お母さんのいない仔猫の育て方 ① 保護したときに

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お母さんのいない仔猫の育て方 ① |保護したときに

「助けなきゃ、でも、本当に私に育てられるだろうか……!」
掌にすっぽり収まるほど小さな仔猫を目の前にして、今、激しい不安と責任感の中に!
捨てられた命を前に、その後の大変さまで冷静に考えて動ける人は多くありません。無我夢中で仔猫を抱き上げてくれたあなたの優しさに、心からの敬意を表します。

動物病院には、このような相談が寄せられます。しかし悲しいことに、連れてこられた仔猫のすべてを病院で引き取って育てることは不可能です。だからこそ、命を繋ぐバトンは、その仔を見つけてくださった「あなた」に託されることになります。

突然の「お母さん代わり」に戸惑い、プレッシャーを感じるのも当然です。初めての授乳、慣れない排泄の手伝い……確かに最初は手探りの連続かもしれません。

でも、安心してください。 ミルクを一生懸命に飲む姿、お腹をポンポンに膨らませて眠る姿は、そんな疲れや不安が吹き飛ぶほど、何にも代えがたい愛おしさがあります。子育てを成功させる最大の秘訣は、あなたが「楽しむこと」です。

生みの母猫に代わって、あなたが最高の「育ての母」になれるよう、Dr.Nyanが小さな命を無事に育てるための成長の目安とケアの基本を解説します。不安を自信に変えて、愛おしい子育ての時間を一緒にスタートさせましょう!

飼い主

仔猫を保護しちゃったけど・・
どうしたらよいでしょう?

動物病院には、このような相談がたくさん来ます。
中には眼も開いていない、生まれて数日といった仔猫が保護される場合もあります。

飼い主

引き取って育てて欲しいんですけど・・・

こんな問いに、おそらく多くの動物病院ではそれをお断りしているのではないでしょうか。

なぜなら悲しいことですが、そうやって連れてこられる仔猫の全てを引き取って育てることは不可能だからです。だからこのような場合には、保護してくださった方に子育てをしていただくようにお願いするしかないのです。

飼い主

かわいそう!
お母さん猫が見当たらないから、すぐ連れて帰った方がいいですか?

実際に捨てられている仔猫を見つけてしまった時は、何も考えず拾ってしまいます。しかも、その後の子育てや里親探しのことまで冷静に考えてまで拾う人は少ないと思います。

リスク先生

本当に保護が必要か確認することも重要!
実は、母猫が食事を探しに一時的に離れている場合もあります。

Dr.Nyan

周囲の安全を確認しながら、少し離れて様子を見ることも大切なんです

現実は保護したからには育てて里子に出すまで、あるいは自分で飼うなど責任を持ってやらなくてはなりません。でも大変と言っても、基本的には子育ては楽しいものだと思います。

ミルクをごくごく飲んで日に日にぷっくり大きくなっていく。そんな姿を見ていると、どんな人だって自然と頬がゆるんでしまうのではないでしょうか。そもそも赤ちゃんの仕草は可愛いですよね。しかも、見ていて飽きません!

