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若山動物病院ブログ

誤食

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

3月から始まった『春の健康診断』
健康診断は病気の予防・早期発見のためにおこないます。

今回の健康診断では、あまり見られない症例の子が2件続けて発見されました。
どちらも無症状・無自覚のために飼い主さんはとてもビックリ!
検査をしていた私たちスタッフもビックリしました!

その症例とは『誤食』です。
しかも、今回誤食が発見された子はどちらも高齢で落ち着いた性格で、普段から色々なものを口に入れてしまう子たちではなかったのです。


この子は16歳のダックスちゃん。
赤矢印で指しているのが胃の中に入っている異物です。

誤食

別角度からでもその姿がハッキリと映っています。

誤食


次の子は13歳のプードルちゃん。
胃から腸にかけて針金のような細長いものが入っていました。

誤食

上の写真では単純な形に見えますが、別角度からの写真では複雑に折れ曲がっているのがわかります。

誤食


今回のように誤食をしても無症状の場合もありますが、以下の症状がみられることもあります。

  • 食欲不振
  • 元気がない
  • 落ち着きがない
  • ぐったりしている
  • 震える
  • 嘔吐
  • 下痢
  • 血便
  • 便秘
  • よだれが多く出る
  • ゲップがよく出る
  • 咳き込む
  • 呼吸が荒い、呼吸が苦しそう


犬や猫が誤食するのは今回のようにレントゲンに映るものばかりではありません。
プラスチックやビニール、布や綿などはレントゲンには映りませんし、人の食べ物や植物では中毒症状が出たり内臓にダメージを与えてしまったりするものもあります。

特に犬は好奇心旺盛で興味を持ったものを口の中に入れて確認する習性があり、さらに口に入れたものを無理に取ろうとすると取られたくない思いから飲み込んでしまいます。
猫は口に入れるものを慎重に選ぶ傾向があるので犬と比べて誤食は少ないですが、猫の習性として多く起こるのが「ひも状異物」の誤食です。
ひも状異物は消化管と絡みやすく、腸の壊死を起こしたり腸閉塞の原因になったりと危険性の高い異物です。


〈 腸閉塞の症状 〉

誤食をしてから数時間〜数日経ってから食欲・排便がなくなり、嘔吐・腹痛などの症状がみられます。


〈 中毒症状 〉

中毒症状は何を食べたかで症状に違いがありますが、誤食後に嘔吐・下痢・流涎・震え・痙攣・立てない・意識消失などの症状がみられます。


万が一、誤食をしてしまった場合にはなるべく早く動物病院に連絡・受診することが望ましいです。
食べたもの・食べた時間によっては胃の中の物を吐かせる処置で終わる場合もあります。
しかし、誤食をしてから時間が経ってしまうと食べたものが胃から腸へ流れてしまい、全身麻酔での処置や手術が必要になるうえに腸閉塞や中毒のリスクも高くなります。

受診する際には「何を食べたのか」「どのくらいの大きさ・量を食べたのか」を知るのに、実際に食べたものの残りや成分がわかるものを持参いただけると診察・処置がスムーズにおこなえます。


1度誤食をしてしまった子は、かなり高い確率で誤食を繰り返してしまいます。
悲しいことが起こらないためにも犬や猫の目線になって生活環境を整え、日頃から気をつけていきましょう。

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