お母さんのいない仔猫の育て方 ② 検査のしかた

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お母さんのいない仔猫の育て方 ② |検査のしかた

「目が開いた!でも、ここからの育て方はどう変わるの……?」
無我夢中で仔猫を保護してから、およそ1週間。手探りの中で始まった「お母さん代わり」の生活にも、少しずつ慣れてきた頃かもしれません。
掌の中で一生懸命にミルクを飲む姿は、何にも代えがたい愛おしさがありますよね。

生後2週目・3週目を迎えると、仔猫の体には「目が開く」「よちよち歩きを始める」といった劇的な変化が訪れます。
可愛さが増す一方で、この時期特有の体調の変化や、次のステップへの準備に戸惑う飼い主さんも少なくありません。

当院にも「目が開いたけれど、まだ見えていないみたいで心配」「いつから離乳食を始めればいい?」といった相談がたくさん寄せられます。

仔猫が健康に育つためには、育てているあなたが変化を楽しみ、笑顔でいることが一番大切です。

生後2週目・3週目の仔猫たちの心と体の成長ステップと、この時期に気をつけるべきお世話のポイントを解説します。
不安をワクワクに変えて、愛おしい子育ての第2ステージを一緒に進んでいきましょう!

生後2〜3週齢は、「ただ生きる」段階から、「仔猫らしく成長する」段階へ変わっていく大切な時期です。

目が開き、耳が聞こえ始め、よちよちと歩き出し、少しずつ飼い主さんの存在を認識するようになります。

飼い主

仔猫を保護しちゃったけど、どのような検査をするのか教えて!

保護した仔猫を里子に出すにしても自分で飼うにしても、健康に育ってほしいものです。

そのため生まれたばかりの赤ちゃんが、どのように成長し大きくなっていくのか!どのようなことに気をつけたら良いのかを知っておくことが、とても重要なことなんです。

このコラムの中には、成長の度合いを示す上での参考としての数値が紹介されています。この数値はあくまでも目安であって、実際とは異なる場合もあります。

Dr.Nyan

保護した母のいない仔を育てるのは、とても大変なことです。
ここでは生みの母に代わり、育ての母になれるようDr.Nyanが皆様のお役に立てるよう説明していきますね!

目次

身体検査のしかたでの注意事項

飼い主

仔猫を拾っちゃったので身体検査を受けに来ました!

Dr.Nyan

だいたいの生まれた時期!
なにか病気を持っていないか!
栄養の状態をチェックしてみましょうね!

動物病院では、どのような環境で世話をしどのように食餌をあたえたらよいかをアドバイスしてくれます。また何か病気を持っていれば、早い時点で治療を始めることができます。

健康状態を確認したら、あとはお家で毎日健康チェックを行ってあげて下さい。

Dr.Nyan

ではお家でできる仔猫の一般的な身体検査、
そしてそのポイントをご紹介しましょうね!

身体検査は温かいところで行いましょう

生まれたばかりの仔猫は、まだ自分で体温調節ができません。そのため気温が低いところや冷たい台の上にのせると、体温が下がってしまいます。

身体検査は温かなところで行いましょう。身体検査のときには、体に触れる手は温めておくことも忘れないようにしましょう。

個体識別のための目印をつけましょう

複数頭いるときは、それぞれの仔の健康状態や発育状態を把握するために、確実に個体識別をしておくことが必要です。

色や柄が全く違っている兄弟の場合は、その特徴を目印にすればよいでしょう。色や柄で区別がつかないときは、なにか識別できるものを付ける必要があります。

例えば、毛糸やリボンなどで色違いの使い捨ての首輪をつくります。この時、他の兄弟たちがかじったりひっぱったりして飲み込んでしまわないように注意してください。

また、赤ちゃんはどんどん大きくなります。そのため成長にあわせて、首に巻いたリボンなどは大きいものに替えていきましょう。

決して無理はしないようにしましょう

身体検査は、その仔の状態をみながら慎重に行います。特に衰弱していたり覇気が無いなど、ぐったりしているようなときは注意です!

