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若山動物病院ブログ

心臓が止まっていないのに「心停止」

ヒトが生活の中で突然亡くなるのは、心臓が原因であると言われています。
しかもその大部分が「心室細動」という、心臓の突然の痙攣によるものです。
言ってみれば、この痙攣とは心臓の様々な場所が勝手にピコピコ動いている状態なんです。

この「心室細動」を起こすと、病院ではお医者さんが心臓に電気ショックを与えて心臓の状態を正常に戻そうとします。
TVでのドラマで患者さんが病室などで急変し心臓が止まった時に行う、あの処置です!

「カウンダーショック、用意して!」
「チャージ!! 離れて!」

とお医者さんが指示して患者さんの胸に電気をドーン、患者さんの体が跳ねて・・・
横線一本で平坦になった心電図がピッコンピッコンと正常のリズムを取り戻し、ヤッターと喜ぶシーンありますよね!
その時にお医者さんが使っている機器を、一般のヒトにでも使えるようにした医療機器が「AED」です。

AEDは「Automated External Defibrillator」の略で、日本語では「自動体外式除細動器」と言います。
「心室細動」を取り除くから「除細動器」って言うんです!

AEDとは
「自動」=ヒトの代わりに判断して
「体外式」=体の外から
「除細動器」=心臓の痙攣=細動を取り除く機器

当院では、受付横の壁に設置されています。

AEDの操作に際しては、機器が手順を音声で教えてくれます。
しかも心臓の状態を自動的に判断し作動するため、誰にでも安全に使用できます。

目次

心臓が止まってはいないのに「心停止」

心停止とは、心臓が止まっている状態を言うんじゃ無いんだよ!

何でさ?「停止」って言ったら、止まってることでしょ?
動いていたら、停止してないってことじゃん?
自動車だって停止って言ったら、完全に止まることを言うでしょが?

そうなんですよねぜ〜皆さんも同じように思ってしまっていますよね?
実は私も心停止と言ったら「心臓が止まって動いていない状態」なのかと「心停止」の状態を知るまでは皆さんと同じように思ってました!

でも、実際のところは違うんですよ!

心臓が動いていても「心停止」

心臓は電気信号によりリズムを持って動き、血液を全身に送り出しています。
ところが心臓を動かす電気信号が乱れ、心臓が痙攣しているような状態になることがあります。
しかも痙攣してしまうと、血液を正常に送り出すことができなくなってしまいます。

この状態を、心停止と言います!

つまり心停止とは心臓は動くには動いてはいるが、ポンプとしての機能が無く血液を送り出すことができない状態を言うのです!
この痙攣している心臓を正常な状態に戻すためにAEDを使用すると、心臓のリズムが復活することができます。

つまりAEDが活躍できるのは、この心停止の状態の時なんです!

心臓が完全に止まって「心静止]

では心臓が完全に止まって、もう動かないという状態は何と言うのでしょう?

心臓が完全に動いていない状態のときは「心静止」と言うんだよ!
「心停止」と「心静止」ってチョット紛らわしい言い方だけど、その意味には大きな違いがあるんだ!


心静止の状態になると心臓マッサージや薬を使うなどの治療を行わないと、心臓は再び動くことはありません。
もちろんこの状態になると、AEDも効果がありません。

倒れたヒトの心臓の状態は、見た目では判断できません。
そのためAEDを装着すると自動的に心臓の状態をチェックし「心停止」と判断したらAEDの使用を指示してくれます。

ちなみAEDは自動とは言いますが、電気を流すボタンの操作はヒトが行う必要があります!
ただAEDが必要とされない場合は、ボタンを押しても何も起きませんのでご安心を!