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【猫風邪】猫風邪とは?症状や治療法を解説

猫を飼っている飼い主さんは、一度は猫風邪という言葉を聞いたことがありますよね?

ヒトが風邪をひくと、クシャミ、鼻水、鼻づまりなどの症状が見られます。実は猫にも、ヒトと同じような症状になる猫風邪と呼ばれる病気があります。

先生!うちの子クシャミするんです。猫も風邪ひくのかしら?

もしかしたら猫風邪かもしれないね。
簡単に感染して、なかなか治らないし重症化すると大変な病気だから、一緒に頑張って治そう。

感染すると大変な『猫風邪』の原因や対処法などについてDr.Nyanが説明しますね。

目次

猫風邪の症状

猫風邪の一般的な三つの兆候は、鼻水・クシャミ・涙だよ!
では、どんな症状がでたら要注意なのか一緒に確認していきましょう!

猫風邪の特徴的な症状は、眼のウルウルとクシャミです!症状が進むと熱が出たり食欲も落ち、最悪は肺炎になり死に至ることもあります。

中には、一度感染すると一生病原体が体の中に居座ってしまうものもあります。また混合感染すると治りづらい場合も多いのが、猫風邪です。

クシャミ・鼻水

まるでヒトの風邪に似て、クシャミや鼻水が出ます。

猫風邪の鼻水には、サラサラのもあるしドロっと粘っこいのもあります。サラサラ鼻水は遠くまで飛び、ドロっとした鼻水は鼻の下にベチャっとくっついてます。

鼻が詰まってしまうとニオイを感じられなくなるのか、食欲が落ちてしまいます。

眼がウルウル

感染の初期には、眼が涙でチョット濡れた感じがするだけのこともあります。しかし時間と共に悪化しすると、ウルウルとした眼の周りがグチャグチャしてきます。

猫風邪の中期症状

猫風邪の中期症状で眼はウルウル、鼻も詰まった典型的な症状です。

他にも

  • 白目の部分が充血して腫れた感じになる(結膜炎)
  • 眼ヤニが出て眼の下が汚れる
  • 痛みからか眼を細める
  • 眼をショボショボさせる

など様々の症状がみられます。

悪化するとドロッとした黄色の膿っぽい眼ヤニが乾燥し、眼の周りにカピカピになっています。その不快感から眼を気にして前足で擦り、前足に眼ヤニが付いて汚れていることも。

さらに眼ヤニが多くなるとマブタがくっつき、眼が開けなくなってしまうこともあります。特に子猫は、そのような事例が多くみられます。

発熱と脱水

猫風邪にかかると熱が出てしまうことも多く、食欲が落ちてしまいます。鼻が詰まって食べられない上に、熱の追い討ちです!また水を飲むことも減り、脱水傾向になります。

特に子猫は免疫力が弱いため重症化しやすいので、注意が必要です。

平熱を知っておくと熱が出たときにわかりやすいですよ!

猫の平熱はヒトよりも高く、平均38度台くらいです。ただ平熱は個体差だけでなく測定方法によっても違うため、事前に健康な時に平熱を知っておくことがとても大切です。

体温を測る様子

体温は太ももの付け根のドクドクと脈を打っている場所で測ります。

健康であれば、安静にしている時の体温は39度以上になることはありません。

口内炎や口の中の潰瘍

猫風邪でも特定のウイルス(猫カリシウイルス)に感染した場合には、口内炎や口の中に潰瘍ができます。そのため、食べるときに口を痛がるような仕草が見られます。

猫風邪の原因

続いては猫風邪の原因について紹介していきます。

原因はウイルスなどの接触・飛沫感染です!

猫風邪の主な原因はヘルペスウイルスカリシウイルスなどのウイルスや、クラミジアなどの細菌の感染です。

感染した猫との接触や、ウイルスなどの飛沫感染によります。多頭飼育の場合、感染している猫は他の猫から隔離しておく必要があります。

猫風邪の様子

眼の周りは汚れ体調不良から食欲も無くキツネ顔になっています。

クラミジアは人にも感染することもあるので注意が必要です。ヘルペスウイルスに感染すると、体内に一生ウイルスを持ち続けてしまいます。そのため回復したのちも、クシャミや鼻水など症状を慢性的に起こすことがあります。

猫風邪の主な治療法と費用

猫風邪の原因を知るのにPCR検査をすると良いんだよ!

