr.Nyanのすこやかコラム

コラム記事検索

夏の始まりに気をつけたいポイント

夏の始まりのポイント

5月5日は二十四節気の「立夏」にあたり、暦の上では夏の始まりです。
春から初夏への季節の変化は、ワンちゃんや猫ちゃんの体調や行動にも様々な影響を及ぼします。
飼い主さんはこの時期特有の気温・環境変化に注意し、快適で健康に過ごせるよう対策を取る必要があります。

以下では、健康管理、暑さ対策、食欲・活動量、被毛と皮膚、病気予防の観点から、季節の変わり目に気をつけたいポイントをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

目次

健康管理

季節変化が体調に与える影響

春から夏への季節の変わり目はヒトと同様に、ワンちゃん猫ちゃんも体調を崩しやすい季節です。
気温の寒暖差が大きい日は、自律神経のバランスが乱れから下痢や食欲低下などの不調の原因になります。

特に春先は低気圧と高気圧が交互に訪れるることが多く、ワンちゃん猫ちゃんの自律神経が疲れがちです。
また日照時間が延びるため活動量が増えるだけでなく、朝晩と日中の気温差などから体内リズムが乱れることもあります。

対策ポイント

まずは環境の温度・湿度を安定させることが基本となります!
室内の温度変動を抑え湿度を50%前後に保つだけでも、ワンちゃん猫ちゃんの負担をかなり軽減できます。

また適度な運動も有効です。
散歩や室内遊びで身体を動かすことは免疫力の向上や自律神経の安定につながり、健康維持に役立ちます。
生活リズムもできるだけ規則正しく保ち、急激な環境変化やストレスを避ける工夫をしましょう。

引っ越しや生活時間の変化など飼い主さんの事情で環境が変わる場合は、寝床にこれまで使用していた毛布を置くなど、安心できる匂いや居場所を用意してストレスを和らげる工夫が大切です。

暑さ対策

熱中症予防と環境調整

初夏から夏にかけて気温が上昇すると、ワンちゃん猫ちゃんはヒト以上に暑さの影響を受けます。
ワンちゃんは全身を毛に覆われ汗腺も限られるため、ヒトには心地よい程度の気温でも熱中症になるリスクがあります。
特にパグやフレンチブルドッグなどの短頭種の子や、肥満気味の子は体内に熱がこもりやすく注意が必要です。

猫ちゃんは「暑さに強い」とは言われますが、高温多湿には弱く日本の夏は苦手なんです。
長毛種や鼻の短い猫ちゃん、肥満の子、子猫・シニアの猫ちゃんも、体温調節が苦手なので十分な注意が必要です。

対策ポイント

室内環境の温度管理

エアコンで室内の温度を保ちます。
ワンちゃんの場合はおおよそ18~26℃猫ちゃんは25℃前後が目安です。
湿度は50~60%程度が理想です。

ヒトが少し涼しいと感じるくらいが、毛皮を着たワンちゃん猫ちゃんには丁度良いとされています。
ただし幼齢・高齢の子は冷え過ぎとなってしまうことがありますので、様子を見ながら調整しましょう。
体を伸ばして床に寝そべっていれば「暑いサイン」、丸く縮こまっていれば「寒いサイン」です。

屋外での対策

真昼の暑い時間帯(特に12~15時)は気温・路面温度が最も高く、熱中症のリスクが急上昇します。
日中の散歩は避け、早朝や夕方以降の涼しい時間に切り替えましょう。

地面の熱を手で確認し、必要なら時間をさらにずらしてください。
散歩中はこまめに日陰で休憩、水を与えるようにします。

水分補給

室内外を問わず水をいつでも飲めるように用意します。
また日頃から水を飲む習慣をつけるようにしましょう。

車内放置をしない

夏の車中は、数分で命に関わる温度に達します。
たとえ短時間でも車内で留守番させないことが、重要です。

熱中症の兆候に注意

激しいパンティング、ヨダレ、ふらつき、ぐったりして反応が鈍いなどの症状が見られたら、体を冷やし、すぐに動物病院へ行きましょうね。

食欲・活動量の変化と対処

暑くなる時期、ワンちゃん猫ちゃんの中には食欲が落ちたり活動量が変化したりする子もいます。
寒暖差による自律神経の乱れや、代謝の切り替えが原因となり、一時的に食欲不振になることもあります。
また日中の暑さでバテて、昼間は寝てばかりになる子もいます。

猫ちゃんは室温が高いと、無駄な動きを避けてジッとしていることもあります。
このような時には運動不足にならないようしてあげましょう!
涼しい時間に遊びを増やしてストレス発散や食欲増進を図りましょう。

食欲が落ちている場合はフードの温めやトッピングの工夫、1日の量を小分けにして与えるなどの工夫を行います。
暑い昼間を避け、朝晩に食事を行うようにするのもよいでしょう。
2日以上食欲が戻らない、嘔吐・下痢・体重減少などがある場合はすぐに動物病院に相談しましょう。

被毛と皮膚のケア

換毛期対策

春から初夏にかけては、ワンちゃん猫ちゃんにとって換毛期のピークになります。
冬毛が抜け落ち、夏毛に生え変わる時期で抜け毛が大量に発生します。
こまめなブラッシングで通気性を確保し、皮膚の健康を守りましょう。

猫ちゃんはグルーミングで毛を飲み込みやすく、毛玉が原因の嘔吐や食欲不振を起こすこともあります。
長毛でなく短毛の猫ちゃんでも、毎日のブラッシングが大切です。

またシャンプーやトリミングも効果的です。
ただしワンちゃんの丸刈りは、皮膚への刺激や直射日光のリスクがあります。
トリマーさんや専門家と相談しながら、ケアを行う必要なあります。
また皮膚にトラブルも起こしやすい時期でもあるため、赤みやフケ、かゆみが見られる場合は早めに受診しましょう!

病気予防;ノミ・マダニ・蚊の対策

春から活発になるノミ・マダニ・蚊といった外部寄生虫は、ワンちゃん猫ちゃんにとって大きなリスクです。
ノミは貧血やアレルギー性皮膚炎、条虫感染を引き起こすことがあり、
マダニはバベシア症やSFTSウイルスを媒介することもあります。
蚊はフィラリア症を運び、命に関わる疾患です。

対策として、ノミ・マダニ・フィラリア予防薬の定期投与を必ず行いましょう。
完全室内飼育でも感染リスクはありますので、室内飼いでもすべての子に予防をします。

散歩後のブラッシングや耳裏や足の間のチェックを行います。
また草むらには行かないようにし、防虫ウェアや虫よけスプレーを活用します。
もちろん、室内の清掃なども重要です。

まとめ

春から夏への季節の変わり目は、ワンちゃん猫ちゃんの体調や行動に多くの変化をもたらします。
飼い主さんが小さなサインに気づき、先回りのケアをすることで、夏を元気に乗り切る助けになります。
「うちの子は大丈夫」と思わず、気温や湿度、体調の変化に敏感になりましょう。
何か気になることがあれば、早めに動物病院に相談してください。

立夏をきっかけに、わんちゃん猫ちゃんの生活環境やケアを見直す良い機会です。
楽しく、安全に、健やかな夏を一緒に迎えましょう