老犬の介護③|老犬の長生きの秘訣を知っておこう

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老犬の介護③|老犬の長生きの秘訣を知っておこう

老犬の介護③|老犬の長生きの秘訣を知っておこう

飼い主

最近、歩くのが遅くなったから心配で

Dr.Nyan

歩く速度が遅くなるのは年齢による変化かもしれません。でも『遅くなった=散歩を減らす』ではないんですよ。

犬が20歳を超えるのは難しい、そう思う方も多いと思います。でも実際に、それだけ長生きできる動物であることを忘れてはなりません。

ヒトでもそうですが、犬でも長寿になる秘訣があります。その秘訣について、一緒にチョット考えてみましょうね!

目次

飼い主の思い込みが老犬の寿命を縮めてしまうこともある

Dr.Nyan

シニア犬の動きを思いつくままに書いたんですが・・
チョット読んでみて下さい!

  • 足腰が弱ってきたから散歩や運動は減らす?
  • 疲れそうだから、他の犬との接触はなるべく避ける?
  • 歳を取ると肥満になりやすいから、ごはんの量はセーブする?
  • 落ち着いて眠れるように人気の無い所に寝床をつくる?
  • 嫌がるようなら、体にはむやみに障らない方が良い?

飼い主

歳を取ったら安静にしていた方が長生きすると思っていました。

Dr.Nyan

実はその思い込みが筋力低下や認知機能低下につながることもあるんですよ。

シニア犬と一緒に暮らす中で、あまり体に負担をかけたく無い!そう思うのは当然のことです。

しかし、この負担をかけたく無い気持ちの中に「落とし穴」があります。しかもそれが「落とし穴」とは気がつきません。その穴に落ちてしまうと、大変なことになってしまいます!

そんな落とし穴について、Dr.Nyanが説明しますね。

老犬の長生きの秘訣①|適度な散歩と運動で筋力を維持する

同じ年齢でも若々しいヒトもいれば、老けちゃったヒトもいます。これは犬の世界でも、同じことが言えます。

では、この違いは何でしょう?

若々しく保つには、精神的なものもあるでしょう!また肉体的なものもあるでしょう!

足腰が弱っても積極的に散歩や運動は頑張ろう!

年を取ると、ヒトも犬も若い頃に比べて足腰が弱まります。
そのため、歩く早さがゆっくりにもなってきます!

しかも犬の老化する早さは人に比べて何倍も早いため、愛犬の歩く早さは日増しに遅くなるのがわかります。

飼い主

うちの子、ん・・・
もう歳だしなぁ~、歩くの大変そうだし散歩の時間を少し減らそうかな〜

Dr.Nyan

ええええっ?
歳だからって、そのような理由で運動量を減らしても良いのでしょうか?

老化は足腰から来ると言いますが、これはヒトも犬も同じ事です。そして運動量を減らしてしまうと筋肉量が落ちてしまいます。その結果、関節が弱くなり足腰が弱くなるのも同じ事です。

散歩の様子

健康のために楽しい散歩を行いましょう。

シニア犬も老齢になったからと言って、散歩や運動を減らすのは間違いだと言えます。

体力を維持する為の基本的な筋肉を維持する意味で適切・適度な運動は必要です。当然ですが、心臓病の犬でも、病状に応じて無理のない運動を継続した方が良いケースが多くあります。
ただし病状によっては運動制限が必要な場合もあるため、主治医の指示に従いましょう。

老犬は『歩ける距離』より『歩く習慣』が大切

シニア犬の飼い主さんから、

「最近歩くのが遅くなったから」
「疲れそうでかわいそうだから」

という理由で散歩を短くしたというお話をよく聞きます。
しかし実際には、筋肉は使わなければ急速に衰えていきます。

歩かなくなる

筋肉が落ちる

さらに歩けなくなる

という悪循環が始まってしまうのです。

老犬だから運動をやめるのではなく、老犬だからこそ体調に合わせた運動を続けることが大切なのです。

飼い主

散歩を休ませてあげる方が優しいと思っていました。

Dr.Nyan

本当に優しいのは、その子に合った運動を続けてあげることなんです。

老犬を過保護にしすぎる落とし穴

愛犬を大切に思う気持ちは素晴らしいことです。

しかし、

  • 歩く習慣の維持
  • 他の犬と会わせない
  • 外出を避ける
  • 体を触らない

などは、結果として老化を早めてしまうことがあります。

生き物は適度な刺激があることで脳や体が活性化します。
刺激が減ると筋肉だけでなく脳の働きも低下しやすくなります。
老犬に必要なのは過保護ではなく、「無理のない刺激」なのです。

長生きする犬と老け込む犬の違いとは?

