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【猫のヒゲ】猫のヒゲの役割について解説

ピーンと長く伸びたヒゲ!
細くカールしているヒゲ!
弧を描いているヒゲ!
先が枝毛になっているヒゲ!

よく見ると猫のヒゲは長い短い太い細いなど、色々な形をしていて個性があります。
そんなヒゲには、ただ生えているだけじゃ無く生活していく上で重要な役割を持っています。

目次

猫のヒゲの種類

猫のヒゲと言えば、は鼻の横と言うか口元に生えている長~いヒゲを思い浮かべます。
しかし猫のヒゲは顔だけでなく、意外な場所にも生えています。

  • 眉上毛:眼の上に生えていヒゲ、眼や頭を傷つけないように危険を察知する役割を持つ
  • 頬骨毛:眼の横で頬のあたりに数本生えているヒゲ、生えていない猫もいます
  • 上唇毛:頬というか鼻の横の方に生えている、一般的に言う猫のヒゲで害物があることを察知する
  • 下唇毛:顎に生えている短いヒゲで、視界に入りにくい顎の下の障害物を察知する

顔には、このように多数のヒゲが生えてます。
これ全部が「触毛」と呼ばれる、高感度・高機能センサーなのです。

ちなみ触毛は顔だけに生えているわけじゃないよ!
前足の親指の上あたりに、周囲とが違う太さの毛が生えてるでしょ?
下の写真見て!
これもヒゲ=触毛なんだよ!

ちなみ顔や足に・・・
ヒケが何本生えているかを数えてみると、
50本から60本くらいも生えてるんだよね!

猫のヒゲの役割

猫の顔には、太さや長さが違うけど多くのヒゲが生えています!
そのヒゲは「触毛」とも呼ばれ、毛の根本にはたくさんの神経細胞が集まり血管が通っています。
そのためヒゲに何かに触れると、その情報が脳へと伝わり「何かあるゾ!」と感じるのです。
つまり「触毛」は、様々な情報を敏感に感じ取る感覚器のひとつなんです。

ヒゲは、無いとチョット困っちゃうんだよ。
なぜって?
様々な情報を感知でき無いと、生活に困るでしょ?
じゃ~ヒゲの役割についてを説明するね!

平衡感覚を保つ

猫のヒゲの感覚は繊細で、かすかな空気の動きでも察知します。
そしてこのヒゲは周囲の状態を感知したり、平衡感覚を補ったりする役割を持っています。

そのため高いところからどんな姿勢で落ちても、落下中に体をよじらせ体制を整え見事に着地することができます。このように猫の高いところに登ったり飛び降りたりと三次元移動するには、この平衡感覚がとても重要なんです!

狭い場所でも体が通れるかを判断する

猫の顔には、いく種類ものヒゲが顔の周りに張りめぐられています。
ヒゲの毛根には、たくさんの神経細胞が集まっています。
そのため狭い場所を通ろうとするときにヒゲを広げ、ヒゲが当たらないかを確かめます。
そしてヒゲの当たり具合によって、自分の体が通れるかどうかを判断しています。

俺なんか、ヒゲ役に立たないって!
ヒゲではOKなのに、体が抜けなくなっちゃうんだ。
それって太りすぎって事なんだよね・・・
悲しい!

暗い場所でも歩ける

ヒゲは、周囲の空気の流れなどの情報を集めるセンサーです。
そのため障害物がどこにあるかなどの情報を集めることができるため、暗闇でも物にぶつかること無く移動することができます。

俺さ動体視力は良いのに、視力はヒトの10分の1くらい・・
視力は0.1くらいでムッチャ弱いんだよ
でもヒゲがあるから視覚に頼らず歩けるんだ!
ヒゲから得られる情報量で凄いのわかる?

獲物を捕らえる

猫のヒゲは、温度や風向きも感知できるセンサーです。
そのため風で運ばれてくる獲物のニオイや、耳で聞こえないほどの音や些細な空気の動きを捉えるこちとが出来ます。

このように動くもの対して敏感に反応するヒゲがあるからこそ、敵が近くに現れる前に警戒態勢に入ったり逃げたりすることができるのです!

