若山動物病院ブログ
齋藤と見る[おにぎり]
千葉県佐倉市の『若山動物病院』獣医師の齋藤です。
照りつける太陽の下、気持ちがいいので、外でぼーっとしていたら少し日焼けしてしまいました。
日々暑さを更新していって、このままだと夏本番には30度超えを連発し、12月には60度を超えるのではないかと心配しています。
来年は、、、地球はどうなってしまうのでしょう。。。
でもまぁ
今のところはまだ外で走り回りたくなる程度の気候なので、ピクニックやバーベキューなどされる方が増えてくるかと思います。
さて、そんな時に気をつけたいのが[おにぎり]ですね。
手でにぎにぎして作るから[おにぎり]、”お”をつけなきゃ寿司である[にぎり]も同様に食中毒に気を付けていかなければなりません。
というのも
おにぎりなどの食中毒の原因は黄色ブドウ球菌という皮膚(手にもたくさん)にもいる常在菌です。
黄色ブドウ球菌は食品内で増殖する際に作る毒素を食品と一緒に食べてしまうことで、嘔吐、下痢を起こします。
ただ、発熱はないのが特徴です。
潜伏期間は30分〜5時間で症状が出ます。
この菌は食塩に耐性があり、冷凍でも死滅せず、増殖可能温度は5〜48℃、熱耐性があります。
つまり塩、冷凍、熱では倒せないし、常温保存では増えてしまうということです。
じゃあ
どうやって防げばいいの!!
なんで不安を煽るの!!
おにぎりが得意料理なのに!!
なんて声が聞こえてきますが
実は10℃以下ではほとんど増殖しないんです。
なので、推奨されている予防法は以下の2つ
☀️菌を食品に付けない(べたべた触らない)
☀️菌の増殖防止に食品を低温管理する(10℃以下で保存)
発症しても死亡率は低いものの、楽しいピクニックが大変なことになりますからね。
予防するに越したことはないです。
注意点として、耐熱性なので、食前に加熱しても予防はできません!
また菌自体が薬剤耐性を獲得して、場合によってはなかなか退治できない厄介な菌にもなってきます。
なんだか聞いたことあるなーっていう常在菌みたいな身近で、ありふれた菌でも、出会う場所、時間、環境によっては牙をむくものなんですね。
よく食べて
よく運動して
よく寝て
よく笑って
免疫を上げることが最高の予防法になるのかもしれませんね。
これで黄色ブドウ球菌について、僕より詳しくなれたかと思います。
免疫をいくらあげたって
どんなに料理がうまくできても、頬擦りして室温で放置しちゃダメですよ!作ったらなるべく早く食べる!
それではハッピーな夏を迎えてください!