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若山動物病院ブログ

サイレントキラー

千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。

日本人の3人に1人が有病していると言われ、国民病になりつつある『高血圧』
WHOの調査によると高血圧は世界的にみても急増しているそうです。
高血圧患者の増加は人間の世界だけでなく、犬・猫の世界でも近年増加傾向にあります。
高血圧は症状がほとんどないまま進行し命を脅かすことから、別名『サイレントキラー』とも呼ばれています。

目次

血圧とは

心臓は収縮と拡張を繰り返して全身へ血液を送り出しています。
送り出された血液が動脈を流れる際に血管の内側を押す圧力のことを「血圧」と言い、心臓が最も収縮した時の血圧を「収縮期血圧(最高血圧)」、心臓が最も拡張した時の血圧を「拡張期血圧(最低血圧)」と言います。

血圧は心拍出量・循環血液量・血液粘着度・大動脈の弾力性・末梢血管抵抗の5つの要因によって決まり、1日を通して常に変動しています。

血圧測定

犬・猫の高血圧

高血圧には「原発性高血圧」「続発性高血圧」「特発性高血圧」があり、ワンちゃん猫ちゃんの場合は何かしら原因疾患があって高血圧になってしまう「続発性高血圧」が多いとされています。
高血圧の状態が長く続くと多くの臓器に負担をかけトラブルを引き起こしてしまいます。
特に血管が多い「脳」「眼」「心臓」「腎臓」はその障害を受けやすいため注意が必要です。

瞳孔散大

お家で気をつけたいこと

血圧は行動や時間帯などによっても変動します。
大きな変動があっても健康な子は時間をおけば正常範囲内に戻りますが、高血圧の子の場合は健康な子に比べて変動の幅が大きく、戻るまでに時間がかかってしまいます。
血圧の大きな変化は脳や心臓などへ負担をかけてしまうので日頃からしっかりと対策をしておくことが大切です。

その1.温度変化に気をつける

暖かい所から寒い所へ移動すると急激な温度差から血管が収縮して血圧が上がります。
冬の寒い時季は外との温度差をなるべく少なくするため、外出時には洋服を着せたりキャリーバックにブランケットをかけたりして防寒対策をとりましょう。
夏場は冷房のきいた部屋からそうでない所への移動で血圧が上がってしまうので冷房のかけ過ぎには注意が必要です。

その2.ウンチは軟らかく

硬いウンチは排泄時に頑張っていきむため血圧が上がってしまいます。
水分補給をしっかりとして、しゃがんだらちゅるんと出るような柔らかさを心がけましょう。

その3.睡眠はしっかりとる

睡眠不足や睡眠の質が悪いとストレスを感じて高血圧を悪化させてしまいます。
十分な睡眠をとることで副交感神経を優位にしてストレスを緩和し心身ともに健康へと導きます。

その4.肥満にさせない

太り過ぎは血圧を上げて心臓にも負担をかけてしまいます。
急激なダイエットは体を壊す原因にもなるので、食餌と運動で少しずつ調整していきましょう。

その5.適度な運動をする

その子の健康状態や程度にもよりますが、適度な運動をすることで血流が改善されて血管も柔軟性を取り戻し、血管が広がりやすくなるため血圧が下がります。
また運動はストレス発散や肥満防止にもつながるのでおすすめです。


『高血圧』についての詳しい解説は『Dr.Nyanのすこやかコラム』にも掲載されています。

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