Dr.Nyanのすこやかコラム
飼い主様に伝えたい犬猫の病気や日常ケアについての役立つコラムをお届け♪
【シニア犬との暮らし】シニア犬と暮らす飼い主さんの勘違いについて解説?
うちの子、歳をとったらどのように接していけば良いのかしら?
暮らし方はどうすれば良いのかしら?
この頃、そんな疑問を持っちゃうのよね・・・
シニア犬を飼われている多くの飼い主さんが、持たれる疑問があります。
それは、次のようなことがほとんどです。
- 足腰が弱ってきたから散歩や運動は減らしたほうが良いのか?
- 疲れそうだから、他の犬との接触はなるべく避けたほうが良いのか?
- 歳を取ると肥満になりやすいから、ごはんの量はセーブするほうが良い?
- 落ち着いて眠れるように人気の無い所に寝床をつくってあげたほうが良い?
- 嫌がるようなら、体にはむやみに障らない方が良い?
あらぁ~思い当たることいくつかあるわ・・・
でも、きっとそれじゃダメってことなのね!
さて皆さんも、思い当たることが幾つありましたか?
足腰が弱っても散歩や運動は頑張ろう!
年を取ると、人も犬も若い頃に比べゆっくりと歩くようになります。
しかも犬の老化する早さは人に比べて何倍も早いため、愛犬の歩く早さが日増しに遅くなっていくのがわかります。
もう歳だしなぁ~
足腰も弱ってきたみたいだし散歩の時間を減らした方が良いのかな・・・
そう思ってたのよ!
そうね!
そのように思う飼い主さんもいますよね
しかしこのような理由で、運動量を減らしても良いのでしょうか?
人では老化は足腰から来ると言いますが、これは犬も同じ事なんです。
加齢にともない筋肉量が落ち、しかも運動量が減ってしまうとさらに筋肉量が落ちてしまいます。
筋肉量が落ちると関節を押さえている靭帯も弱まってしまい、その結果足腰が弱くなるだけでなく関節にも痛みも出やすくなってしまいます。
その結果、老化が進んでしまうだけでなく様々な病気に罹りやすくもなってしまいます。
このようにシニア犬も老齢になったからと言って、散歩や運動を減らすのは間違いだと言えます。
体力を維持する為の基本的な筋肉を維持する意味で、適切・適度な運動が必要なのです。
当然ですが、心臓病の子も心臓に負担かかからない程度に適度な運動を行う必要があります。
オーダーメイドの散歩スタイルをつくろう
シニア犬の状態は、本当に日替わりです。
昨日は調子が良く食欲も動きも良かったと思ったら、今日は食欲も元気も無くショボーンとしている。
そんなことも普通にあります。
また体調は良いのに、気温や湿度など天気の状態でも体調が変わってしまうことがあります。
そのため寒暖の状態など天気を見ながら、体調にあった散歩スタイルを考えてあげなくてはなりません。
散歩は夏は涼しい朝夕に冬は温かい日中に、体に負担をかけないように気をつけて下さいね。
また犬は裸足で歩く動物ですので、足下にも気をつけてあげましょう。
雨あがりの散歩で足先が濡れたままにしておくと、体が冷えちゃう場合もありますよ!
散歩の前にはウォーミングアップだよ!
足腰の関節や筋肉、靱帯が固くなっていては思うように動けません。
もし散歩の時に小石にでもつまずいてしまったら、思わぬ怪我をする事もあるでしょう。
怪我や事故を防ぐ意味でも、散歩前にリードをつけて部屋の中や庭で少し歩かせます。
そして関節を軽く曲げ伸ばしをし、体が温まるような運動をしましょう。
人が運動前に行うストレッチと、同じと思って下さいね。
散歩の途中で遊びましょう!
散歩も、ただ歩くだけでは面白くありませんよね?
それは人も同じ事で、目新しいものを見ながらの散歩は楽しいものです。
シニア犬も同じで、散歩の途中で何か面白い事があれば散歩も楽しくなると思うのです。
そのためには、刺激ある散歩を行ってみましょう!
いつもと違うコースを歩くことやも、今まで行ったことのない場所に行くことも良いでしょう。
楽しい散歩は、心ウキウキして良いですよね。
散歩の途中に遊びの時間を取り入れたり、ランチをするなど楽しいことを考えてあげましょうね!
楽しくは体だけでなく、脳にも刺激を与えることができますよ!
持病がある場合は散歩エリアを狭くだよ!
心臓や足腰などに持病を持っている…
そのような場合に家から遠くまで散歩に行ってしまって、もし出先で具合が悪くなると家まで戻るのが大変ですね。
そのような場合は自宅を起点にして、違う道を選びながら行っては戻りを繰り返すようにします。
そうすれば散歩途中のコンディションによっては散歩を早く切り上げ、自宅に簡単に戻れますよ。
また同じコースを幾度も回るよりは、刺激が多くなりますよね!