子育てを成功させるポイントで一番大切なことは「子育てをする人が楽しむ」ことだと思います。

目次

赤ちゃんの成長度合いの様子

生まれたばかりの赤ちゃんが、どのように成長し大きくなっていくのか!このことをきちんと知っておくことが、子育てを行う上でとても重要なことなんです。

このコラムの中には、成長の度合いを示す上での参考としての数値が紹介されています。この数値はあくまでも目安であって、実際にそぐわない場合もあります。

週齢別 成長一覧表

週齢 体重の目安 体温(直腸温) 眼・耳 運動・神経 授乳・排泄 お世話のポイント
生後0〜1週
(0〜7日)
出生時 約100g
1週末 約150〜170g
(週50〜100g増)
35〜37℃
34.5℃未満は緊急
眼・耳ともに閉じている 丸まった姿勢のみ
痛みをうまく表現できない
2〜3時間ごとに授乳
毎回排尿を促す
排便は1日1〜2回
保温最優先(30℃前後)
ミルク適温38〜40℃
うつ伏せで授乳
冷えていたら先に温める
1〜2週
(7〜14日)
200〜300g前後
(週50〜100g増)
35〜37℃→徐々に上昇
まだ自己調節できない
生後5〜14日で開眼
耳の穴も生後5日頃から
まだほぼ見えない・聞こえない
生後4日〜:背筋を伸ばせる
横向き・うつ伏せ可能
7〜14日:ハイハイ開始
2〜3時間ごとに授乳
毎回排尿を促す
排便は1日1〜2回
引き続き保温必須
目やには湿らせたコットンで
無理に目をこじ開けない
毎日同時刻に体重測定
2〜3週
(14〜21日)
300〜400g前後 37〜38℃前後
体温調節能力が出てくる
眼・耳の反応が出始める
(25日齢頃から本格的に)
2週:体を自分で支えられる
よちよち歩き開始
痛みから逃げる動作が出る
3〜4時間ごとに授乳
毎回排尿を促す
排便1日1〜2回
3週頃から自力排泄の兆し
社会化の重要期
優しく触れることが大切
人の声・におい・温もりを学習
3〜4週
(21〜28日)
400〜500g前後 38℃前後(成猫に近づく) 眼・耳がしっかり機能し始める
眼の色が変わり始める
(青→本来の色へ)
21日〜:しっかり歩ける
走る・遊ぶ動作も
3〜4週:自力で排泄できるように
4〜5週:補助の反射が消える
離乳食の準備開始
ミルクに少量のウェットフードを混ぜてスープ状から
トイレの練習を始める
4〜7週
(社会化期)
500〜700g前後 38〜39℃(成猫と同等) 4〜6週:眼の色が成猫の色に変化し始める 活発に走り・跳び・遊ぶ
きょうだいとプロレスごっこ
ウェットフード→ドライフードへ
自力でトイレができる
社会化の重要期
「噛む力加減」を学ぶ
「人間は安心」と学習する
この時期の経験が性格を決める

※数値はいずれも目安です。個体差があります。体重増加がない・ぐったりしている場合は早めに受診を。

社会化期について

生後2週〜7週頃は、猫の「社会化の重要期」と呼ばれます。
この時期に母猫やきょうだい猫とのプロレスごっこで「噛むと痛い」という力加減を学び、人間に優しく触られることで「人間は怖くない」と学習します。
この時期の過ごし方が、将来の性格に大きく影響します。

保護直後に確認すること

仔猫を保護したら、まず以下を確認してください。

① 体が冷えていないか
② 呼吸しているか
③ 外傷がないか
④ 母猫が近くにいないか(意図的に離れている場合もあります)
⑤ すぐに授乳できる状態か
⑥ ノミが寄生していないか

飼い主

ノミくらいなら後でも大丈夫ですか?

リスク先生

小さな仔猫では、大量のノミだけで重度の貧血になり命に関わることがあります!

飼い主

とにかく早くミルクを飲ませないと危険ですよね?

Dr.Nyan

実は冷えた仔猫にすぐミルクをあげるのは危険なんです。まずは保温が最優先です

体が冷たい仔猫には、まず保温を優先してください。
温まってから授乳です。

体重の変化について

猫の赤ちゃんの生まれたときの体重は、だいたい100g前後です。

体重の変化としては、生まれて2〜3日は少しだけ体重が減少することがあります。これは生まれてすぐはウンチやオシッコ、また皮膚など体から排泄される水分の量がミルクを飲む量よりも多いためです。これはヒトの赤ちゃんにも見られる生理的体重減少というものです。

この期間は元気にミルクを飲んでいて、他に異常が認められなければ特に心配はいりません。その後には、どんどん体重が増えて日に日にムクムクと体が大きくなっていくことでしょう!

飼い主

少ししか増えていないけど大丈夫でしょうか?

Dr.Nyan

仔猫は毎日少しずつ増えることがとても重要です。
1日単位で体重を見ることが命を守るポイントになります

保護仔猫 ミルク 授乳 うつ伏せ姿勢 哺乳瓶 子猫の育て方
子猫用ミルクを飲む保護仔猫。授乳時は「うつ伏せ姿勢」を保つことで誤嚥を防ぎます。

そして健康な仔猫は1日あたり体重の5〜10%、または1週間で50〜100gほど増えるのが目安です。毎日同じ時間に体重を測り、体重が増えない・減るようであれば早めに動物病院を受診してください。多少の個体差はありますが、問題なくミルクを飲んで健康に育っている場合の目安です。

飼い主

いっぱい飲ませた方が元気になりますよね?

