Dr.Nyanのすこやかコラム
飼い主様に伝えたい犬猫の病気や日常ケアについての役立つコラムをお届け♪
【便秘】犬の便秘とは?症状や予防法を解説
「ウンチ」は「便」のことですが、「便」の意味は「手紙とか、たより」です。
つまりウンチは体の中から届く「健康のお便り」なんです。
そして、このお便りが届かない状態のことを「便秘」と言います。
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1日に何回も出るよ!
だから1日に1回でもウンチが出ないと心配で・・・
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俺はウンチは1週間に1回くらいだけどさ・・・
それでも普通にウンチは出てるし、他に問題無いし・・・
これが俺のウンチだってことで、心配なんかしてないヨ!
ウンチって個体差があり、様々です。
また飼い主さんのウンチに対する考え方も色々です!
だからか、ウンチは出てれば問題無しと思うのは普通のことなんでしょうね。
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ヒトでは便秘には定義があるんだよ
日本内科学会では「3日以上排便がない状態・・・」そう言われています。
だから、毎日ウンチは出なくちゃダメと言うわけじゃありません。
便秘って、言ってみればウンチが肛門からスムーズに出てこないだけのことなんです。
たったそれだけのことなのですが、奥が深いのが便秘なんです。
便秘の症状とは
便秘とは腸の中にウンチが詰まった状態ですから、詰まり過ぎればお腹が張って痛くなります。
また便秘になると腸内で悪食べたモノが腐り、ガス=オナラが作りだされます。
オナラが出ないと、やはりお腹が張ります。
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便秘になると様々な症状が出ちゃうんだけど
どんな症状は出るか、見ていこうね!
【便秘の主な症状】
- ウンチが少なくなった
- お腹が張って苦しそう
- お腹を痛がる
- オナラがよく出る
- ウンチはしたいようだが出ない
- 食欲がない
- 吐き気がある
便秘の種類
便秘と言っても、症状はウンチが出ないだけであっても原因は様々です。
そんな便秘には原因により「機能性便秘」や「器質性便秘」、「症候性便秘」などがあります。
機能性便秘
一般的に、普通に見られる普通の便秘です。
そして胃腸に炎症や変形などの異常が無いものを、機能性便秘といいます。
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機能性便秘は3つに分けらているんだよ。
それらについて説明するね!
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機能性便秘は、生活習慣を見直すことで症状が緩和されることが多々あります!
弛緩性便秘
筋力などの低下から腸の運動する機能が落ち・・・
ぜんどう運動が十分に行われなくなり、ウンチを押し出す力が弱まっている状態です。
そのためウンチが通過するのに時間がかかり、水分が腸に吸われてウンチが硬くなってしまいます。
痙攣性便秘
ストレスなどから自律神経がバランスを崩し・・・
大腸のぜんどう運動が不規則になって正常に動かず、ウンチがうまく運ばれな状態です。
そのためウンチの水分が失われて、ウンチが硬くなってしまいます。
直腸性便秘
排便のリズムが崩れたりトイレを我慢したりすると・・・
排便を促す「ウンチしたいのサイン」が、鈍感になってしまうことがあります。
そのためウンチが肛門近くにまで来ても「ウンチしたいのサイン」が出ません。
そうなると正常に排便されず、ウンチが直腸内に留まり硬くなってしまいます。
器質性便秘
胃や小腸、大腸、肛門などに炎症や腫瘍があったり、手術後の癒着などが原因となり起こります。
器質性便秘は機能性便秘とは違い、治療が必要となることが多い便秘ですので注意が必要になります!
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器質性便秘を起こす原因には、以下のような病気や症状があります。
腸の中の異物や腫瘍
異物を誤って飲み込み、それが腸の中をスムーズに動かないとウンチの流れも悪くなります。
ただ異物の状態によっては、症状が見られない場合もあります!