水分補給はとっても大切だよ!
散歩は体調や状態に合わせて無理なく行うのは当然ですが、途中で休息と飲水をする事を忘れないようにして下さい!
特に夏は歩いているだけでも水分は失われていくので、水分をこまめに補給します。
散歩のコースの中に公園の水呑場を入れるのも良いでしょう。また水を携帯しているのも良いでしょう。
関節痛や腰痛などのある子は、運動そのものが無理な場合もあります。
そのような場合には、かかりつけの先生に鎮痛剤を処方してもらいましょう。
ただ鎮痛剤は症状の緩和であって、老化を緩和するものではありません。
投薬で痛みを取った後には筋肉や関節の運動を行ってあげ、筋肉量が減ったり関節がこわばるの防ぐことがとっても大切です。
他のイヌといっぱい接触させよう!
大学の先生って、実年齢より若く見えるし元気じゃありませんか?
それは常に、学生さんなどの若いヒトと接してるからと思うのです。
政治家も、実年齢より若く見えませんか?
それは刺激の多い仕事をしているからだと思うのです。
刺激がある生活は体の動きにも繋がるし、頭の中も活性化すると思うのです。
それと同じことはシニア犬も言え、外部からの良い刺激は老けないための生活には絶対的に必要です。
他のイヌとの接触は気持ちを高ぶらせ、体だけでなく頭も働かします。
そのため、体だけでなく頭の老化の防止にも役に立ちます。
特に気あった仲間との接触は、気持ちの若返りの特効薬になります!
たとえ疲れても、楽しい時間を過ごした後なら心地良いはずです。
また様々な脳への刺激は、体を動かし筋力の維持にも貢献します。
散歩中の出会いや同居犬とのコミュニケーションを増やすことは、若さを保つための「いい刺激」となりが効果的です。
肥満防止にはフードの量をセーブじゃなく運動で!
肥満は病気の元と言う事で、体重を気にしてフードの量を減らす方がいます。
しかし実際には運動不足と重なって、筋肉量が落ちてしまい筋肉痩せになってる子を多く見ます。
実際には痩せも病気の元になります。
背中の筋肉が痩せれば当然背骨を保持する力が弱くなります。
その結果、背骨ダメージを与え腰の痛みの原因となります。
運動量が減り、筋肉量も減ったシニア犬は基礎代謝も減っているため食餌は「質」重視にしなくてはなりません。
シニア犬に優しい環境つくりとは
静かな場所に寝かせてあげたい、落ち着いて眠れるように人気のないところに寝床をつくってあげる、優しさからか人の立場から考えてしまいます。
しかし、ストレスから全く隔離してしまってはいけません。
ストレスにも良いものと悪いものとがあり、適度の刺激は体や精神の健康を保つ為に必要なものなのです。
シニア犬には、老いに優しい寂しがらせない環境づくりが必要なのです。
家族が集まるリビングなどに、夏は体温がこもりにくく涼しい、冬は保温性が高く温かい快適な場所を確保してあげて下さい。
寝床は体にフィットする、やわらかくクッション性がある…低反発マットなんか良いですね。
体の変化をチェックしよう!
体の変化で一番最初に気がつくのは、歩き方だと思うのです。
シニア犬も人と同じように、関節を痛がるようになります。
- 胸回りは痩せないのにお尻周辺が痩せた
- 後ろ姿を見ると「お尻が小さくなったな」
- 前足は歩幅も大きく動かしてるのに
- 後ろ足がトボトボとした感じになっている
- 立ち上がる時に「どっこいしょ~っ!」
- 座るまで時間がかかり座る時は「よっこいしょ~」
- ソファーや高いところに上れない
このようなことがありませんか?
愛犬を見て「あれっ?」っと思うことがありませんか?
歳のせいだからと気にしてなかったけど・・・
これって大切なことなのね!
体をくまなく触ることは老いた体にこそ、とても必要です。
まず体の各部分を清潔にして健康を保つ事です。
例えば単純な皮膚炎なら、患部を清潔にする事で治療の半分以上は治ります。
しかし単純に治らない病気も、いっぱいあります。
たとえば皮膚に出来る腫瘍は、触れていてこそ早く見つかります。
乳癌はとても多い腫瘍ですが、早期発見すれば大往生も可能です
背中や首元など刺激が少ないところから触れ、体に触れられることにならす事です。
視覚、聴覚が衰えていますから、優しく行うようにします。
これは、看護や介護が必要になった時に役に立ちます。
とにかく温かい手で体に触ってあげるということが、とても大切です。