若山動物病院ブログ
泡と毛
千葉県佐倉市の『若山動物病院』の千明です。
春が過ぎ、どんどん夏が近づいてきています。
これからやってくる暑い夏に向けて多くのワンちゃん猫ちゃんが換毛期を迎えていることでしょう。
病院で暮らしている おきくちゃんもそんな子の1頭。
抜けた冬毛が他の毛に絡んで完全には抜け落ちず、見た目がモコモコもさもさになってしまっています。
いくらブラッシングをしてもずーっと毛が抜け続け、もう1頭おきくちゃんができてしまうのでは!?
このままでは終わりが見えないので、シャンプーをして不要な毛を一気に洗い流していきます!
久しぶりのシャンプーということもあって水の浸透が悪いので、バスタブでぬるま湯につかりながら時間をかけて毛と皮膚に充分に水を行き渡らせていきます。
毛と皮膚にしっかりと水を行き渡らせたら、次はいよいよシャンプー!
バスタブの水を抜いたら、たっぷりの泡で優しく全身をマッサージするように洗っていきます。
今回のシャンプーでは毛をふっくらとさせて、いつまでも触っていたくなるような心地のいい毛並みにしてくれるシャンプー剤を使いました。
全身を泡で包んだらシャンプー剤の効果がより発揮されるように、そのまま5分ほど泡パック。
パックが終わったらシャワーで泡を洗い流し、しっかりとタオルドライをして毛を乾かしたら終了!
不要な毛がなくなったことで一回り小さくなったおきくちゃん。
これで暑い夏は快適に過ごせそうです!
換毛期にはどうしてもたくさんの毛が抜けるため、こまめにブラッシングをしたりシャンプーをしたりとお家でのケアが大切になってきます。
しかし猫ちゃんはブラッシングが苦手な子や体が濡れるのが苦手な子も多いためにお家でのケアが上手くいかなかったり、自分で体を舐めて毛づくろいをするのでブラッシングやシャンプーの必要性をあまり感じないというのもあります。
自分で自分をキレイにしてくれるのはいいことですが、抜け毛が多い換毛期では毛づくろいの時に毛を飲み込む量が多くなって毛玉を吐きやすくなってしまったり胃腸に毛玉が溜まってしまったりすることもあります。
毛玉を吐くことは猫ちゃんにはよく見られることですが、吐く回数が増えてしまうと胃酸によって食道などを傷つけて食欲不振につながることも。
また胃腸に毛玉が溜まってしまう『毛球症(もうきゅうしょう)』は最悪の場合腸閉塞を引き起こしてしまうこともあるので注意が必要です。
危険を回避していつまでも健康で過ごしてもらうためにも、お家でできるケアには少しずつ慣らしていきましょう。