Dr.Nyan

焦ってミルクを押し込むのは危険です。仔猫の飲み込むペースに合わせることが大切なんです。

保護した赤ちゃんに栄養障害があったり病気を持っていたりすると、思ったように体重が増えません。
その場合には、原因を探さなくてはなりません。そして、その原因に対して対処・治療を行う必要があります!

飼い主

少し鼻水が出るのですが、大丈夫ですか?

Dr.Nyan

仔猫は鼻で呼吸しながらミルクを飲みます!鼻が詰まるだけで飲めなくなり、急激に弱ってしまうことがあります!

また哺乳瓶の吸い付きが悪い場合には、シリンジを使ったりなどしての授乳が必要になります。

リスク先生

シリンジで勢いよく押し込むと、ミルクが肺に入ってしまうことがあります!
飲ませるより飲んでもらう感覚が大切です!

飼い主

ミルクが鼻から出てきちゃいました!

Dr.Nyan

それは大変!咳・ゼーゼー・苦しそうな呼吸がある場合はすぐ受診してください!

【重要】人間用の牛乳は絶対に与えないでください。

飼い主

人間用の牛乳じゃダメなんですか?

Dr.Nyan

仔猫は牛乳をうまく消化できず、重い下痢や脱水を起こすことがあるんです

仔猫は牛乳に含まれる乳糖(ラクトース)を分解する酵素が少なく、激しい下痢を起こして脱水症状で命に関わる危険があります。
必ず動物用の「子猫用特製ミルク(総合栄養食)」を用意してください。

授乳姿勢に注意

飼い主

人の赤ちゃんみたいに抱っこして飲ませちゃダメなんですね!

Dr.Nyan

はい。仔猫はうつ伏せ姿勢が自然です。その方が誤嚥しにくいんです。

ミルクをあげるときは、人間の赤ちゃんのように仰向けにして飲ませるのは注意が必要です
ミルクが気管に入り、誤嚥性肺炎や窒息の危険があります。お腹を下にした「うつ伏せ(四つん這い)」の姿勢で、少し頭を持ち上げるようにして哺乳瓶を口に運んであげてください。

ミルクの適温は38〜40℃

子猫に与えるミルクの適温は、母猫の体温と同じ「38〜40℃」です。人間が感じる「人肌(36℃程度)」は子猫にとって冷たすぎる場合があります。
特に体温調節能力の低い生後10日頃までは、冷えたミルクは体温低下の原因になることがあります。手首の内側に垂らして「少し温かい」と感じる温度を目安にしてください。

飼い主

少しぬるいくらいが安全だと思っていました。

リスク先生

冷たいミルクは体温低下の原因になります!特に生後間もない仔猫では危険です!

体温の変化について

生まれて初めの1週間の直腸温は35〜37°C前後から始まります。成猫の体温は38〜39°Cなので、それと比べると とても低いように感じますが、これは正常です。なお、34.5°C未満は危険な低体温の可能性があります。体が冷たい仔猫にはすぐにミルクをあげず、まず保温して体が温まってから授乳してください。冷えた状態での授乳は消化不良や誤嚥の原因になります。

そして生後1〜2週くらいからは、徐々に体温は上がります。しかし、2週間くらいまでは自分で体温を調節することができません。そのため、保温をしてあげる必要があります。湯たんぽやペットヒーターを敷いたベッドを用意し、ケージ内の温度を30°C前後(生後1〜2週目の場合)に保ちましょう。
冷たくなっている仔猫には、ミルクをあげる前にまず手の中や温かいタオルで温めることが鉄則です。

本来この時期には、母猫や一緒に生まれた兄弟と一緒に過ごすことが大切なのです。実際には猫の赤ちゃんは、兄弟みんなでくっついていますよね?そして「だんご」状態になって眠っています。

この「だんご」になっている状態で、互いに温め合っているんです。そのため自分で体温調節ができなくても、まったく大丈夫なのです。だからこそ母猫や一緒に生まれた兄弟のいない赤ちゃんの場合は、保温がとっても大切なのです。

だんご状態になれない1匹の仔猫には、ペットヒーターや湯たんぽ(タオルで包んだもの)を用意して、いつでも温まれる場所を作ってあげることが大切です。

飼い主

兄弟でくっついて寝るのには理由があったんですね!

