若山動物病院ブログ
肥満は関係ないんだって
耳の先の方に小な腫れ物が出来ちゃったよ!
痛くも痒くも無いしさ・・・
これイボ?
ん〜イボねぇ・・・・
何か違うような気がするんだけど?
万が一ってこともるし細胞診をしてもらえば??
そんなことで、細胞診を行ったのですが・・・
その結果は、肥満細胞腫!
肥満・・・細胞腫?
ええええッ!
肥満って?
俺、そんなにデブなの???
肥満だと出来ちゃうの?
肥満細胞腫ってのは、肥満体系とは関係ないの!
もともと体の中のにある肥満細胞って言う細胞が、腫瘍化してしまったものなのね!
そうなの?
あのさ・・・
そもそも肥満細胞って何なのさ?
肥満細胞とは、アレルギー反応に関与している細胞です。
この細胞は、ヒスタミンと言う炎症を起こす物質を持っています。
体内に異物が侵入すると、このヒスタミンが放出され炎症反応やアレルギー反応を起こします。
そんな肥満細胞が腫瘍化したものが、肥満細胞腫です。
肥満細胞腫は皮膚や皮膚の下に発生しますが、場合によってはリンパ節などに転移してしまうこともあります。
肥満細胞腫は悪性の腫瘍なんだよ!
でも中には手術で簡単に治ってしまうものから・・・
悪性度が高く全身に転移してしまうまであるんだよ!
そこをチョット説明するね
肥満細胞腫は、その悪性度により 三つのグレードに分類されます。
【グレード 1:最も悪性度が低い肥満細胞腫】
その多くは皮膚の表面にでき、その大きさが 1 cm以下のモノです。
しかも周囲への組織にまで広がっていないため、手術して切除すれば治ります。
【グレード 2:中間くらいの悪性度の肥満細胞腫】
体の他の場所に転移してなくて、しかも完全に切除できれば治ります。
ただ周囲の組織にまで広がっているため、周囲の健康な組織まで広く切除しなくてはなりません!
もし取りきれない場合は再発してしまいます。
またリンパ節や脾臓、肝臓などに転移することもあるため、注意が必要です。
【グレード 3:最も悪性度の高い肥満腫瘍】
成長が早く急速に進行していきます。
そのため気がついた時には、すでにリンパ節など他の臓器にまで転移していることが多いとされています。
そのため手術で切除しても治る事もありませんし、とても難しい状態になってしまいます。
治療としては抗がん剤や放射線療法などがあります。
それでさ
俺はどんな状態なの??
どんな治療をすれば良いのさ?
大きさや状態から、グレード1と思うけど
手術して、摘出した腫瘍を病理検査に出そうね!
皮膚に何か触るモノがあるような場合には、やはり検査を行って調べましょうね!
良性であれば良かった!
悪性であれば治療できますものね!