触られたり動かされたりするのは、とっても負担になることがあります。そのようなときは、最低限の検査だけ行います。そして保温や糖の補給、酸素吸入など行い体力が回復するのを待ちます。

食欲も元気も十分あって活発に動いているような仔でも、長時間触るのはダメです!やはり負担になるし、体力も消耗してしまうことがあります。

身体検査は「ポイントをしぼって、すばやく正確に!」行うことが大事です。

身体検査のしかた

Dr.Nyan

まず見た目で、何か異常がないかをチェックします!

外から見ての様子をチェック

猫の赤ちゃんは「ぷっくり」としているのが普通です。外から見て肋骨が出ていたり「おなかがぺっしゃんこ」ではいけません。

このような場合、栄養の状態が悪いか病気になっているなど何らかの不調があることを示しています。

保護仔猫では、大量のノミの寄生が見られることがあります。
小さな仔猫では、ノミによる吸血だけで重度の貧血になり命に関わることもあります。

飼い主

ノミくらいなら後でいいですか?

リスク先生

小さな仔猫では、ノミだけで重度の貧血になり命に関わることがあります!

外観の様子

体が冷えないようにして外観のチェックをしています。

また赤ちゃんの体は、乾いているのが普通です。目や鼻、口のまわり、またお腹や肛門、陰部のまわりなどが濡れていたり汚れているのは異常のサインです。
特に鼻詰まりには、念入りにチェックしてください!

飼い主

少し鼻水があるだけでも危険ですか?

リスク先生

仔猫は鼻で呼吸しながらミルクを飲むため、鼻詰まりだけでも哺乳ができなくなることがあります。

触ってみて・・・
健康な赤ちゃんはヒトの手で触れらたり持ち上げられたりすると鳴いたり動いたり、何らかの反応を示します。具合の悪い赤ちゃんは反応が悪く、あまり動きません。

体重の測定

Dr.Nyan

赤ちゃんの生まれた時の体重は、約100g
1日当たりの体重の増加は7〜10gだよ!
生後2〜3週齢では、1日10〜15g程度ずつ増えていくのが目安。

体重測定は家でもっとも簡単にできて、仔猫の健康状態を教えてくれる検査です。少なくとも生後3週齢くらいまでは毎日体重測定を行いましょう。

動きが活発になってくると、体重測定中にハカリから落ちてしまうことがあります。注意して下さいね!

体重想定の様子

キッチンスケールで体重測定しています。測定中よく動き足が落ちてしまってます!

例えば朝起きてオシッコやウンチをすませた後など、時間を決めて毎日同じ状態で体重を測ります。3週齢以降は、測定に間隔をあけても構いません。

体重が減ったり増えが悪いのは『栄養が足りていない』か、『体に何らかの異常』があるサインです。

体温の測定

【猫の赤ちゃんの正常な体温の目安】

  • 1週齢 35.5~36.0°C
  • 2週齢 36.0~36.5°C
  • 3週齢 36.5~37.0°C
  • 4週齢 37.0~38.0°C

赤ちゃんが元気に育っているなら、体温を毎日は測る必要はありません。しかし触った感じで、体が冷えてないか熱くないかは気にかけてあげて下さい。

正確に体温を測るには、体温計を使用しなくてはなりません。動物病院では、肛門に体温計の先を入れ直腸の温度を測ります。

家庭で直腸で体温を測る場合には、十分に注意して行なって下さいね!体温計の先に潤滑剤を塗って、直腸内に無理のない範囲でゆっくり挿入します。

このときに肛門がきちんと開いているか、見て下さい!生まれたばかりの赤ちゃんには、時々見られる奇形に鎖肛(肛門が開いていない)があります。

鎖肛ではウンチが出ませんので、手術を行わないと赤ちゃんは生きていられません。

また肛門はちゃんとあっても、直腸がきちんと開通していないこともあります。この場合にもウンチが出ませんので、手術が必要になります。

目の検査

赤ちゃんの眼が開くのは生後5日以降で、遅くとも14日までには完全に開くと言われています。眼が開いたら、毎日次の点をチェックしてあげてください

  • 結膜が赤くないか
  • 目全体が腫れぼったくなっていないか
  • 涙や眼ヤニが出ていないか

本当はもう眼が開いているはずなのに、眼ヤニで瞼がくっついてしまって開いていないように見えることがあります。このように眼ヤニや腫れがひどい場合には、眼の病気や全身性の伝染病にかかっていることもあります。

