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【夏の皮膚】夏の皮膚のケアについて解説

先生~
うちの子、お肌を痒くがって
夜も眠れなさそうなの
どうにかして・・・・

どれどれ、
皮膚の検査用のカメラでお肌のチェックしてみようね!

このカメラは、角質層の状態などがチェックできます。

あらら、お肌が大変なことに!
皮膚の表皮の細胞がめくれちゃってるのが見られますよ。
これって乾燥肌ですよ!

せんせい!
お肌が乾燥って言いますけどぉ?
今はジメジメ気候で湿度高いのに・・ですか??

「夏に皮膚が乾燥なんて、どうして?」とか
「ジメジメして汗ばむのに、なぜ乾燥肌なの?」とか
そう思いますよね?
でも、そうなんです!

皮膚の乾燥に注意しなければならないのは、冬だけではありません。
実は高温多湿の夏でも、皮膚が乾燥してしまうリスクがたくさん潜んでいます。

実際に、夏に皮膚が乾燥してしまうなんてイメージしませんものね!
でも、事実なんです!

しかも夏の皮膚の乾燥は、冬にない特有の原因があります。
そのため夏でも保湿をしないと、皮膚が乾燥してしまうんです。

でも、それだけではありません!
夏の乾燥は冬の皮膚の状態にまで影響を与えてしまう、とも言もわれています。
そのため夏の皮膚のケアの中には、季節違いとも思えるような保湿を行わなければならないこともあります。

目次

夏に皮膚が乾燥する原因

皮膚の乾燥は、皮膚を保護する働きを持つバリア機能を低下させてしまいます。
その結果、皮膚炎を起こしてしまいます!

では、夏に皮膚が乾燥する原因にはどんなことがあるのでしょうか?
まぁ~ヒトでは紫外線が一番のように言われています。
じゃ~ワンちゃんでは、どうなんでしょう?

エアコンによる乾燥

エアコンは部屋の空気の中の「熱」を部屋の外に出し、室内の温度を下げています。
その際に、空気中の水分も部屋の外に出していきます。
つまり部屋を冷やすと同時に、部屋の湿度も落としていきます。
だからジメジメも無くなり爽やかで快適になるのですが、実はこの際に皮膚の水分も奪ってしまうのです。

しかもエアコンの冷たい空気から体が冷え、血液の流れが悪くなってしまいます。
体の冷え=皮膚の冷えから、皮膚のターンオーバーにも乱れが生じてしまいます。
夏でジメジメしてるのに、フケっぽいなんてことが見られるのはそのためです。

ここで皮膚についてチョット説明です!

表皮の一番外側のぶぶん、眼で見えるところが「角質層」です

皮膚は「表皮」「真皮」「皮下組織」の3層構造からなっています。
そのうち皮膚の一番外側で空気に触れている部分、皮膚の眼で見える部分を「角質層」と言います。
角質層には角質細胞がブロック状に積まれ、その間を脂質が埋めています。
この脂質は体内の水分の蒸発を防ぎ、皮膚の潤いを保つために重要な働きをしています。
しかし何らかの原因で脂質のパワーが弱まると、皮膚の水分を保つ働きも弱まってしまいます。
このようにダメージを受けた皮膚は乾燥し、またバリア機能も落ちてしまいます。

紫外線の影響

紫外線がお肌を痛めることは、誰もが知っていることです。
でもこの紫外線、ヒトには厳しくてもワンちゃんには関係ないモノと思いがちですが・・・
いやいや、それは大きな間違いです。

体が毛で覆われているからと言っても、紫外線が関係ないとは言えないのです。
実際にワンちゃんの皮膚もヒトと同じように、紫外線の影響を受けてしまいます!

ただ毛量が多いワンちゃんでは、紫外線の影響が大きいとは言えません。
しかしサマーカットなど、毛を短くした場合などでは紫外線の影響を受けやすくなります。
場合によっては、直接紫外線を皮膚に浴びることもあるでしょう!
そのような場合には皮膚の乾燥どころか、日焼けを起こしちゃいますよね。

毛は必要だから生えているんだよね!
夏は日除けになるし
冬は防寒、フカフカして温かいヨ!