Dr.Nyan

そうなんです。赤ちゃん同士で体温を守り合っているんですよ。

実は・・・
生まれたばかりの赤ちゃんには、「吸い付く反射(吸啜反射)」を中心に、温かい場所へ寄る本能や探索行動が生まれつき組み合わさっており、こうした本能的行動をまとめて「哺乳行動」と呼びます。この本能により、赤ちゃんは母猫のオッパイを見つけ、母や兄弟たちとくっついていられるのです。

そして、4週齢になるころには体温は38°Cに近づきます。

視覚・聴覚の発達について

猫の赤ちゃんは、生まれたばかりのときは眼も耳も開いていません。眼はおおよそ、生後5〜14日で開いてきます。同じように耳の穴も、生後5日ぐらいから開きます。

新生仔猫 耳の発達 生後間もない子猫 耳が閉じている状態
生後まもない仔猫の耳。生まれた直後は耳介が小さく、耳の穴もまだ閉じています。

しかし眼が開いたとしても、しばらくはちゃんと見えてはいません。ただ眼を守るための反射能力は、眼が開く前からちゃんと備わっています。そのため眩しいときに瞬きをしますし、何かが瞼(まぶた)に触れたときには瞼を閉じます。

Dr.Nyan

まだ眼が開いていなくても、眩しい光を感じると瞼をきゅっと閉じるような反射能力は、ちゃんと備わっているんだよ!

開眼時の注意

目やにで目がくっついている場合でも、無理にこじ開けないでください。ぬるま湯で湿らせたコットンやガーゼでやさしく拭いてあげましょう。腫れ・膿・強い赤みがある場合は動物病院を受診してください。

飼い主

目が開きかけていると、つい開けたくなります…

Dr.Nyan

無理に開けると傷つけることがあります。まずは優しく温めて目の汚れを取ってあげましょう。

眼や耳が刺激にちゃんと反応を示すようになるのは、だいたい25日齢くらいだと言われています。この頃から、世話をしてくれる人や周りにいる動物などを覚えるようになってきます。きちんと眼が見え耳が聞こえるようになってくるのは、だいたい3〜4週齢です。

ちなみに・・・
開いたばかりのときの眼の色は「青い色」をしています。その青い眼も4〜6週齢までには、成猫と同じ色に変わってしまうのです。

仔猫 青い目 開眼直後 キトンブルー 猫の眼の変化
開眼直後の仔猫に見られる青い瞳。多くの猫では成長とともに本来の眼の色へ変化していきます。

筋肉・神経の発達について

生まれてすぐの猫の赤ちゃんは、いつも丸まった形で寝ています。
これはお腹の筋肉(屈筋)の方が、体を伸ばす背中の筋肉(伸筋)よりも強く働いているためです。

生後4日齢を過ぎ

背中の筋肉(伸筋)の縮む力も強くなってきます。そのため背筋を伸ばしたり、横向きやうつ伏せができるようになります。

7〜14日齢くらい

ハイハイをはじめます。
自分の体を支えることができるようになるのは、だいたい2週間が過ぎるころです。その頃になると、よちよちと少しずつ歩き始めます。

21日齢くらい

かなり歩けるようになります。

よく生まれた時は、まだ痛みは感じないと言うかたもいます。でも、それは大きな間違いですよ!
生まれた時から痛みの感覚は、ちゃんと備わっていますが、神経系が未熟なため成猫のような逃避行動として表現できないのです。

そのため生後7日齢くらいまでは、痛みを感じたとき見られる反射はあまり見られません。
つまり痛みを感じても、大きな声で鳴いたり体をピクピク動かす程度の反応しか見られません。
痛くても、痛みの表現をしない時期なのです!

リスク先生

鳴かないから痛くないは危険です!仔猫は痛みをうまく表現できない時期があります!

痛くないのと、痛くても痛みから逃れられないのは大きく違いますよね!
痛みから逃げられないのは、だいたい2週齢くらいまでです。
それを過ぎると、痛みから逃げようとする努力が見られるようになります。

排尿と排便の反射について

猫の赤ちゃんは、生まれてしばらくは自分でオシッコやウンチをすることができません。そのためオシッコやウンチをさせるには、陰部や肛門に刺激が必要となります。

このとき乾いたティッシュや紙で強く拭くのは避けてください
生まれたての仔猫の皮膚は非常にデリケートで、摩擦で皮膚炎を起こすことがあります。

ぬるま湯で湿らせたコットンやガーゼを使い、お尻を優しく「トントンと叩くように」刺激してあげてください。

排泄回数の目安

飼い主

毎回ウンチが出ないと異常ですか?