眼の様子

眼に傷がありました。

そのような場合には、動物病院へ連れて行って下さいね!病院では涙の出かたや眼の傷、睫毛の生え方に問題はないかなどについて詳しく調べます。

生後2〜3週齢で起こる大きな変化

生後10〜14日頃になると、閉じていた瞼が少しずつ開き始めます。
ただし、目が開いた直後はまだ視力が未熟で、はっきり見えているわけではありません。

この時期の仔猫の眼は「キトンブルー」と呼ばれる青灰色をしており、生後数週間〜数ヶ月かけて本来の眼の色へ変化していきます。

生後3週齢頃になると、徐々に動くものを目で追うようになります。

耳の検査

耳の穴は生後6〜14日で開きはじめるんだよ!
そして生後約17日で、完全に開きます!

生後2週齢頃になると耳の穴が開き始め、少しずつ音に反応するようになります。
生後3週齢頃には、音の方向へ耳を動かしたり、人の声や物音に反応する様子が見られるようになります。

もし耳が開いていない場合は、先天的な異常の可能性もあります。

耳もお家で毎日チェックしてあげましょう。正常な耳の中はきれいな薄いピンク色です。もちろん耳垢などはほとんどみられません。

もし耳の中に黄色や褐色、黒色の耳垢が見られたり、耳の中が赤く腫れているようなら外耳炎を起こしている可能性があります。
外耳炎の原因には、細菌や真菌、耳ダニなどによるものがあります

このような場合には、耳垢をとって顕微鏡で見て調べます。外耳炎は早いうちに処置しないと、慢性化し治りにくくなってしまいます。

耳ダニの場合は伝播力が強いので、先住猫や同居犬に伝染ってしまうことがあります。耳の中は、よく見ればわかりますので注意しておきましょうね!

耳の様子

耳も大きく育ってきました。

口の中の検査と見られる病気

口の中の検査では、歯の生え方や先天的な奇形、口内炎や舌炎、歯肉炎などがないかを調べます。

乳歯の生え方を知っておくと、おおよその生まれた日を推測することが出来るよ!

【歯の生え方】

仔猫は生まれた時には、歯が生えていません。

歯の生え方はヒトと同じで、初めは乳歯が生え次第に永久歯に生えかわります。誕生日がわからない場合には歯の生え方で、だいたい生まれてどれくらいになるのかを知ることができます。

生後3週齢頃になると、小さな乳歯が生え始めます。
これは「離乳」へ向かう準備が始まったサインでもあります。

乳歯は8週齢までに生え揃い、永久歯が生えてくるのは3〜6ヶ月齢の間です。

【乳歯と永久歯の生える目安】

切歯
第1
第2第3犬歯前臼歯
第2
第3第4後臼歯
第1
乳歯2~3週齢2~3週齢3~4週齢3~4週齢8週齢4~5週齢4~6週齢なし
永久歯3.5~4カ月齢3.5~4カ月齢4~4.5カ月齢5カ月齢4.5~5カ月齢5~6カ月齢5~6カ月齢4~5カ月齢

歯の状態をチェックするときは、
口を大きく開けて中の状態もチェックしておくことも忘れないでね!

【口蓋裂】

口の中に比較的多く見られる奇形の一つに、口蓋裂(こうがいれつ)というものがあります。

これは口と鼻のしきりが、きちんとできていないものです。そのため口を開けてみると、上顎にポッカリと穴が開いているのが見られます。

つまり、口と鼻が常につながった状態になっていることになります。そのため、ミルクが上手く飲めずに鼻から吹き出したり誤嚥してむせたりします。

6週齢を過ぎれば手術も可能になりますが、その前に栄養失調や誤嚥性の肺炎で亡くなってしまうこともあります。

口蓋裂を持った赤ちゃんは、お母さんの乳首や哺乳ビンからうまくミルクが飲めません。そのような赤ちゃんには、チューブで直接胃の中にミルクを入れてあげる方法をとります。

【口内炎】

口内炎で一番怖いのが、ウイルス感染によるものです。

この場合の症状は口内炎のみにとどまらず、呼吸器症状や消化器症状などの全身症状が出て死に至るケースがあります。

また仔猫の口内炎の原因で多いのが、異物によるものです。この時期は、なんでも口に入れてみようとします。そのため、それで傷をつけて感染し口内炎になってしまうことがあります。