同じ年齢でも若々しい犬と急に老け込んでしまう犬がいます。
その違いを生み出す大きな要因が、

  • 運動習慣
  • 社会的刺激
  • 食事
  • 飼い主との関わり

です。

特別なサプリメントや高価な治療よりも、毎日の生活習慣の積み重ねが健康寿命を左右することは少なくありません。

老犬の散歩で目指すべきは『若い頃と同じ』ではない

若い頃と同じ距離やスピードで歩く必要はありません。

大切なのは、その子の今の体力を維持することです。
昨日より少しでも歩ける状態を維持する。
それが老犬の散歩の目標です。

愛犬に合わせたオーダーメイドの散歩をしよう

若い頃と同じ散歩をする必要はありません。

大切なのは、その日の体調に合わせることです。

暑い日は短時間にする。
寒い日は暖かい時間帯にする。
疲れやすい日は途中で休憩する。

このような工夫をしながら続けることで、安全に運動量を維持できます。

散歩前のウォーミングアップが大切

高齢になると関節や筋肉は硬くなります。

いきなり歩き始めると、

  • つまずく
  • 関節を痛める
  • 転倒する

などの原因になります。

散歩前に数分間室内を歩かせたり、軽く体を動かしたりしてから出発すると安全です。

散歩中は遊びを取り入れて脳を刺激しよう

散歩は単なる運動ではありません。

においを嗅ぐ
新しい景色を見る
飼い主と遊ぶ

こうした刺激は脳の活性化にもつながります。

認知症予防という意味でも、楽しさのある散歩を心がけましょう。

飼い主

「歩くだけじゃダメなんですか?」

Dr.Nyan

「歩くだけでも良いですが、『楽しい』が加わると脳への刺激が何倍にもなりますよ」

持病がある犬の散歩で注意すること

心臓病でも散歩して大丈夫なんですか?

多くの場合は大丈夫ですが、病気の種類や重症度によって調整が必要です

心臓病や関節疾患などがある場合でも、完全な安静が必要になるケースは多くありません。

重要なのは、

  • 距離
  • 時間
  • 気温

を調整することです。

体調が急変した時にすぐ帰宅できるよう、自宅周辺を中心に散歩するのもおすすめです。

水分補給を忘れないようにしよう

シニア犬は脱水になりやすく、回復も遅くなります。
特に夏場は短時間の散歩でも体内の水分が失われます。

散歩時には必ず飲み水を持参し、こまめな休憩を心がけましょう。

冬でも水を持って行った方がいいですか?

夏ほどではありませんが、シニア犬は脱水しやすいので季節を問わず用意しておくと安心です。

痛みを我慢させないことも重要

変形性関節症や腰痛がある犬では、痛みそのものが運動不足の原因になります。

近年では安全性の高い鎮痛薬やサプリメントも増えています。

痛みがある状態で我慢させるのではなく、痛みをコントロールしながら動ける環境を作ってあげることが大切です。

リスク先生

「歩きたがらない=老化」と決めつけるのは危険です!
関節炎・椎間板疾患・腫瘍が隠れていることもあります!

社会的な刺激は認知機能の維持につながる

人と同じように犬の脳も刺激によって活性化されます。

他の犬との交流や外出による刺激は、

  • 認知症予防
  • 活動量維持
  • ストレス軽減

につながります。

肥満予防は食事を減らすだけでは不十分

体重だけを気にして食事量を減らしてしまうと、筋肉まで減ってしまいます。
シニア犬にとって重要なのは体重ではなく「筋肉量」です。
筋肉が維持されることで、

  • 転倒予防
  • 関節保護
  • 基礎代謝維持

につながります。

家族の気配を感じられる場所で過ごそう

老犬になると不安を感じやすくなります。
家族の声や気配が感じられる場所で過ごすことは安心感につながります。

静かな場所に隔離するよりも、家族と一緒に過ごせる環境を整えてあげましょう。

体を触ることは健康チェックになる

毎日のスキンシップは愛情表現だけではありません。

  • しこり
  • 皮膚炎
  • 痛み
  • 脱毛

などを早期発見できる貴重な機会になります。
高齢になるほど全身を触る習慣が重要になります。

飼い主

毎日触っていても病気って見つかるんですか?