Dr.Nyan

ウンチは1日1〜2回でも大丈夫です。こすりすぎて皮膚を傷つけない方が重要です。

おしっこはミルクのたびに毎回出させますが、うんちは1日1〜2回出れば十分です。毎回必ずうんちが出なくても心配はいりません。

出ないからといってお尻をこすりすぎると皮膚がただれてしまうため、優しくトントンと叩くように刺激する程度にとどめてください。

仔猫 排泄補助 おしっこ うんち コットンで刺激する方法
ぬるま湯で湿らせたコットンを使い、仔猫のお尻を優しく刺激して排泄を促します。

生後間もない仔猫では、自力排泄ができないため、お尻を優しく刺激して排尿・排便を促します。
排尿と排便の反射は、自然界ではとても理にかなったものなのです。

赤ちゃんのオシッコやウンチのニオイは、敵の肉食動物をひきつける格好の材料になってしまいます。そのため母猫は赤ちゃんの陰部や肛門をなめて刺激し、出たオシッコやウンチを即食べてしまいます。
このようにして、オシッコやウンチのニオイが残らないようにして敵から守っているのです。

赤ちゃんは、だいたい3週齢くらいまでにはオシッコやウンチを自分でできるようになります。
陰部や肛門を刺激されてオシッコやウンチをする反射が無くなるなるのは、4〜5週齢頃です。そのころにはオスでもメスでも、しゃがんで排泄するようになります。

受診目安

飼い主

どこまで様子を見ていいのか迷います…

Dr.Nyan

仔猫は数時間で急変することがあります。“迷ったら受診”くらいでちょうど良いんです。

  • 体重が増えない・減っている
  • 鳴き続けている
  • ぐったりしている
  • 体が冷たい
  • ミルクを飲まない
  • 下痢・軟便、鼻水・鼻詰まり
  • 目やに・目の腫れ・膿
  • 呼吸が苦しそう

小さな仔猫は数時間で状態が悪化することがあります。迷ったら受診が原則です。

離乳食への切り替えについて(生後3〜4週頃)

生後3〜4週頃になると、少しずつ離乳食へ移行します。急にふやかしフードを出しても食べてくれないことが多いため、まずはそれまで飲んでいたキャットミルクに離乳食(子猫用ウェットフード)をほんの少量、スプーンの先ほどすり潰して混ぜ、温かいスープ状にして味に慣れさせることから始めましょう。ドロドロの固形物にするのは、お皿からペロペロと舐められるようになってからです。

万が一のことがあったとき

飼い主

ちゃんと育てられるか不安です…

Dr.Nyan

その気持ちは自然です。仔猫の育児は、経験のある人でも難しいことがあるんですよ。

生後間もない子猫の育児は、プロの獣医師やブリーダーでも100%成功させるのが難しいほど繊細です。先天的な異常や免疫不足により、どんなに手を尽くしてケアしていても突然亡くなってしまうことがあります(いわゆる「キトンクラッシュ」)。

もし万が一のことがあっても、自分を責めすぎないでください。あなたが保護して温めて、ミルクをあげた時間は、その子にとってかけがえのないものです。まずは1日1日、体重が数グラムでも増えているかを優しく見守ってあげましょう。

筆者・若山正之(Dr.Nyan)のプロフィール

若山動物病院院長 獣医師 若山正之(Dr.Nyan)

本記事は、犬・猫の診療を行う獣医師・若山正之が監修・執筆しています。
1975年より小動物臨床に従事し、現在は若山動物病院院長として地域医療に携わっています。長年の臨床経験に基づき、一般診療から予防医療、シニア医療まで幅広く対応しています。

特に、病気の早期発見・早期対応を重視し、飼い主様にわかりやすい説明と納得いただける診療を心がけています。
また、幹細胞療法や免疫療法などの先進医療にも取り組み、動物の生活の質(QOL)を重視した治療を提供しています。

これまでに一般飼い主様向けのセミナーや講演活動を多数行い、正しい医療知識の普及にも尽力しています。著書に『老犬生活 完全ガイド』『犬と猫の老齢介護エキスパートブック』などがあります。

本記事は最新の獣医療知見と臨床経験をもとに作成していますが、症状や状態によって対応は異なるため、気になる症状がある場合はお早めに動物病院へご相談ください。