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若山動物病院ブログ

取材2

先週に続いて、本日も取材撮影です。
本日は実際の診療風景と言うか、どのような診察を行っているのかです。
自分たちが普通に行っていることでも、他の動物病院では普通じゃないようなこともあるそうなんです。

その中で、今回のテーマである『健康と食生活の関係』への考え方について・・・でした。
多くの飼い主さんたちの協力も得て、早朝から始まった撮影は夕方前には終了しました!

犬の食生活と健康と言っても、犬のルーツから考えないとと思うんです!
犬の「学名」はCanis lupus familialisで、その意味は「Canis=犬」「lupus=狼」「familiaris=家族」ですから、犬の祖先は狼であったことがわかります。

生活するためには、犬も狼のように「群れ」を作っていました。
そして皆で鋭い聴覚と嗅覚で他の動物=獲物を見つけ出し、
逃げる獲物を皆で追いかけ
捕らえ肉を引き裂き一緒に食べる、そんなハンターとも言える動物だったんです。

野性の時代は狩った動物を内臓から骨まで丸ごと近く食べていました。しかもその獲物の多くは、草などを食べるウサギなどの小さな動物であったことでしょう。

それがヒトと暮らすようになり、その生活は変わり獲物を探すことも追うことも無くなりました。そして米や小麦、野菜、魚や肉の切れ端などヒトの食べ残しを食べる生活となりました。犬はヒトよりも肉食に近い食性であったため、ヒトの食事と同じ内容では栄養が偏ってしまいます。

しかもヒトの食事には味がついているため、犬の健康から言って決して良いとは言えるものではありませんでした。また犬に与えて悪いとされる食材の知識も少なく、知らずに与えてしまった食材から体調が悪くなってしまうことも多かったとされています。

そしてドッグフードが出現するのですが、そこでまた犬の食生活が大きく変わりました。ヒトの食べ残しならまだしも、今度はヒトが口にもしない質の悪い穀類や捨てるような肉などが原材料として使われた、とても粗悪なものが出回ったそうです。しかもコストを抑えるために、穀物を多く混ぜるようにもなりました。

犬だから良いと思われていたのでしょうが、当然ながら栄養的にも粗悪なものは健康に良いわけはありません。そりゃそうですよね!生きた獲物を追い捕まえ食べていた、言い換えれば新鮮な肉を食べていたのが、質の悪い穀物中心の食事に変わった訳です。今では犬の食性なども考えられた、良質で健康にも配慮されたドッグフードも多数見られるようになってきました。そのため、昔に比べて犬の健康状況は飛躍的に改善はされました。

健康寿命と食には大きな関係があるのは、おわかりいただけますよね?体を作るものは食べものですから、当然健康寿命を伸ばすためには水と食べ物、いわゆる口から入るものの質が大切になります。しかも必要な栄養素を、バランス良く摂ることが重要になります。

手作り食の場合には、食材は旬の野菜や色々な動物の肉など多種の食材を組み合わせ、必要な栄養素をバランスよく摂ることが重要です。しかも美味しさや食の楽しさを増すためにも調理方法も工夫しなくてはなりませんし、健康寿命を伸ばすためにも食に関する知識を深めなくてはなりません。

犬の食文化への関心は、1990年頃からのインターネットの普及とともに高まったと思います。インターネット上では、今までは店に行かないと知る事の出来なかったフードも手に入るようになりました。それと同時に食の情報量も増えるようになり、栄養学への関心も深まりました。

「健康食」とは健康な体と心の維持と増進のために必要なバランスの取れた美味しく、しかも病気になりにくい体を作る楽しい食事のことだと思うのです。またその食事が続かないと意味はありませんよね!