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老犬の介護②:【後編】老化のサインに気づいてあげよう

老犬の介護②:【後編】老化のサインに気づいてあげよう

老化のサインの前編では
口臭と関節の衰えを教えてもらったのね!

ではその他のサインについて、
どんな症状がでたら要注意なのか一緒に確認していきましょう!

目次

老化のサイン③咳が出る

老化のサインの3つ目は、咳です!

シニアと言われる7歳以上の犬の約25%が、心疾患に罹っていると言われています。小型犬や中型犬では、多くの場合心臓の弁がうまく閉じないために起きます。

しかも悪い事に、心不全の程度が軽度では無症状なのです。そして、何らかの症状が見られた時は、もうだいぶ悪くなってしまっているのです。

慢性心不全とは弁膜症、心筋症などの心疾患の末期の状態です。発症してしまうと心臓が機能を停止してしまう時期を早めてしまい、死に至ります。

気を付けた方がよい病気は『心臓病』

心臓は、全身に血液を送るポンプの働きをしています。

送られてきた血液の中には、全身の細胞の活動源としての酸素と栄養が含まれています。そして細胞の中の二酸化炭素と老廃物を、体外に出す運び出す仕事をしています。この一連の仕事は、生まれてから死を迎えるまでの間休み無く続けています。

シニア犬になると、血管がだんだん硬くなり血液はスムーズに流れなくなります。そのため血液を送り出す力も大きくなり、心臓に負担がかかってしまいます。

心臓には血液の逆流を防止するため、重要な4つの弁があります。

これらの弁の働きが悪くなると、心臓の中の血液の流れをうまくコントロール出来なくなります。この機能が低下してしまうと、心臓や肺などの各臓器に血液が溜まってしまいます。

心臓の働きが悪くなる心不全の状態になると、運動時だけでなく安静時までも辛くなってしまいます。

そして息切れや倦怠感、咳、運動を嫌がる、失神したりする、食欲不振、体重の減少、呼吸困難、脚に浮腫などの症状が見られたりするようになってしまいます。

心臓病の予防は「悪化させない」が大切

手作り食の場合には心臓に負担になる食物、特に塩分の高いものは与えてはいけません。

塩分を全くあげないと言うことでは無く、
ナトリウムの多い食べ物は控えてと言うことです!

動物病院で処方している、心臓病の時に食べさせる療法食を使用するのも良いでしょう。

また心臓に負担がかかるような運動は避けます。暑すぎる、寒すぎる、また急激な温度変化などがあると症状の悪化が見られますので注意が必要です。

老齢犬の様子

笑顔いっぱいで見た目は元気ですが、心臓が疲れちゃってます!

また薬を使用すると生活の質が飛躍的に向上しますので、かかりつけの先生に相談してみて下さい!

老化のサイン④:やる気がない(ホルモン失調)

甲状腺は喉の両側にある、「新陳代謝を促進するホルモン」を分泌する内分泌器官の1つです。甲状腺は小さくて柔らかいので外から見ても触れても良くわかりません。

甲状腺ホルモンが不足すると、ヒトの新生児では脳の発育や成長が遅くなります。

オタマジャクシはカエルになれないんですよ!
オタマジャクシがカエルになるのは甲状腺ホルモンが必要なんですって!

甲状腺ホルモンが全く分泌されないと、1ヶ月ぐらいしか生きられないと言われています。このように甲状腺ホルモンは、発育や成長に欠かすことができないホルモンなのです。

老犬の様子

甲状腺ホルモンは新陳代謝に関係があります。そのためホルモンの分泌が悪いと、当然ながら新陳代謝は悪くなります。

健康なシニア犬は若いときに比べ、生理的にも新陳代謝が低下しています。そんなシニア犬に甲状腺機能低下症が起こると、さらに新陳代謝が悪くなります。

気を付けた方がよい病気は『甲状腺機能低下症』

うちの犬、呆けちゃったのかしら?
食べては寝るの繰り返しの毎日で、いつも全くやる気がなくボ~っとしているのよ。

シニア犬の飼い主さん、皆さん同じようなことを言います!
でもそれって・・本当に老化現象なのかなと思うことがあります。

と言うのも、甲状腺機能低下の症状としては・・・
運動量の低下、頭脳の衰え、体毛が薄くなり毛が伸びるのが遅い、寒がるなどのです。これらの症状は、まるで普通の老化現象とそっくりなのです。

