若山動物病院ブログ
実は低血圧だった!
猫ちゃんが腎不全とのことでの来院がありました。
ぐったりして、ヨロヨロによろけて歩くこともままならないとのことです。
実際にケージから出してみると、なるほど腰が砕けたように歩きます。
お持ちいただいた過去のデーターでは、尿素窒素値100以上、クレアチニン値も10以上。
数値からは尿毒症!
しかも、激貧血です!
もう亡くなるのも時間の問題であろうとの事から、治療せず見守ることになったそうです。
ところが、ところが!
お家で様子を見ていたら・・・
何もしていないのに自然に普通に歩くし食べるし、以前の元気に状態に戻ってしまったとか・・・
良かった良かったと思ってたところ、まもなく同じような症状になってしまったそうです。
そこで再度血液検査をしたら腎臓が悪くなっていたので、今回は薬が処方されたのですが症状は全く改善せず今に至っているそうなんです。
そのような状態なのですが、フードの前に行って食べたそうにはするんです!
しかしジーッとフードを見つめてるだけで、食べない。
このような状態の猫ちゃんですが、腎不全の治療が他に無いのかとのことでの相談&診察でした。
話を聞いていて不思議に思ったのは・・・
何も治療もしないのに腎不全が、あたかも治ったように普通の状態になったことなんです。
腎不全は進行性の病気なので、治療も何もしないで治ることはありません。
何ででしょうか?
そこで血圧を測ってみると?
幾度測っても「低血圧」なんです。
腎臓病に罹ると「風血圧」になるのが普通なんです!
そこで心臓の検査をしてみると・・・・
あらら大変!心筋症を起こしているではありませんか!
心筋症とは心臓の病気で、猫ちゃんの隠れ疾患の一つです。
心臓が悪くなると血液の流れが悪くなり、体の各組織に酸素が十分行き届かなくなります。
また血液の流れが悪くなってしまうことで、血栓(血の塊)が出来やすくもなります。
しかも血栓により血管を詰まってしまうこともあります。
また多くはありませんが、血栓が腎臓や脳の血管に詰まってしまうこともあります。
もし腎臓に詰まれば、当然腎臓の機能は落ちてしまいます。
しかも血管に詰まった血栓が小さい場合には、血栓が動き血液の流れが再開することもあるのでは?
そのような事が考えさせられる、腎臓病でした。
ちなみ心筋症は突然のように亡くなることもある、とても怖い病気です。