Dr.Nyanのすこやかコラム
飼い主様に伝えたい犬猫の病気や日常ケアについての役立つコラムをお届け♪
【歯周病のケア】歯周を予防する方法を解説!
長生きの秘訣は・・・快食!快眠!快便!
手を煩わせることなく太く長く生きるには、歯が命なのです!
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このごろ、うちの子・・・口が臭うんです!
先生!
お口のお手入れどうやるの?
教えて下さいね!
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OK!お手入れの方法の前に
「歯周病」についての、おさらいをしようね!
歯周病を知っておこう
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あら〜歯周病菌はヒトも犬も一緒共なんて知らなかった・・・
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そう犬の歯周病菌はヒトにも感染するし、またその逆もあるんだよ!
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そっか!
じゃ〜歯周病についても教えて下さいね!
「歯周病」は、歯と歯ぐき(歯肉)の境目の歯周ポケットに「歯周菌」が住み着くことにより起こります。しかも歯周菌が住み着いたとしても、菌を取り除くために犬や猫は自分では歯は磨かきません。
歯周ポケットが深くなると、その中の血管の中に歯周菌が入り込んでしまいます。もし持病があったり免疫力が落ちてしまうようなことがあると、病気が悪化したり様々な病気を引き起こしてしまいます。
歯周病菌は健康に影響する悪いヤツ
歯周病に罹ると・・・
歯周病菌が血液中に入って全身へと流れ、様々な臓器に影響を及ぼします。肺に流れれば肺の障害を起こし、関節に入れば関節障害を腎臓、肝臓、心臓の弁も同様に障害を起こします。
このように歯周菌は、 健康に重大な影響を与える悪い菌なんです!歯にたまり続けた歯垢や歯石は、歯周菌の温床となり悪さをします。
口の中にヘビみたいな動きをする歯周菌がいます。
活発に動くトリコモナスが住んでいることもあります。
歯磨きをしてみよう
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歯周病を予防するには、どうしたら良いんでしょう?
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飼い主さんの適切な管理により
歯周病など口の中の病気を予防することができるんだよ!
歯磨きは、歯周病予防に効果があります。成犬になってから歯磨きをしょうとしても、嫌がることが多々あります。そのため子犬のときから、毎日ブラッシングを行うことが大切です。
また口腔内をチェックすることにより口内炎、破折歯、口腔内腫瘍などの疾患も早めに見つけられます。早めに見つけられれば、早期の処置や治療も行えます。
![犬が歯磨きをしている様子](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/03/h02.jpg)
上手に歯磨きをしてあげると嫌がりません!
ブラッシングをしてみよう
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歯ブラシと動物用歯磨きペーストを使って、
歯垢を除去するのが最も効果的な方法なんだよ!
歯肉炎は歯周病の初期症状で、歯肉が赤くなる程度です。
この状態であれば、歯磨きを毎日行うことで歯周病を防ぐことができます。
歯垢は、歯周菌が住む「ワラで作られた家」のようなモノです。
歯磨きを上手に行えば歯垢は取り除くことができ、歯周菌も減らせます。
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歯ブラシは
何でも良い訳じゃ無いんだよ!
ヒトと犬では、歯の形が大きく違います。
そのため犬用の歯ブラシを、しかも症状に合った歯ブラシを使います。
ちなみ歯周病の症状が進んでも、専用のものを使うと痛がりませんよ!
![デンタル歯ブラシ](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/03/IMG_7341.jpg)
症状にあった歯ブラシがあります。
【参考HP】ライオン
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歯周病を予防するには、どうしたら良いんでしょう?歯磨きかぁ〜
ちょいハードル高いかも
でも歯周病は万病に通じるっていうことだから頑張ろ!
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ブラッシングを行うまでのステップを教えるね!