他の症状としては、心機能や代謝機能の低下、肥満、元気消沈、睡眠時間増加、寒がる、傷が治りにくい等です。

また見た目として皮膚は厚く冷たく腫れる、徐々に毛が抜ける、尾がラットの尾みたいになり、だんだん全身に両側性で対称性脱毛となります。

甲状腺機能低下症の予防は「定期的な健康診断」

甲状腺機能低下症と診断されたら、甲状腺ホルモン剤を飲ませなくてはなりません。

甲状腺ホルモン治療を受け始めたシニア犬の飼い主さんは、我愛犬の変身ぶりに皆が同じようなことを言います。

治療が始まったら活発に動くようになり、散歩も大喜びになったんですよ!
しかも、あれほど生えなかった毛が生えてきたし!
若返ったのかしらね。

いやいや実際には若返ったのでは無く
あるべき本来の姿に戻っただけなんですよ!

老犬の様子

ホルモンのバランスを整えると元気になります。

甲状腺機能低下症は、治らない病気とされています。そのため甲状腺ホルモン剤を、終生飲み続けなくてはならなりません。

一生涯と言うと、気が重くなる飼い主さんもいらっしゃいます。しかし愛犬の笑顔と元気な姿を見てしまうと、そんな気分も晴れてしまうことでしょう!

老化のサイン⑤:眼が白くなる

眼が白くなったように見える・・
もう歳なのかしらね。

眼が白い様子

眼が白くなってるのが見た目にもハッキリわかります。

気を付けた方がよい病気は「老齢性白内障」

水晶体は普通は透明ですが、老齢になって濁ってくるのが老齢性白内障です。この老齢性白内障は老化現象の一つで、水晶体の栄養が悪くなり濁ってくるといわれています。

老齢性白内障は視力障害で、眼が赤くなるとか目やにが出る事はありません。

初期の症状は、水晶体の周辺から混濁が始まるため、飼い主さんは殆ど気がつきません。混濁の拡がり方と早さ、混濁の強さと、混濁の場所、また左右の眼でもその進み方も様々です。

老齢性白内障の予防は「栄養管理」

栄養状態が悪い時、紫外線の強い所で生活している場合は進行が早いといわれています。

混濁が進んでくると、道路の側溝に足を踏み外してみたり、物にぶつかったりという症状が見られます。その時に「あれっ、うちの仔の眼が見えないの・・変?」と思う飼い主さんもいます。

またある飼い主さんは、まだ眼のことに気付かずに「うちの仔、この頃ドジなのよねぇ~!」とか。混濁が水晶体の中央部に進み、瞳孔が外からみて「白く濁って」見えてきてからビックリする方がほとんどです。

老化のサイン⑥:シコリができる

気をつけた方がよい病気は『乳腺腫瘍』

乳腺腫瘍は、10歳前後のメスのシニア犬に良く見られる腫瘍です。そのほぼ50%は良性混合乳腺腫などの良性腫瘍、残りの50%は悪性腫瘍です。

悪性腫瘍の場合は、その半数が肺やリンパ節への転移が見られます。つまり乳腺腫瘍の25%が転移するタイプの悪性腫瘍なのです。

ネコの場合には、そのほとんどが乳腺癌と言う悪性腫瘍となります。

乳腺腫瘍は、乳腺の部分にしこりがあったり皮膚の炎症のように見えます。また、しこりに潰瘍ができてしまう場合もあります。しこりには皮膚の下で動くものと、皮膚や筋肉に付いて動かないものがあります。

乳腺腫瘍予防は「定期的な健康診断」

老齢のワンちゃんやネコちゃんに、このような症状が見られたら早めに検査を行いましょう。
すべてが悪性の腫瘍ではありません。

しかし、早期に発見しないと転移することがあります。

ネコちゃんの乳腺腫瘍は成長が早いんですよ。
しかも、リンパ節や肺に転移します!

まとめ

体に起こった問題を早期に見つけ出し改善し、病気は初期のうちに回避するか、発症を遅らせる努力を行うことが大切です。そして体重とコンディション、QOLを維持していく必要があります。

もし病気の場合、その治療の結果として苦しみ、QOLが低下するのであれば、その治療は好ましいものではありません。

【老犬の介護・参考記事】

 ①:【前編】老化のサインに気づいてあげよう
 ②:【後編】老化のサインに気づいてあげよう
 ③:老犬の長生きの秘訣を知っておこう
 ④:老犬介護に疲れた人へ。介護を「快互」にするための心構えとアドバイス
 ⑤:老犬の夜鳴きを防ぐには

老犬生活

老犬生活は参考になるよ!