若山動物病院ブログ
痩せられない!
歩く姿が変!
頭が下がり前足を挙げる事がなく、カックンカックンとビッコを引きながら歩く・・・
そのような猫ちゃんの来院です。
この子は元々体重がオーバー傾向なので、体重管理を頑張っていたのです。
しかし現実は厳しく、フードも頑張っているのですが・・・
まだまだ若いのに、変形性の関節炎を起こしてしまいました。
関節の痛みを減らすため、治療の開始です!
体重を落とすには、飼い主さんの努力が必要になります。
体重のオーバーは「肥満」とも言いますが、この「肥満」は医学的な用語なんです。
肥満は体脂肪が過剰に蓄積している状態を指すだけでなく、糖尿病、高血圧、心臓病などの健康問題を引き起こすなど、カラダのあちこちにに悪影響を及ぼすものです。
関節に与える影響
関節は骨と骨がスムーズに動くために、その表面は滑らかな軟骨で覆われています。
しかし体重が重くなると軟骨に負担がかかり、擦れや傷がつき変形性関節症を発症してしまいます。
さらには関節へのストレスから炎症性物質が分泌され、炎症が進んでしまい関節の組織が壊れていきます。
しかも持続的に損傷を受けてしまうと、軟骨の修復能力が追いつかなくなります。
長期的な影響
肥満による関節への持続的な負荷により骨が変形してしまい、関節の動く範囲が狭まってしまいます。
また肥満から、カラダの動きが鈍くなりがちとなり活動性が悪くなってしまいます。
その結果、筋肉量が減り関節を支える筋肉が弱くなり関節が不安定になってしまいます。
そうなると関節と関節が擦れ合ってしまい、関節がさらに擦れ合い傷ついてしまいます。
症状
散歩や遊びに興味が減る
立ち上がる際に苦労したり
痛みを我慢するために、歩行がぎこちない
関節の周囲が腫れ、触ると熱っぽい
治療と管理
最も重要なのは、関節にかかる体重を減らすための、体重管理です。
そのためカロリー制限や低脂肪、高繊維などのフードなどで食事療法を行います。
またオヤツやヒトの食べる物を与えることも控えます。
関節に負担をかけ無い範囲で運動を行い、筋肉量を維持し関節の安定性を高めるようにします。
そのためにはアスファルトナフォの硬い地面の散歩は避けたり、水泳などを行います。
軟骨の健康をサポートするためコンドロイチンやグルコサミンなどのサプリメントを使用します。
また必要に応じて痛みを和らげるため、薬を使います。
まとめ
肥満は変形性関節症の発症と進行を大きく助長します。
そのため体重管理を行い肥満を予防することが、変形性関節症の症状の改善につながります。