Dr.Nyanのすこやかコラム
飼い主様に伝えたい犬猫の病気や日常ケアについての役立つコラムをお届け♪
【マイコプラズマ感染症】猫のマイコプラズマ感染症とは?症状や治療法を解説
クシャミや鼻水、咳をする、そんな症状がみられたら「猫マイコプラズマ感染症」に感染しているかもしれません。
せんせい〜
クシャミと鼻水が出ちゃって眼もウルウルだよ〜
しかも咳まで出ちゃうし、どうにかして〜
もしかしたら・・・
猫マイコプラズマ感染症かもしれないヨ。
しかも猫マイコプラズマは、他のウイルスや細菌などと混合感染しやすいんだ!
一緒に頑張って治そう。
マイコプラズマはヘルペスウイルスやカリシウイルス、クラミジアなどと同じように、猫風邪の原因の一つです。そのため猫風邪にとても似ている症状がみられ、しかも鑑別も難しいことがあります。
それでは『猫マイコプラズマ感染症』の原因と対処法などについて、Dr.Nyanがわかりやすく説明いたします。
猫マイコプラズマ感染症の症状
猫マイコプラズマは常在菌として、健康な猫にも普通に存在しています。
ただ健康な状態で免疫力に問題が無い場合には、感染しても発症することは多くはありません。
しかし栄養状態や免疫力が落ちていると、発症してしまうことがあります。
猫マイコプラズマ感染症の特徴的な症状は、眼のウルウルとクシャミです!
症状が進むと熱が出たり、食欲が落ちてきます。
また感染の状態が悪化してしまうと、最悪の場合には肺炎になり死に至ることもあります。
猫マイコプラズマは、他の猫風邪と混合感染することが多い病気です。
しかも、混合感染した場合には重症化してしまうことも多々あります。
どんな症状がでたら注意が必要なのか、一緒に確認していきましょうね!
くしゃみ・鼻水
猫マイコプラズマ感染症は、ヒトの風邪の症状にとてもよく似ています。
しかも単にクシャミや鼻水が出るだけでではありません。
クシャミを頻繁に繰り返し、涙も流れ出て顔が汚れるようになります。
また大きく激しいクシャミをするため、鼻水が遠くまで飛び散ってしまいます。
この飛び散った鼻水が、他の猫に触れ感染させてしまう原因となります。
また鼻が詰まってしまうとニオイを感じられなくなり、食欲が落ちてしまうこともあります。
眼がウルウル
涙で、眼がウルウルしています。
また眼の周りが涙で濡れ、眼ヤニでグチャグチャしてきます。
マイコプラズマに感染してしまいました。
眼の不快感から眼を気にして前足で擦ってしまうため、擦った部分が汚れていることもあります。
発熱と脱水
猫マイコプラズ感染症にかかると、熱が出てしまうこともあります。
また元気や食欲が落ちてしまうと水を飲むことも減り、その結果脱水状態にもなります。
特に子猫は免疫力が弱く重症化しやすいので、注意が必要です。
平熱を知っておくと、熱が出てるかどうかがわかりやすいですよ!
猫の平熱はヒトよりも高く、平均38度台くらいです。
ただ猫の平熱は個体差や測定方法により違いまので、元気な時に平熱を知っておくことがとてが大切です。
体温は太ももの付け根のドキドキと脈を打っている場所で測ります。
猫マイコプラズマ感染症の原因
猫マイコプラズマ感染症の原因について、紹介していきます。
原因はマイコプラズマに感染した猫との接触や、飛沫感染です!
感染した猫の涙や鼻水などの分泌物の中に、猫マイコプラズマが含まれています。
そのため、涙やクシャミなどの飛沫から感染してしまいます。
その他にも感染した猫との接触や、感染した猫が使用したタオルや食器からも感染してしまいます。
そんな猫マイコプラズマは、実は猫には常在している菌なんです。
常在と言うことは・・・
感染から回復しても、体力が落ちたり抵抗力が弱まると再発してしまうことも普通にあると言うことです。しかも治ってもクシャミや鼻水などの症状が残ってしまい、慢性的な鼻炎になってしまうこともあります。
多頭飼育の場合、マイコプラズマに感染している猫は他の猫から隔離しておく必要があります。
猫マイコプラズマ感染症の主な治療法と費用
治療に入る前にはPCR検査を行い、猫マイコプラズマの感染を確定します。
『PCR検査』の方法はね、
結膜と喉の奥の二か所から採取した検体を
IDEXX社に送付して検査を行ってもらうんだよ!
PCR検査でマイコプラズマ陽性となってしまいました。
抗生剤を使う
治療には、マクロライド系の抗生剤を使用します。
生活環境を整える
一番の治療は、症状を悪化させないことです。
治療の基本は症状が悪化しないようにすることが重要です!
以下のケアをぜひ意識してくださいね。
- 保温し体を冷やさないようする
- 眼や鼻周りの汚れを綺麗にする
- 吸入器を使い薬を霧状にして吸わせる処置を行う
- ニオイがたつようフードを温めて食べさせる
- 脱水を防ぐためにも水を飲ませる工夫をする
どうしても食べない飲まない、
そのような時には『強制給仕と点滴』が必要になります!
猫マイコプラズマ感染症の予防方法
猫マイコプラズマが発症しないようにしたいです!
免疫力が落ちないようにし、
定期的なワクチン接種で他の猫風邪を予防して合併症にならないようにしましょう。
混合感染しないように混合ワクチンを打つ
猫マイコプラズマ感染症に対するワクチンは、ありません。しかし他の猫風邪との合併症を予防するためにも、ワクチン接種を行っておくことが大切になります。
定期的に混合ワクチンを接種しています。
ワクチンを接種していても、感染を完全に防ぐことはできません。ワクチンは、感染しても発症の程度を軽くし重症化を防ぐものです。
生活環境と栄養状態を整える
猫マイコプラズマは、気温が低い時期や寒暖の差が激しい季節の変わり目に多く見られます。ストレスの少ない生活を心がけ、生活環境を整え、栄養状態をよくしてあげましょう。
栄養状態を維持するには、フードを良く食べ水を飲むことが大切です。老齢になると歯周病など口の中の病気から、お腹が減っても食べられないこともあります。
口の中の健康状態もチェックしてあげましょうね!
ちなみに猫マイコプラズマはヒトには感染しませんよ!
免疫力の低下を防ぐ
猫マイコプラズマ感染症を予防するには、免疫力を高めておくことが大切です。
寒暖の差や寒さが厳し状態が続くと、ストレスから免疫力が落ちてしまいます。また歯周病や吸収病巣などの基礎疾患があっても、免疫力を落とします。
リラックスして快適に暮らせるようにしてあげましょう!快適に暮らせるようにしてあげ、免疫力を落とさないようにしましょう!
猫マイコプラズマ感染症を起こしやすい猫種
猫種には関係なく感染するので要注意!
上記であげた予防方法をぜひ実践してあげてください。
- 生後2~3ヶ月の子猫
- ワクチン未接種の猫
- 免疫力が弱まっている猫
- 持続的なストレスを受けている猫
まとめ
マイコプラズマだけでなく、他の猫風邪にも感染しないよう注意しましょうね!仔猫や免疫力の落ちた猫に感染してしまうと、大変なことになる感染症です。
症状が軽いからと安心せず、何か気になることがある場合には早めにご相談してくださいね!
猫の最高長寿は38年、長生きさせてあげましょう!我々も病気の予防と健康管理を、一生懸命にお手伝いさせて頂きます。