【ブラッシングを行うまでのステップ】
Step1 口を触る
口の周りを触られることに慣れさせます。
そして口を触りを触り、数秒間その状態を維持できるようにします。
Step2 歯をみる
口を開けて中を調べられるようにします。
唇をめくり、前歯や臼歯を見られるようにします。
また歯の裏や舌の状態もチェックしてみてください。
Step3 歯磨きペーストの味に慣れる
歯磨きペーストを唇や歯肉に塗り、味見をさせます。
その味に慣れたなら、歯ブラシに歯磨きペーストを塗り味見をさせます。
この時点では、歯磨きはまだしません。
とにかく歯磨きペーストを舐めさせるだけにして、その味に慣れさせます。
Step4 歯磨きをする
歯磨きペーストの味に慣れたら、前歯からブラッシングを行ってみます。
嫌がる場合は、絶対に無理強いをしてはいけません。
歯ブラシの感触に慣れたら、前歯と歯茎の境目を力を入れずに優しく円を描くようにブラッシングします。
Step5 歯磨きを継続する
ブラッシングに慣れてきたら、徐々に前歯から奥歯の方へと歯ブラシを移動させます。
そして歯と歯茎の境目を力を入れずに、優しく円を描くようにブラッシングします。
もし歯磨きが上手に出来ない場合には、歯石が付いてしまいます。歯石は、歯周菌の住む「石で作られたマンション」のようなモノです。
頑固で硬く作られた歯石は、歯磨きだけでは壊せません!また歯石の表面はデコボコしており、放置しておくとそこに歯垢が付いて歯石は増えていきます。そうなると痛みから、触られるのも嫌になってしまいますよね!
究極の予防方法
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歯周病の予防って
歯磨きしかないのかしら?
![](https://dr-nyan.com/wp-content/uploads/2023/03/raku_ico.png)
二つのケアで予防することができるよ!
粒の大きなドライフードを食べさせる
1つ目の予防方法は・・・
小さい時から「粒の大きめなドライフード」を食べさせることです。
ドライフードの粒が大きければ、食べるのに良く噛まなければいけませんよね?
![歯科用のドッグフードの様子](https://blog.dr-nyan.com/wp-content/uploads/2021/03/h06.jpg)
結構大粒のフードです!
大粒のフードを食べるとどうなるかというと…
⇒ よく噛むので顎をよく使うことになる
⇒ 顎をよく使うと唾液腺が発達する
⇒ 唾液腺が発達すると唾液がたくさん出る
⇒ 唾液がたくさん出ると口腔内が綺麗になるし細菌も流れる
⇒ 歯垢が作られずらくなる
⇒ 歯周菌が住みずらくなる
つまり、よく噛むことで歯垢が作られにくく、結果として歯周菌が住みずらくなるのです。
ドライフードをよく噛むことで、歯の表面の歯垢が擦れ落ちます。これがドライフードによる歯磨き効果です。
![](https://dr-nyan.com/wp-content/uploads/2023/03/raku_ico.png)
小さい時からの「噛む習慣」は、老齢になっても忘れません!
水をよく飲ませる
2つ目の予防方法は・・・
小さい時から「水」をよく飲ませるように心掛けることです。
水をよく飲ませると、口に中は水分で潤っている時間が長くなります。
水をいっぱい飲むとどうなるかというと…
⇒ 口腔内の食べかすや細菌が流れる
⇒ 歯垢が作られない
⇒ 歯周菌が住みずらい
水をいっぱい飲ませることは、ドライマウスを防ぐことにもなります。ドライマウスとは唾液の出る量が少なくなって、口の中が乾燥している状態です。
唾液や口の中の粘膜には、歯周菌と戦う働きを持っています。そのため唾液が少なくなると、戦う力が落ちてしまうのです。
![](https://dr-nyan.com/wp-content/uploads/2023/03/dogkainusi_ico.png)
ドライフードを良く噛み、水をよく飲むことが大切なのね!
わかった!
しかもこの二つの方法を
小さい時から行っておくのね!!
まとめ
歯磨き以外にも、唾液の分泌を促すようなスプレーやジェルも効果があります。
デンタルガムは軟らかなモノを使用し、歯がガムの中に食い込むようにしましょう!
またガムの端を手で持ち、一気に食べないよう工夫します。
口の中に歯周菌を住まわせない、それが本来の『口の中の健康管理』です。
歯磨きは行える範囲で行い、無理な部分は我々がお手伝いします!
少しでも悪さをする歯周菌を減らし、健康で長生きしましょう。