眼を守る

猫のヒゲは「反射弓」という神経で、まぶたとつながっています。
そのため顔の近くにモノをヒゲが感じたら、脳を介さずまぶたに伝わり素早くまぶたを閉じて眼を保護することができます。
また小さなゴミなども眼に入るのを防ぐなど、ヒゲは眼を守る役割も持っています。

「反射弓」とは脳を介さない反射の神経経路を言うんだけど・・・
例えば、膝をポンと叩くと足先がピーンと跳ねる膝蓋腱反射などです。
わかります??の例である

猫のヒゲは切っちゃダメ!

犬はヒゲも切ることがありますが、それはそれ!猫はダメなんですよ!
猫のヒゲは日常生活に必要な、とっても重要な働きをしています。
だから、絶対に猫のヒゲは切っちゃダメなんですよ!

もしヒゲを切ってしまったら、ストレスから生活に支障をきたしてしまうことでしょう!

ヒゲを切られた・・・
どんなことになっちゃうの、想像してみたッ!
怖い!怖い!
もしヒゲを切られたら、どうなるか教えるね!

狭い場所の通り抜けに失敗

猫のヒゲは狭い場所が通れるかどうか、自分との距離を測る「ものさし」です。
もしヒゲが無くなっていたら距離が測れず、狭い場所を通り抜けられなくなることがあります。

高い場所が歩けない

猫はヒゲで平衡感覚を保っています。
もしヒゲが無くなっていたら、高い場所にあるキャットウォークを歩くのも大変!
ジャンプする時はバランスを崩すし、高い所からは落ちるし・・・

暗闇が歩けない

猫が暗闇で動けるのは、暗闇でも見ることが出来る眼を持っているからだけではありません。
ヒゲに伝わる空気の微妙な動きを感知し、周囲の状況をチェックしています。
もしヒゲが無くなっていたら、周囲の様子が確認できずスムーズに動くことができなくなります。

ご飯も食べられず、しかも敵にやられちゃう・・
それって嫌だ!

狩りができず、身の危険も避けられない

猫のヒゲは空気の微妙な動や音などを感じ、獲物や敵の気配や動きの情報を収集しています。
もしヒゲが無くなっていたら獲物や敵の情報を得られず、また平衡感覚も鈍るため機敏な動きまでもが制限されてしまいます。
その結果、獲物を狩ることが難しくなるだけでなく、敵に襲われる危険も増します。

ご飯も食べられず、しかも敵にやられちゃう・・
それって嫌だ!

眼を守れない

猫は目の上に生えているヒゲは、眼を守っています。
このヒゲはまぶたと神経でつながっており、ヒゲに何らかの刺激があると反射的に眼を閉じるように働きかけます。

もしこのヒゲが無かったら、とっさに眼をつぶることができず眼に傷が・・・
これ大変!痛い!痛い!

不安やストレスがいっぱい

猫のヒゲは情報収集に大きな役割を持っています。
そのヒゲが無くなると生活する上で大切な情報が得られなくなります。
これって不安やストレスを生み出してしませんか?
その不安やストレスはメンタルにまで影響することもあり、動きが鈍くなったりしてしまいます。
また持続的なストレスは病気の元にもなりかねません!

まとめ

猫のヒゲは犬のヒゲとは違い、生活する上で重要な役割を持っている大切なモノです。
そんなヒゲの役割に、また猫の神秘の一つに触れた思いがありませんか?
猫には、まだまだたくさんの興味深いことがあります!

おまけ

ちなみ「猫が顔を洗うと雨がふる」など言います。
この「猫が顔を洗うこと」と「雨が降る」については、その因果関係が検証されているそうです!
雨が降る前は空気中に湿気が多くなるため、ノミの動きが活発になるそうです。
そしてノミが猫の顔を動き回り痒くなるため、顔を擦るとか!
また猫のヒゲは湿気を感じる「センサー」のような役割をしています。
そのセンサーが、空気中の湿気が多くなりヒゲが水分を含み重くなるのを感じるので、顔を擦ってヒゲの手入れをするそうなんです。
要は猫はヒゲで、湿度と気圧の変化を感じ取っているってことなんです