「歩行」について

よちよち歩きが始まります

生後2週齢頃までは、お腹を床につけた「ほふく前進」のような移動をしています。
しかし生後3週齢頃になると、自分の足で体を支え、よちよち歩きを始めます。

この時期になると行動範囲が広がり、転落や隙間への入り込み事故にも注意が必要になります。

社会化の重要期が始まります

生後2〜7週頃は「社会化の重要期」と呼ばれます。

人の手、音、匂い、環境に少しずつ慣れることで、将来の性格形成にも大きく影響します。

ただし、無理に触りすぎたり大きな刺激を与えたりせず、「安心できる経験」を積み重ねることが大切です。

自分で排泄し始める時期です

生後3週齢頃になると、刺激をしなくても自力で排泄しようとする様子が見られ始めます。

モゾモゾと床を気にしたり、お尻を振るような仕草は排泄のサインです。
この頃から浅いトイレ容器を用意し、食後にそっと乗せてあげる練習を始めると良いでしょう。

呼吸状態の評価

呼吸状態を評価するためには、呼吸数はどうか、規則正しい呼吸をしているか、呼吸困難の様子がないかなどを調べます。

呼吸数は新生仔猫では1分間に20〜40回程度が目安です。口を開けてハアハアと息をするのは、呼吸が苦しいサインです。

成猫と違い体の小さな仔猫では、呼吸により肺に出入りする空気がとても少ないです。そのため聴診器で肺や気道の異常な音を聴き取るのは、とても大変になります。

循環状態の評価

【粘膜の色】

眼や口の中などの粘膜の色を見て、白っぽくなっていたり紫色になっていたりしないかを調べます。

粘膜が白っぽくなっているようなら、貧血が疑われます。栄養不足のこともあるし、おなかの中に寄生虫がいることもあります。

そのため血液検査やウンチの検査などが必要になります。

粘膜が紫色になるのはチアノーゼといって、体の中の酸素が足りていないことを示しています。心臓や肺の病気が疑われますので、詳しい検査が必要です。

【心血管系の異常】

心血管系の異常を発見するためにまず行うのが、聴診です。

聴診では、心拍数と心雑音の有無を確認します。仔猫の心拍は成猫に比べるととても速く、生後4週齢までの平均心拍数は約250回/分です。

仔猫で聴かれる心雑音には

  • 機能性心雑音
  • 心奇形に関連した心雑音

の2つのタイプがあります。

機能性心雑音は、心臓の病気とは無関係に起こり、3ヶ月齢くらいまでには消えてしまいます。反対に心奇形に関連した心雑音は、3ヶ月齢を超えても消えません。

心雑音が聴かれたときにこのどちらのタイプなのかを知るためには、雑音の聴かれる部位や音の質、粘膜の色調や全身状態などを総合的に評価します。心電図や超音波検査などの精密検査が必要になることもあります。

脱水の評価

長い時間食べたり飲んだりしていなかったり、下痢や嘔吐が続くと脱水状態になってしまいます。

仔猫の脱水状態を知るには、成猫のように背中の皮膚をつまみ弾力性を見て判断することはできません。そのため仔猫の脱水状態の評価には、眼や口の乾燥の状態、また体重の減少やオシッコの色調などで行う必要があります。

オシッコの色は、オシッコをさせるときに観察しましょう。

脱水を起こしていないときもオシッコは、水のような無色か極薄い黄色です。もし濃い黄色や金色などの場合には、脱水している可能性があります。

異常を見つけたらすぐ動物病院へ

仔猫の病気は進行が早く、前の日までは元気でミルクも飲んでいたのに、翌日には急激に悪化し死んでしまった。そのようなことが、少なくありません。

また伝染病に感染しているなどの場合には、早めに治療しないと手遅れになってしまうことがとても多いです。お家での健康チェックで異常と思ったら、すぐに先生に相談するようにしましょう。

お母さんのいない仔猫の育て方の実践編

Dr.Nyan

仔猫を保護したときに
どのような環境で仔育てを始めるかについてのお話です!
まず病気を持っていないことが確認できるまでは
完全隔離をすることです!