またお腹の中に腫瘍があった場合、腫瘍が腸を圧迫したり腸に出来た腫瘍により腸の動きが制限されウンチの流れが悪くなってしまいます。
事故
交通事故などで骨盤を骨折した場合、骨盤が狭くなってしまうことがあります。
その結果、ウンチがスムーズに流れずに便秘になってしまいます。
会陰ヘルニアなどの病気
会陰部や鼠蹊部、腹壁などに起こるヘルニアは、体の中の組織の一部が皮膚の下に飛び出してしまう病気です。
飛び出してしまう組織で多いのは、内臓脂肪や腸の一部です。
そのため場合によっては、腸の動きに影響が出てしまいウンチに影響が出てしまいます。
症状によってはウンチだけでなく、オシッコまでが出なくなってしまいます。
症候性便秘
ウンチの通過を妨げるような腸への圧迫などの物理的な障害は無いが、病気などが原因となり起こる便秘です。
一般的には以下のものが挙げられます。
神経疾患によるもの
椎間板ヘルニアや変形性脊椎症ど脊髄が圧迫される病気では、内臓の神経の麻痺が見られことがあり腸の動きが悪くなってしまいます。
そのため便秘になってしまうことがあります。
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関節疾患によるもの
また膝蓋骨脱臼や股関節形成不全症など、膝や股関節などの関節の病気に罹ると、その痛みからウンチスタイルが取りずらくなります。
その結果、便秘にもなってしまうことがあります。
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ホルモン疾患によるもの
甲状腺機能低下症は甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンの量が不足する病気です。
この病気になると体の様々な働きが低下してしまうため、腸の働きも悪くなってしまいます。
その結果便秘になることがあります。
糖尿病は、血液中の糖が必要以上に増えてしまう病気です。
糖尿病で血糖値が安定しないと自律神経に乱れを生じ、腸の働きも悪くなってしまいます。
その結果、便秘になることがあります。
便秘が起こる原因は?
便秘には注意すれば治るものから、難治性のものまで便秘まで様々です。
便秘の大きな原因のひとつが、大腸のウンチを押し出す力が弱ってしまっていることです。
つまり腸の中のウンチがスムーズに動けず、便秘になってしまっているのです。
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では便秘を起す主な原因について説明しましょう!
ストレスからの便秘
腸は副交換神経と交感神経とからなる自律神経により、動きがコントロールされています。
自律神経の中の副交感神経の働きが強くなってしまうと、腸の動きが活発になります。
逆に交感神経の働きが強くなると、腸が動きが鈍くなります。
体にストレスが加わるとが交感神経の働きが強くなり、腸の動きが悪くなってしまいます。
その結果、ウンチが出なくなってしまうのです。
つまり腸の動きが活発でウンチが出やすい状態になるには、副交換神経の働きが強くないといけません。
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ウンチがしたくなる時とは、ストレスも少なくリラックスした状態で過ごしている時なんですよ。
だから緊張状態が続くと、便秘になってしまうんです!
ウンチを我慢して起こる便秘
「ウンチしたい、トイレに行きたい!」
そう思っても・・・
ウンチは散歩の時にと習慣付けていたら、散歩の時間までウンチを我慢してしまいます。
トイレの我慢やウンチの回数が減ると、便秘になりやすくなります。
ちなみ・・・
ウンチは腸の中にある「ウンチ出すよセンサー」により便意をもよおします。
そのためウンチをが我慢していると「ウンチ出すよセンサー」の働きが鈍くなってしまいます。
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ウンチを我慢してると、ウンチしたい感覚が薄れて来ちゃいます!
だからウンチをしたい時にウンチをしないと、便秘になってしまいます。
また緊張状態が続くと、便秘になってしまうんです!
運動不足からの便秘
ウンチを出す時には腹筋に力を入れることで、スムーズに出ます。
そのため腹筋が衰えてしまうと、ウンチを出す力が弱くなってしまいます。
腹筋が衰えてしまう原因には、運動不足があります!
ウンチを散歩の時にする習慣のある場合には、ウンチのタイミングが上手く取れ無いとウンチができなくなります。
フードの内容からの便秘
栄養バランスの乱れは、便秘になりやすと言われています。
便秘には食物繊維が良いと言われますが、実際には不溶性繊維を多く摂り過ぎるとウンチが硬く太くなり排便がしづらくなります。
また水分不足も便秘の原因となります。
病気からの便秘
ウンチをする時に何らかしらの痛みがあると、ウンチを我慢してしまうことがあります。
例えば肛門や肛門の周りに炎症があり痛いと、いきめませんものね。
また足腰に痛みがあると、ウンチスタイルをうまくとれずウンチがしにくくなります。
このようにスムーズにウンチができないと、便秘になることがあります。
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病気が原因の便秘だと、その病気に気が付かないと治らないですよね!
便意はどのように起こるか
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便秘を改善するには、ウンチについての知識が大切なんだよ。
まずはウンチついて説明するね!
食べたものは胃や小腸で消化され、水分の多いドロドロの状態で大腸に送られます。
そこで水分が吸収され、肛門に近づくにつれ徐々にウンチの形となっていきます。
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ここまでは誰もが知ってることだよね!
じゃなぜウンチがしたくなるか、その仕組みについての説明です!
