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若山動物病院ブログ

「ハッピー・ハイポキシア」2

肺炎と診断され、来院された生後4ヶ月の猫ちゃんの続きです。

猫ちゃんの肺炎は・・・
猫ヘルペスウイルス猫カリシウイルスなどの猫風邪に、細菌の二次感染をが起こし発症することが多いとされています。

診察時に「猫風邪」とも言われたそうですので、PCR検査も行いました。
まれに寄生虫の感染もありますので、ウンチの検査も行いました。

猫ちゃんの肺炎は、ワンちゃんに比べて診断が難しい場合があります。
そのため、念のためレントゲン写真を診断センターで精査してもらいました。
その結果は「誤嚥性肺炎」とのことでした。

誤喋性肺炎はワンちゃんでは良く知られていますが、猫ちゃんでは少ないとも言われています。
それは猫ちゃんの喉には、ワンちゃんより鋭い「喉頭反射」呼ばれる反応が起こるからです。
そのため間違ってモノが気管に入っても、即吐き出すことができるからです!

口は一つ、喉も一つ、でもその先は2つに別れています。
一つは食べたモノや水が入っていく食道、もう一つは空気が入っていく気管です。

2つの穴が並んで開いていると、食べたモノが気管に入ってしまいそうですよね?
でもそのようなことは普通じゃ、起こりません!

食べたモノや水を飲み込む時に食道の入口が開き、呼吸をするときには食道は閉じます。
つまり飲み込んだモノが気管に入らないように、気管の入り口が塞がれるような仕組みになっています。

誤嚥とは本来は食道に流れていく物が、誤って気管に入ってしまうことがあります。
誤嚥により起きた肺の炎症が、「誤嚥性肺炎」です。

誤嚥性肺炎を起こしたそもそもの原因は、誤嚥してしまったことですが・・・
肺にウイルスや細菌、真菌、寄生虫などが感染して炎症を起こし、咳き込んでいる時に誤嚥してしまったと言う場合もあります。

治療は・・・

呼吸を楽にするため酸素室にいれ酸素不足を改善し、基礎疾患を調べます。
また肺の中の細菌をやっつけるために、抗菌薬を使います。
本来は感染を起こしている細菌に適した抗菌薬を使用するのが一番良いのですが、検査を行うのが難しい場合もあります。

治ることを祈ってます!