Dr.Nyan

実際に飼い主さんが最初にしこりを発見して早期治療につながるケースはとても多いですよ。

実際に長生きする犬の飼い主さんに共通すること

当院でも17歳、18歳、19歳を超えて元気に暮らしている犬たちを診ています。
その飼い主さんに共通しているのは、

  • 毎日散歩を続けている
  • 小さな変化に気づく
  • 定期健診を受けている
  • 愛犬によく触れている

という点です。

長生きは特別な才能ではありません。
毎日の積み重ねこそが、健康寿命を延ばす最大の秘訣なのです。

老犬の長生きの秘訣②|他の犬との交流で脳を若々しく保つ

大学の先生って、実年齢より若く見えませんか?それは、常に若いヒトと接してるからと思うのです。

俳優さんや歌手も、実年齢より若く見えませんか?それは、刺激の多い仕事をしているからと思うのです。

刺激がある生活は体の動きにも繋がるし、頭の中も活性化すると思うのです。それはシニア犬も言える事で、外部からの良い刺激が若々しさを保つ生活には必要なのです。

他のイヌとの接触は気持ちを高ぶらせ、体だけでなく頭も働かせます。そのため、体だけでなく頭の老化の防止にも役に立ちます。

特に気のあった仲間との接触は、気持ちの若返りの特効薬になります!たとえ疲れても、楽しい時間を過ごした後なら心地良いはずです。また様々な脳への刺激は、体を動かし筋力の維持にも貢献します。

散歩の様子

刺激のある散歩は楽しそうです。

散歩中の出会いや、同居犬でコミュニケーションを増やしましょう!若さを保つための「いい刺激」が効果的です。

よくある質問

老犬になったら散歩は減らした方が良いですか?

いいえ。体調に合わせて調整する必要はありますが、筋力維持や認知症予防のためにも適度な散歩は継続した方が良いでしょう。

老犬はどのくらい運動したら良いですか?

犬種や持病によって異なります。
疲労が翌日に残らない程度の運動を毎日継続することが理想です。

老犬が他の犬と交流するメリットはありますか?

あります。社会的刺激は脳の活性化につながり、認知機能の維持にも役立つと考えられています。

老犬の食事量は減らした方が良いですか?

単純に量を減らすのではなく、筋肉量を維持できる栄養バランスを重視することが大切です。

老犬の健康診断はどのくらいの頻度で受けるべきですか?

7歳以上では半年に1回、10歳以上では3〜6か月に1回の健康診断がおすすめです。

まとめ

体を動かし楽しく暮らし若さを保つことが、病気にならない体を作りだします。

【参考記事】

 老犬の介護①【前編】|老化のサインに気づいてあげよう1
 老犬の介護②【後編】|老化のサインに気づいてあげよう2
 老犬の介護③|老犬の長生きの秘訣を知っておこう
 老犬の介護④|老犬介護に疲れた人へ。介護を「快互」にするための心構えとアドバイス
 老犬の介護⑤|老犬の夜鳴きを防ぐには

筆者・若山正之(Dr.Nyan)のプロフィール

若山動物病院院長 獣医師 若山正之(Dr.Nyan)

本記事は、犬・猫の診療を行う獣医師・若山正之が監修・執筆しています。
1975年より小動物臨床に従事し、現在は若山動物病院院長として地域医療に携わっています。長年の臨床経験に基づき、一般診療から予防医療、シニア医療まで幅広く対応しています。

特に、病気の早期発見・早期対応を重視し、飼い主様にわかりやすい説明と納得いただける診療を心がけています。
また、幹細胞療法や免疫療法などの先進医療にも取り組み、動物の生活の質(QOL)を重視した治療を提供しています。

これまでに一般飼い主様向けのセミナーや講演活動を多数行い、正しい医療知識の普及にも尽力しています。著書に『老犬生活 完全ガイド』『犬と猫の老齢介護エキスパートブック』などがあります。

本記事は最新の獣医療知見と臨床経験をもとに作成していますが、症状や状態によって対応は異なるため、気になる症状がある場合はお早めに動物病院へご相談ください。