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若山動物病院ブログ

歯周ポケット

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

先日歯科処置をおこなった4歳のワンちゃん。

歯科処置

見た目は歯石も少なく、そこまで汚れているわけではありません。
しかし、歯肉を細かく確認していくと歯周ポケットが深くなっている場所がいくつもありました。

「歯周ポケット」とは、歯と歯肉の間ある歯肉溝と呼ばれるミゾのことを言います。
健康な歯肉ではその深さは猫・小型犬で1〜2mm程度、中・大型犬で3〜4mm程度です。


歯周ポケットが深くなってしまう原因は「歯周病菌」にあります。

顕微鏡で見た歯周病菌

歯周病菌が歯周ポケットに入り込むとそこで炎症を引き起こし、歯肉が赤く腫れてしまいます。
歯肉が腫れることで歯と歯肉の隙間が広がって歯周ポケットは深くなってしまうのです。

深くなった歯周ポケットは汚れが溜まりやすくなり、歯周病菌が増殖しやすい環境が出来上がります。
歯周ポケットの中で歯周病菌が繁殖してしまうと、より深い場所へ入り込もうとして歯周病はさらに悪化していきます。
歯周病が悪化していくとやがて歯槽骨と呼ばれる歯を支えている骨が溶かされてしまい、歯がグラグラと揺れたり抜けてなくなったりしてしまいます。

歯周ポケット
赤丸で囲まれている部分は歯周ポケットが深く、歯肉が下がってしまっています。

歯周病菌を繁殖させてないためには、毎日のケアがとても大切です。
水をこまめに飲ませる工夫や歯垢・歯石がつかないようにする工夫など、小さな積み重ねが将来の健康を大きく変えていきます。

歯周病は口の中だけでなく、全身の健康に影響を及ぼす病気の1つです。
いつまでも元気で長生きするためにも歯の健康には注意していきましょう。

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