保護した仔猫で一番心配なことは、病気を持っているかわからないということです。中にはこわい伝染病や寄生虫に感染している、そのような場合もあります。

特に問題になるのが、お家に先住猫がいる場合には特に注意が必要です。

保護して直ぐに
「うちの仔とご対面〜!」
これは絶対に行ってはダメです。

新しくお家に来た仔から、ウイルス性の伝染病やお腹の虫や皮膚病などを感染してしまうなんてことが少なくありません。感染するような病気が無いことが確認できるまでは、先住猫との関わりは避けるようにしましょう。

また保護猫と先住猫とが接触しなくても、飼い主さんの手や衣服を介して感染させてしまうような病気もあります。赤ちゃんを触ったら必ず手を洗い、できれば消毒するようにしましょう。

飼い主

生まれたばかりの赤ちゃんは、自分で体温の調節ができないのね。
だから、保温が大事ってことね!

環境温度の目安

環境温度の目安は以下の通りです。

  • 1〜5日齢 32°C以上
  • 6〜10日齢 30°C以上
  • 11日齢以上 22~25°C

温度計は赤ちゃんの近くに置いて下さいね!

保温グッズいろいろ

仔猫におすすめの保温グッズを紹介します。

ペット用ヒーター

ペットショップやホームセンターなどで、手に入ります。

注意するのは、直接赤ちゃんの肌に触れないようにタオルや毛布などで覆うことです。もし低温やけどを起こしてしまったら、可哀想ですもんね!

またケージの中には、ヒーターを敷いていない場所をつくることが重要です。

このようにすれば、赤ちゃんは暑ければヒーターの無い場所に、寒ければヒーターのある場所に自分で移動することができます。

湯たんぽ

湯たんぽは、布などでくるんで使用します。もし湯たんぽがなければ、ペットボトルや空きビンなどにお湯を入れたものでもOKです。

ただ当然時間がたってくると冷めてくるので、こまめにお湯を入れ替える必要があります。冷めたまま放っておくと、逆に体温を奪ってしまうことになるので要注意です。

赤外線ライト

赤ちゃんの「斜め上」から照らします。吊す高さを変えることでも、温度調節ができるので便利です。

斜め上から照らすのは、ケージの中に温度差を作りたいからです。赤ちゃんは暑ければライトから遠ざかり、寒ければライトに近い場所に自分で移動することができます。

加湿器

保温だけじゃなく、湿度も重要だよ!

生まれたばかりの赤ちゃんの水分要求量は成猫の約2倍と言われています。また生まれたばかりの赤ちゃんの皮膚には、体の水分の約4分の1が存在しているとも言われています。

本来なら母猫が赤ちゃんの体を舐め、体の表面を湿った状態に保っています。そのため、皮膚からの水分の蒸散と乾燥が防がれています。

保護猫を育てるときは体が乾燥しないように、環境湿度に気をつけておかなければなりません。できれば近くに加湿器などをおいて、湿度を55~60%くらいに保つのが理想的です。

水分が不足すると、赤ちゃんは容易に脱水症状を起こしてしまいます。また、乾燥しすぎは呼吸器系に悪影響を与えることもあります。

リスク先生

自分で快適な場所へ移動し体温調節を学ぶため、ケース全体を均一に温めるのではなく、「暖かい場所」と「少し涼しい場所」を作ります。

もっとも経済的な仔育てばこ

用意するもの

  • ダンボール
  • 新聞紙
  • 湯たんぽ
  • 毛布・タオルなど
  • ペットシーツ
  • バスタオル

使用用途

ダンボール・・・結構保温効果があります。立ち上がった時に赤ちゃんが出られない高さにします。

新聞紙・・・下からの冷えを防ぐために厚めに敷きます。

湯たんぽ・・・お湯を入れ、新聞紙で巻いた後に置くことで冷めにくくなります。こまめにお湯を取り換えるのを忘れないようにしましょう。湯たんぽがない場合は、ペットボトルなどで代用可能です。

毛布・タオル・・・湯たんぽと高さを合わせるのがポイントです。素材は洗濯に強く、塩素消毒できるものがよいでしょう。ループ状のタオルは爪が引っかかって、思わぬことに繋がる可能性もあるので注意が必要です。

