若山動物病院ブログ
身近な悪いヤツ!
ダニが付いていたんです!
しかも食い付いていた皮膚が赤くなってしまって・・・
診ると、なるほど耳の下に赤い皮膚炎ができています。
しかも腫れてて固くなっており、赤い皮膚炎の真ん中に黒いトゲのようなモノが刺さっているように見えます。
ビニールの袋の中に厳重に閉じ込められていたのは・・・
おおおお、やはり!
ダニといってもたくさんの種類がいますが、これは『マダニ』!
マダニはクモの仲間で脚は8本、頭や胸、腹の区別が無く日本では40種類くらいもいるそうです。
マダニの全種類が哺乳類や鳥類などの血を吸い、育っていきます。
このマダニは森林や草むらなど生息するため、散歩中に草むらに入るワンちゃんは顔や足先などを噛まれることが多々あります。
当然ヒトも噛まれることがありますが、家の中に生息することはありません!
もしマダニ咬まれたら・・・
- 慌てずに無理に皮膚から取り除こうとはしない!
- 噛まれた患部を指で押さえたりして刺激しない!
- 来院する!
皮膚に食いついたマダニを無理に取り除こうとすると、虫の一部が皮膚に残ってしまいます。
噛まれた部分が固くポチッとなってることがあります。
その部分が気になって爪でコリコリしちゃダメですヨ!
マダニは噛んだことに気が付かれないように、皮膚に局所麻酔をしてから噛みます。
そのため噛まれたことも、血を吸われてることにも気が付きにくいんです。
しかも・・・
マダニが危険な細菌やウイルスを持っていたなら、血を吸う際に感染させてしまいます。
マダニが感染させるものとしては・・・
重症熱性血小板減少症候群や日本紅斑熱、ライム病、野兎病、ヘパトゾーン病などが知られています。
特に重症熱性血小板減少症候群は治療方法も無く死亡率の高い感染症で、マダニに間接的に触っただけで感染することもあります。
重症熱性血小板減少症候群に感染したヒトを治療していた医師や看護師さんに集団感染した例もあります
マダニが寄生したワンちゃんに触れて、感染した獣医師もいます!
とっても怖いんですよ!
ちなみマダニは血を吸うことができる動物を探し出せる、特殊な器官を持っています。
そのためマダニは近づいてくる動物を察知し、身構えて待ち伏せしています!