ちなみ紫外線は夏だけのものではなく、1年中空から放り注いでます。
つまり紫外線の影響は、少なからずも1年中あるって言うことなんです。

皮脂の分泌と皮膚の乾燥

ヒトは暑くて湿気の多い時期には、汗をかきます。
それと同じようには、ワンちゃんも皮脂の分泌量が多くなります。

皮脂の分泌量が多いから「オイリーお肌」と思っていたら
実は皮膚に潤いのない「インナードライお肌」ってことも多いんです。

「インナードライお肌」は、角層の中の水分が不足していて乾燥している状態です。

皮脂の分泌量が多いと皮膚のベタや汚れから、細菌などが繁殖しやすくなります。
そのため体が臭ったり、皮膚のトラブルの原因になってしまいます。

この時にシャンプの選択やシャンプーの仕方、その後のケアを間違うとトラブルが起きてしまいます。
ちなみこインナードライお肌のワンちゃんって、結構多いんですよ!

スキンケアの勘違い

「夏はジメジメ季節で、乾燥なんかの季節ではない!」
そのように思っていませんか?
そんな思い込みがあると、皮膚の乾燥を防ぐようなスキンケアを行うことはありません。

しかも暑いと皮脂の分泌量も多くなり、その分体臭もキツくなります。
そうなると体臭や脂ぎった皮脂を取り除きたいからと、洗浄力の強いシャンプを使ったり丁寧に洗いがちになります。

そうなのね
それで必要な皮脂まで取り除いてしまうってことなのね!
そしたら、お肌を痛めちゃうわ!

皮膚のバリア機能までも落とし、皮膚にトラブルを起こしちゃうんです。
だから良かと思ってやってることが、かえって逆効果!
やっぱり皮膚の状態を知ってないと、ダメですよね。

皮膚の乾燥を予防するには

夏も皮膚の乾燥は気をつけなければならないのね!
それはわかりました。
じゃ〜実際にはどのよう気をつけたら良いのかしら?

紫外線対策

紫外線からのダメージを防ぐには・・・
紫外線が皮膚に届かないようにすれば良いだけのことです。
そのたには、紫外線を通さない服を着ての散歩も良いでしょうね!

またサマーカットを行うにしても、毛の長さには注意です!
地肌が見えないようにしてあげて下さいね。

屋内の対策

エアコンは体を冷やすだけでなく、皮膚の水分までも奪います。
そのため風向きを調整し、冷気が体に直接当たらないように工夫するようにします。

また水分の補給にも、注意が必要です!
そのためには水を飲みやすい環境を作ることが大切です。

シャンプーケア

皮膚を守るには、汚れや古い角質を丁寧に洗い流すようにします。
そのためにシャンプーをよく泡立て、泡を皮膚のうえを滑らせるようにしていきます。
体を洗う際には、決して皮膚を擦ってはいけません。

シャンプーを洗い流すときも、シャワーの温度は低めで行います。
温かいお湯を使うと、体に残った皮脂が取れてしまうと同時に体が温まってしまいます。
その結果、洗った後の身体の火照りから皮膚に痒みを出してしまうことがあります。

同じように、体を乾かす際のドライヤーの使い方にも注意しましょう!

バランスの良い食餌

皮膚の乾燥を防ぐためには、体の内側からのケアも大切になります。
夏は暑さから食欲が落ちることもあります。
そのため食べさせたいがため、どうしても好きなモノを与えてしまいます。
そえ結果、偏食になりがちとなり栄養バランスを崩してしまいます。

偏った食生活は乾燥肌の要因の1つともなります。
普段からバランスの良い食事を意識し、体の内側からケアすることが大切です。

血行を良くする

全身の血行が良くなると皮膚の血行も良くなり、乾燥肌を改善する効果があります。
そのためには散歩なのですが・・・
気温が高くて散歩が危険に感じられる季節ですので、長時間ではなく無理をしない範囲で夏も体を動かすようにしょう。

ヒトあれば入浴も血行を良くする1つの方法ですが、ワンちゃんではなかなか難しいものです。
そこでお勧めは、足湯!

まとめ

皮膚の乾燥を防ぐためには、夏も保湿ケアを行うことが大切になります。
夏はサッパリした保湿液が良いと思いますが、実際には乳液やクリームの方が良いんですよ!
また夏は意外と生活習慣が乱れやすいので、肌の乾燥を招かないように食事なども見直してみましょう。