ペットシーツ・・・汚れたらすぐ取り換えられて便利です。

バスタオル・・・寒いときは段ボールの上からかけて熱が逃げないようにします。

週齢別 成長一覧表

週齢体重の目安体温(直腸温)眼・耳運動・神経授乳・排泄お世話のポイント
生後0〜1週
(0〜7日)
出生時 約100g
1週末 約150〜170g
(週50〜100g増)
35〜37℃
34.5℃未満は緊急
眼・耳ともに閉じている丸まった姿勢のみ
痛み反応は弱い
2〜3時間ごとに授乳
毎回排尿を促す
排便は1日1〜2回
保温最優先(30℃前後)
ミルク適温38〜40℃
うつ伏せで授乳
冷えていたら先に温める
1〜2週
(7〜14日)
200〜300g前後
(週50〜100g増)
35〜37℃→徐々に上昇
まだ自己調節できない
生後5〜14日で開眼
耳の穴も生後5日頃から
まだほぼ見えない・聞こえない
生後4日〜:背筋を伸ばせる
横向き・うつ伏せ可能
7〜14日:ハイハイ開始
2〜3時間ごとに授乳
毎回排尿を促す
排便は1日1〜2回
引き続き保温必須
目やには湿らせたコットンで
無理に目をこじ開けない
毎日同時刻に体重測定
2〜3週
(14〜21日)
300〜400g前後37〜38℃前後
体温調節能力が出てくる
眼・耳の反応が出始める
(25日齢頃から本格的に)
2週:体を自分で支えられる
よちよち歩き開始
痛みから逃げる動作が出る
3〜4時間ごとに授乳
毎回排尿を促す
排便1日1〜2回
3週頃から自力排泄の兆し
社会化期スタート
優しく触れることが大切
人の声・におい・温もりを学習
3〜4週
(21〜28日)
400〜500g前後38℃前後(成猫に近づく)眼・耳がしっかり機能し始める
眼の色が変わり始める
(青→本来の色へ)
21日〜:しっかり歩ける
走る・遊ぶ動作も
3〜4週:自力で排泄できるように
4〜5週:補助の反射が消える
離乳食の準備開始
ミルクに少量のウェットフードを混ぜてスープ状から
トイレの練習を始める
4〜7週
(社会化期)
500〜700g前後38〜39℃(成猫と同等)4〜6週:眼の色が成猫の色に確定活発に走り・跳び・遊ぶ
きょうだいとプロレスごっこ
ウェットフード→ドライフードへ
自力でトイレができる
社会化期の核心
「噛む力加減」を学ぶ
「人間は安心」と学習する
この時期の経験が性格を決める
※数値はいずれも目安です。個体差があります。体重増加がない・ぐったりしている場合は早めに受診を。

まとめ

最初は目も見えず、自分で歩くこともできなかった小さな命が、

少しずつ音に反応し、飼い主さんの顔を見つめ、よちよちと歩いて近づいてくるようになります。

その成長のひとつひとつは、お母さん代わりになったあなたへの、仔猫からの大切なプレゼントなのかもしれません。

筆者・若山正之(Dr.Nyan)のプロフィール

若山動物病院院長 獣医師 若山正之(Dr.Nyan)

本記事は、犬・猫の診療を行う獣医師・若山正之が監修・執筆しています。
1975年より小動物臨床に従事し、現在は若山動物病院院長として地域医療に携わっています。長年の臨床経験に基づき、一般診療から予防医療、シニア医療まで幅広く対応しています。

特に、病気の早期発見・早期対応を重視し、飼い主様にわかりやすい説明と納得いただける診療を心がけています。
また、幹細胞療法や免疫療法などの先進医療にも取り組み、動物の生活の質(QOL)を重視した治療を提供しています。

これまでに一般飼い主様向けのセミナーや講演活動を多数行い、正しい医療知識の普及にも尽力しています。著書に『老犬生活 完全ガイド』『犬と猫の老齢介護エキスパートブック』などがあります。

本記事は最新の獣医療知見と臨床経験をもとに作成していますが、症状や状態によって対応は異なるため、気になる症状がある場合はお早めに動物病院へご相談ください。