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「ハッピー・ハイポキシア」って?

肺炎と診断された、生後4ヶ月の猫ちゃんが来院しました。
息苦しさから家でも酸素ハウスの中で生活し、通院の際にも車の中でも酸素を使っているそうです。
動くと血中酸素濃度が下がりますが、落ち着くと舌がピンク色になります。

子猫の肺炎の原因の多くは、ヘルペスウイルスなどの猫風邪に細菌や真菌などの二次感染が原因とされています。
肺や炎症の状態を知るためにも、レントゲンなどの検査も必要です。
ただ酸素の中から出てしまうだけでも、血中酸素濃度が下がってしまいます。
そこで酸素を使いながら、体調をチェックしながら検査です。
そんなこんなで1時間、まずはできる範囲での検査を終了!

肺炎などの呼吸器疾患に罹ってる猫ちゃんって、扱いがとっても怖いんですよ!
怖いと言うか、細心の注意が必要なんです!

ヒトの医療で言われる
Happy Hypoxia幸せな低酸素症」って知ってる?

肺炎の状態が悪くて血液中の酸素の濃度が低くなっていても、息苦しそうに見えないんです。
この猫ちゃんも、血中酸素濃度が90以下と低いのに一生懸命に毛づくろいしてました。

本当は酸素が不足しているの、見た目は呼吸が苦しそうじゃない・・・
と言うか、実際にも息苦しくないそうなんです。
だから「ハッピー」なんです!

でも体の中は酸欠状態なんで、「無症状低酸素症」とも言います。
そのような状態のときに興奮させてしまうと、一気に酸欠が進んで死に至ってしまうことがあります。

見た目の状態が良くなってるとの思い込みは危険です!
気づかないまま、重症化してしまっていること多々あります。
そんな状態を確認するために、パルスオキシメータという機器で血中酸素濃度を測ることが重要なんです。

血中酸素濃度の標準値は、96~99%!
90%以下になると、全身に酸素が十分に送れなくなッちゃってます!