PCR検査で原因を特定した上で治療を行う

猫風邪の治療に入る前にPCR検査を行い、猫風邪の原因を特定します。

猫風邪の原因となるウイルスや細菌は多数あるため、原因によって治療方法は少し異なります。そのためPCR検査を行い、ある程度原因を特定してしまう方が治りは早くなります。

検査は、結膜と喉の奥から綿棒で採取した検体を検査機関に送り行います。その結果により、各症状に対処していきます。

PCR検査の結果

PCR検査の結果画面です。

ウイルス感染にはL-リジンやインターフェロン、ウイルス治療薬を、また二次感染予防のため抗生物質などを使用します。

インターフェロンの様子

治療用の猫のインターフェロンです。

細菌感染には、抗生物質などを使用します。また結膜炎などを起こしている場合には、目薬を使う場合もあります。

また、症状を悪化させないことも大切です。

原因が何にしろ治療の基本は症状が悪化をしないようにすることが大切!以下のケアをぜひ意識してください。

  • 体を冷やさないよう保温する
  • 眼や鼻周りを綺麗にする
  • 吸入器を使い薬を霧状にして吸わせる処置を行う
  • フードを温めニオイがたつようにして食べさせる
  • 水を飲ませる工夫をして脱水を防ぐ

どうしても食べない飲まない場合には『強制給仕と点滴』を行います!

猫風邪に関わる治療費

参考治療費を表にまとめました。

治療は重症でなければ投薬がメインとなります。脱水時は点滴をする場合もあります。当院ではストレスを考え、基本的には入院を行わずに通院で治療を行うようにしています。

項目費用
PCR検査約2万円/回
投薬5,000~10,000円/1週間
吸入処置3,000円/回
点滴3,000~5,000円/回

猫風邪にはならないようにしたいです!

定期的なワクチン接種でも予防することができます。

混合ワクチンを打つ

猫風邪の予防として、混合ワクチンを行います。しかしワクチンを接種していても、感染を完全には防ぐことができません。ワクチンは感染しても、重症化しにくくさせるものです。

ちなみ猫風邪の原因のすべてが、ワクチンに含まれているわけではありません。

生活環境と栄養状態を整える

猫風邪は気温が低い時期や、寒暖の差が激し季節の変わり目に多く見られます。生活環境を整え栄養状態をよくし、ストレスの少ない生活を心がけてあげます。

ウイルス性の猫風邪はヒトには感染しませんが、ヒトを介して他の猫への感染の可能性があります。そのため飼い主さん自身の消毒も、感染の予防には重要です!

免疫力の低下を防ぐ

猫風邪の予防には免疫力の低下を防ぐことも重要です。

寒暖の差が激しい季節や、寒さが厳しい季節は免疫力が低下してしまいます。また環境の変化やストレス、また歯周病などの基礎疾患や老化も免疫力を下げてしまいます。

免疫力を下げないようにして、快適な過ごせるようにしてあげてください!

猫風邪になりやすい猫種

猫種には関係なく感染するので要注意!
上記であげた予防方法をぜひ実践してあげてください。

  • 生後2~3ヶ月の子猫
  • ワクチン未接種
  • 免疫力が弱まっている場合
  • 持続的なストレスがある場合

まとめ

猫風邪は感染しやすく、また治療してもなかなか治らず長引くこともある病気です。また子猫に感染してしまうとす、場合によっては死に至ってしまう可哀想な病気です。

まとめ

多頭飼育の場合には、蔓延してしまうことあるためワクチン接種と風邪をひきにくい体質と環境作りが大切です。もちろん、このことは多頭飼育じゃなくても同じですよ。

猫の最高長寿は38年、長生きせせてあげましょうね!