食べたモノが胃に入ったときの刺激をきっかけに、腸のぜん動運動が始まります。
そしてぜん動運動により、食べたモノは小腸から結腸へ直腸へと送られます。
直腸へ届いたウンチが刺激となり「ウンチ届いた」とサインが大脳に伝わり「ウンチしたい」となります。
そしてウンチの準備ができると大脳が「ウンチ出しなさい」という指示を出し、肛門括約筋が緩みウンチが出ます。
そもそも「ウンチ」って何からできているの?
ウンチの成分を調べてみると・・・
70~80%が水分、そして残り20~30%が消化吸収されなかった食べ物のカスや腸内の生きてる細菌や死んだ細菌、古くなって腸から剥がれ落ちた細胞です。
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ウンチの中の細菌を調べてみると・・・
「善玉菌20%」「悪玉菌10%」「日和見菌70%」となります。
善玉菌は悪玉菌が増えるのを防いだり、腸の運動を良くします。
悪玉菌は腸の中のモノを腐らせたり、下痢を起こしたり有害物質を作ります。
日和見菌は善玉菌が優勢だと善玉菌の味方を、悪玉菌が優勢だと悪玉菌の味方をする優柔不断な菌です。
健康であれば腸内細菌のバランスが保たれウンチの硬さも良く、いきむことなくスルッと出てきます。
しかしコロコロウンチや水分の多いウンチは、腸内細菌のバランスが悪くなっている状態と言えます。
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腸内細菌のバランスは、体の健康に大きく関わっているんだよ!
だから腸内の環境を良くしておくことが、とっても大切なんだ!
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便秘の予防方法
便秘は自律神経のバランスの乱や大腸の働きの弱まり、体のリズムが乱れから起こります。
では便秘を予防するのは、どのようにしたら良いのでしょうか?
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便秘は大腸を健康にすれば改善できるということなんだよね!
でもどのように対処すれば良いのでしょうか?
じゃ、その対処法について説明するね!
運動とマッサージ
便秘は運動不足からも起こるため、運動する習慣を取り入れなくてはなりません。
筋肉の中でも便秘に関わりのあるのは、腹筋です。
そのため腹筋が衰え無いよう、適度な運動をすることが大切です!
また運動は血液の流れを良くし、腸の動きを活発にする働きもします。
そのため運動は筋肉を大きく動かすような歩き方、例えば早歩きなどが効果があるとされています。
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スムーズにウンチを出すためには、適度に筋肉を鍛えなくちゃならないってことだよ!
さぁ〜腹筋!腹筋!
お腹のマッサージも、腸を刺激しウンチを促すことができます。
人差し指から薬指までの4本で、おへその周りを時計回りに「の」の字を描くように30回くらい、ゆっくりマッサージします。
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「の」の字マッサージも効果あるけど・・・
便秘に効くツボが、臍の左右1センチ~1.5センチのところにあるんだよ。
そこを軽く押すと効果あるんだけど、お腹張ってたら嫌がるから注意ね!
冷えがストレスになると交感神経が優位になり、腸の運動が衰え便秘になってしまいます。
冷えやすい場合には、冷えを防ぐように心がけましょう。
冬の冷えは気にする飼い主さんも多いのですが、夏のエアコンからの冷えにも注意しましょうね!
冷えは万病の元とも言われていますよ!
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お腹の冷え防止には、腹巻きが良いんだよ!
フードと水分
ウンチの元というか、ウンチは口から入る食べ物でも出来ています。
そのため、便秘の対策では「食べ物」の質が重要になります。
日頃から便秘になりやすい人は、まずフードやオヤツの内容を見直すことが必要です。
ウンチのほとんどち言って良いくらい、ウンチに含まれる水分の量は多いものです。
そのため水の飲む量が少ないと、ウンチが硬くなってしまうのは当然のことです!
1日に必要な水分の量を知り、こまめに水分を摂ることを意識しなくてはなりません!
腸内環境を整える
腸内環境が整っていると、ウンチの状態も良くなります。
そのためには、日頃から腸内環境をよくすることを心がけなくてはなりません。
もし必要であれは乳酸菌や善玉菌を増やすオリゴ糖を飲ませ、腸内環境を整えるのも一つの方法です!
便秘になりやすい犬種
- シニア犬
- 水の飲む量が少ない犬
- 偏食の犬
- 軟骨低形成症の犬
- 軟骨形成不全症の犬
まとめ
便秘は普通に見られる一般的な症状で、便秘を防ぐたには食生活と適度な運動が大切です。
便秘は生活習慣やフードなどを見直すことで改善することも、予防することもできます。
チョット注意して、スッキリ気持ちよく過ごしましょう!