【蒼太探偵シリーズ】猫が食後すぐ吐くのは危険?それは吐出かも|受診の目安と嘔吐との違い

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【蒼太探偵シリーズ】猫が食後すぐ吐くのは危険?それは吐出かも|受診の目安と嘔吐との違い

猫が食後すぐ吐く原因としての吐出を解説する蒼太と獣医師と吐いている猫のイラスト

猫が、ごはんを食べ終わったと思ったら、もう吐いている。
しかも、フードの粒はほとんどそのまま。
そんな様子を見ると、「このごはん、体に合わないのかな」と心配になりますよね。

新たなフードに替えてみようかと思う前に見ておきたいのが、食べ方です。
一気に食べていないか、一度の量が多くないか。
あわせて、食道から戻る「吐出(としゅつ)」なのか、胃などから吐く「嘔吐」なのかも見ていきます。

蒼太

先生、おたまがごはんのあとに吐いちゃった。
すぐに病院へ行ったほうがいい?

おいどん先生

まずは、息が苦しくないか、ぐったりしていないかを見てね。
落ち着いているなら、食べてから出るまでの様子を教えてもらおう。

目次

猫が食後すぐ吐いたら|先に確認したい受診の目安

今すぐ病院へ連絡したいとき

  • 口を開けて呼吸する、息が苦しそう、ぐったりしている
  • 何度も戻して水も保てない、飲み込めず苦しそうにしている
  • ひも・針・おもちゃなどの誤飲や、中毒の心当たりがある

呼吸がおかしいときは、受診を優先してください。
診療時間外なら、対応できる救急の動物病院へ連絡しましょう。

今日中に相談したいとき

  • 短時間に繰り返す、毎食後に戻す
  • 吐いたあとに咳が出る、よだれが多い、血が混じる
  • 元気や食欲が落ちた、体重が減ってきた

子猫、高齢猫、持病のある猫は、元気そうでも早めに相談を。
以前から繰り返している場合も、食器やフードの変更だけで様子を見続けないでください。

リスク先生

食欲があっても、食べるたびに戻していたら心配です。食べたかどうかに加えて、痩せてきていないかも見てあげてください。

実際の相談|好きなドライフードだけ吐くのは、体に合わないから?

こんなご相談がありました。
食いつきのよいドライフードを食べると吐くのに、あまり好きではなく、しぶしぶ食べるフードでは吐かない、という猫です。

蒼太

好きなごはんのほうが吐くなんて……。
おいしいけど、体には合わないってこと?

おいどん先生

そう決める前に、食べ方を見たいね。好きなごはんを、夢中で一気に食べていないかな。

そこで、食いつきのよいフードはそのままに、一度に出さず、小分けにして与えました。
すると、吐かなくなりました。

同じごはんなのに、小分けにすると吐かない。
この違いを見ると、食べる勢いと、一度に食べる量が気になります。
この子では、食べ方が関わっていたようです。

結衣

えっ、ごはんを替えなくてもよかったんだ!

おいどん先生

うん。この子は小分けにしたら落ち着いたんだね。
でも、小分けでも繰り返す子や、痩せてくる子は診察が必要だよ。

ただ、小分けで吐かなくなった経過だけでは、吐出だったか嘔吐だったかまでは分かりません。

吐出と嘔吐の違い|フードの形だけでは決められません

吐出は、食道などにある食べ物や水が、お腹に強く力を入れずに口へ戻ること。
嘔吐は、胃や上部の腸の内容物を、お腹の力を使って吐き出すことです。

吐出を疑う様子

  • 前触れやえずきが少なく、急に口から出る
  • お腹を大きく波打たせる動きが目立たない
  • 未消化の食べ物が出て、細長い形になることがある

嘔吐を疑う様子

  • 口をぺろぺろする、よだれが出るなど、気持ち悪そうにする
  • 「ウッ、ウッ」とえずき、お腹が繰り返し動く
  • 食べ物のほか、胃液や黄色い液体が混じることがある

ただし、嘔吐でも、食後すぐなら未消化のフードが出ます。吐出も食後すぐとは限りません。
「粒のままだから吐出」「食後すぐだから早食い」とは決めつけないでください。

結衣

ごはんの写真だけじゃなくて、吐く前の動きも撮っておくといいんだね。

おいどん先生

そう。
猫に「さっきの様子をもう一度」とは頼めないからね。
動画で、お腹の動きや咳との違いを見せてもらえると助かるよ。

元気があるとき、家でできる食べ方の工夫

1回吐いたあと、いつもどおりに過ごしている。
食欲もあり、水も飲めて、息づかいや飲み込みにも変化はない。
健康な成猫でこうした様子なら、その後をよく見ながら、食べ方を工夫できる場合があります。

