若山動物病院ブログ
胸にチューブを装着
呼吸困難の猫ちゃんが来院した。
どうみても、肺のトラブルである!
肺は肋骨と横隔膜で囲まれた胸腔の中に、心臓と一緒に収まっています。
そしてそこには、健康でも少量の胸水が溜まっています。
この場合の胸水は・・・
肺がスムーズに膨らんだり縮んだりするための潤滑剤のような働きをしています。
しかし何らかの原因により胸水の量が増えると、肺が圧迫されてしまいます。
その結果、息が吸えなくなるなどの症状が現れます。
空気が吸えないのは・・
辛いですよ〜!
猫ちゃんで胸水が溜まる原因の多くは、心臓病とされています。
また腫瘍でも多いとされています。
そうそう・・・
伝染性腹膜炎でも胸水が溜ま流よね!
そして胸に膿が溜まるのは膿胸
血が溜まるのは血胸と言いよね!
胸水は少量であれば、全く息苦しいなどの症状はありません。
しかし多量になると息苦しい、動けない、食欲も元気も無くなる・・・
とにかく息の仕方が普通とは違います。
そんな時には、胸のレントゲン検査です。
また心臓のバイオマーカーを調べるなど、血液検査も併せて行います。
治療は・・・
酸素吸入、そして肋骨の間から細い針を刺して肺の中の水を抜きます。
今回の場合は、胸腔ドレナージを行いました。
これは胸腔内にドレーンを挿入することで、溜まった胸水を持続的に体外へ排出する治療方法です。
今回の胸水の原因は、心臓ではありませんでした。
調べると乳腺腫瘍が多発していました。
とすると乳腺腫瘍の転移も考えられます。
まずは呼吸が楽になったので、次は自宅で苦しまず過ごせるを考えなくては!
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