若山動物病院ブログ
軟部組織肉腫
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
病院犬ロイスの右耳の後ろにできた腫瘍の検査結果が届きました。
結果は『軟部組織肉腫』
『軟部組織肉腫』とは臓器や骨を除く筋肉や皮膚および皮下組織、血管、末梢神経などの軟部組織と言われるところから発生する悪性腫瘍の総称です。
胴体や足などの体の表面に発生することが多く、ワンちゃんの皮膚および皮下腫瘍の8~15%をしめています。
〈 特徴 〉
『軟部組織肉腫』は腫瘍の根が深く広く伸びていて再発率が高いという特徴があります。
通常の腫瘍であれば目に見えたり触れたりするしこり部分だけを切除すれば良いのですが『軟部組織肉腫』は
目に見えない触ってもわからない根が深く広がっているため、手術の際にはしこり周辺の組織まで大きく切除しなければいけません。
この時に根が残ってしまうと再発につながるのです。
また腫瘍が5cm以上になってしまうと再発率が6倍、筋層にまで腫瘍が入ってしまうと再発率が8倍に上がってしまうそうです。
また悪性腫瘍は転移することがありますが『軟部組織肉腫』の場合は悪性度にもよりますが転移率が比較的低いとされています。
軟部組織肉腫の転移率:
グレード1、低悪性度 | 10% |
グレード2、中悪性度 | 20% |
グレード3、高悪性度 | 40~50% |
『軟部組織肉腫』の転移は主に肺やリンパ節ですが、種類によっては肝臓や脾臓に転移しやすいと言われています。
ロイスは腫瘍が1.5cmと小さな段階で見つけることができたのもあって転移率の低いグレード1でした。
しかし再発がないとは言えないので、今後も注意しながら元気に過ごせるように頑張っていきます!
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