  • 1日の総量は増やさず、1回分を小分けにして与える
  • 多頭飼育で競い合うなら、落ち着いて食べられる場所を分ける
  • 食後すぐは激しい遊びを控える

早食い防止食器も選択肢ですが、食べづらくて食事量が落ちるなら、その子には合っていません。
使い心地まで見てあげましょう。

また吐く、食べにくそう、水も戻すときは、家庭での工夫を続ける前に受診してください。
食器を高くする方法も、すべての猫に向くわけではありません。

吐出を繰り返すときに考える病気と治療

食道炎・食道狭窄|通ると痛い、通りにくい

胃酸の逆流や薬の刺激などで食道に炎症が起こると、吐出、よだれ、飲み込みにくさが出ることがあります。
炎症のあとが傷あとになり、食道が細くなるのが食道狭窄です。

食道炎では胃酸を抑える薬や粘膜を守る薬などを検討し、狭窄では内視鏡を使ったバルーン拡張が必要になる場合もあります。

異物・腫瘍など|食べ物の通り道をふさぐ

飲み込んだ物が食道につかえると、急に食べ物や水が通らなくなることがあります。
異物は内視鏡などで取り除きます。
まれに腫瘍、子猫では生まれつきの血管による圧迫が関わることも。
年齢や始まった時期も、原因を絞る手がかりです。

巨大食道症|胃へ送り込む動きが弱い

食道が広がり、食べ物を胃へ送りにくくなる病気です。
背景に別の病気がないかも調べます。
食事の姿勢、硬さ、1回量をその子に合わせて調整しますが、ペーストなら必ずよい、食器を上げれば治る、というものではありません。

食事中や食後に上半身を起こす管理が必要な場合もあります。
猫が無理なく続けられる方法を、獣医師と相談して決めましょう。

病院では何を調べる?|食道の通りと、肺の状態

蒼太

食べたものを戻しているのに、肺も調べるの?

おいどん先生

戻ったものが気管に入ると、誤嚥性肺炎を起こすことがあるんだ。
だから咳や息づかいも確認する。呼吸が苦しければ、検査より先に酸素などの処置を優先することもあるよ。

吐く前のお腹の動きや、息づかい、体重の変化。
伺ったお話と診察の結果をもとに、食道から調べるか、胃腸なども調べるかを考えます。

  • レントゲン:食道の広がり、写る異物、肺の異常を確認する
  • 内視鏡:食道の粘膜、狭窄、異物を直接確認する
  • 造影検査・透視:食道の通過や動きを調べる。誤嚥や、食道に穴があいている可能性も考え、実施や造影剤を選ぶ
  • 血液検査など:脱水の程度や全身の状態、ほかに病気がないかを調べる

レントゲンで異常が見つからなくても、吐く症状が続くなら、そこで終わりにはできません。
食道炎はないか。嘔吐なら、胃腸や腎臓などに病気はないか。
経過を聞きながら、次に確かめることを考えます。

蒼太の推理メモ|受診時に伝えてほしい5つのこと

  • いつから、何回くらい起きているか
  • フードの種類・1回量・食べる速さ、食後何分ほどで出るか
  • 出る前のえずきやお腹の動き、出たものの写真や動画
  • 水も戻すか、咳や呼吸の変化があるか
  • 食欲・元気・体重の変化、飲んでいる薬や誤飲の可能性

撮影のために、わざと食べさせて症状を再現する必要はありません。撮れた範囲の動画と、ふだんの食べ方のメモで十分役立ちます。

猫の食後の吐き戻しで、よくある質問

毛玉が混じっていれば、心配しなくてよいですか?

毛玉は胃からの嘔吐で出ることがあります。
ただ、毛が混じっているだけでは、原因が毛玉とは言い切れません。
繰り返す、食欲が落ちる、体重が減るときは受診してください。

薬を飲ませてから、食べ物を戻すようになりました

薬が食道にとどまり、刺激になっている可能性があります。
薬の名前と最後に飲ませた時刻を伝え、次の投薬前に処方した病院へ相談してください。
飲み込みにくい猫へ、無理に水や薬を押し込むのは避けましょう。

吐いたあと、ごはんや水はどうすればよいですか?

繰り返すときや水まで戻すときは、無理に飲食させず、すぐ病院へ連絡して指示を受けてください。
1回で落ち着いていても、子猫や持病のある猫を含め、自己判断で長時間の絶食・絶水を続けないことが大切です。

Dr.Nyanから、飼い主さんへ

「好きなごはんだと吐く。
でも、別のごはんなら吐かない」。こういう違いも、ぜひ教えてください。
今回の猫では、そこから食べ方を見直すことができました。

私は、ごはんの名前だけで判断せず、食べている最中から、その後まで伺いたいと思っています。
その子が無理なく食べられて、体重と元気を保てること。
そこを確かめながら、食事の工夫や検査の進め方を考えていきます。

吐き方をうまく説明できなくても大丈夫です。
撮れた動画や、ふだんのごはんの話から聞かせてください。

探偵蒼太シリーズ

このコラムの登場人物のイラスト(おいどん先生、蒼太、結衣、リスク先生)

犬や猫の「吐く・下痢・食べない・元気がない」など様々な症状から原因、受診の目安など、病気を探る探偵蒼太シリーズです。
中学2年生の「蒼太」と獣医師の「おいどん先生」、蒼太の妹の「結衣」そして「リスク先生」が、受診の目安や危険なサインをわかりやすく解説します。

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