Dr.Nyanのすこやかコラム
飼い主様に伝えたい犬猫の病気や日常ケアについての役立つコラムをお届け♪
犬の下痢は大丈夫?危険な症状・血便の見分け方と受診の目安【獣医師解説】

うちのこ、下痢なの
少し様子を見ても大丈夫かしら?
それともすぐに動物病院へ行くべきなのかしら?
犬が下痢をすると、多くの飼い主さんがこのように悩みます。

犬の下痢は、動物病院でも非常に多い症状のひとつなんです。
食べすぎやフードの変化などの軽い原因から、腸炎・寄生虫・膵炎などの病気まで、さまざまな原因で起こります。
この記事では獣医師の視点から
- 犬が下痢をする主な原因
- 危険な下痢のサイン
- 便の色や状態で分かる原因
- 動物病院へ行く目安
- 家庭でできる対処
について、初めての方にも分かりやすく解説します。
犬の下痢で危険な症状(すぐ病院へ行くサイン)
次の症状がある場合は、早めに動物病院を受診してください。
□ 水のような下痢が続く
□ 血便が出ている
□ 嘔吐もしている
□ 元気がない
□ 食欲がない
□ 子犬・老犬
これらの症状がある場合、
- 腸炎
- 感染症
- 膵炎
- 異物誤飲
などの病気の可能性があります。
犬の下痢の主な原因とは?【よくある5つの原因】
犬は人に比べて、胃腸などの消化管がとても敏感な動物です。
そのため
- 急なフード変更
- おやつの食べすぎ
- ストレス
- 誤飲
などでも腸のバランスが崩れ、下痢を起こすことがあります。

犬は落ちている食べ物やゴミを食べてしまうことも多く、これが腸を刺激して下痢の原因になることもあります。
気を付けましょうね!
犬の下痢にはさまざまな原因があります。
ここでは代表的な原因を紹介します。
食べすぎ・フードの変化
犬の下痢で最も多い原因のひとつです。
特に
- おやつの食べすぎ
- 急なフード変更
- 人の食べ物
などで腸が刺激されると、下痢をすることがあります。
この場合は
- 元気がある
- 食欲がある

元気食欲があり、下痢も軽度であれば数日で改善することもあります。
胃腸炎
犬の下痢で非常に多い病気です。
原因は
- 細菌
- ウイルス
- 食べ物の刺激
- ストレス
などさまざまです。
症状として
- 下痢
- 嘔吐
- 食欲低下
- 元気消失
などが見られます。
寄生虫感染
特に子犬で多い原因です。
代表的な寄生虫
などが腸に感染すると、下痢を起こします。
症状として
- 軟便
- 水様便
- 血便
などが見られることがあります。

便の検査で、診断します。
食物アレルギー
フードの成分が体に合わない場合、腸が炎症を起こして下痢をすることがあります。
特徴
- 慢性的な下痢
- 軟便が続く
- 皮膚トラブル
フード変更で改善することがあります。
内臓疾患(膵炎・肝臓病など)
次のような病気でも下痢が起こります。
特に
- 高齢犬
- 元気がない
- 食欲がない
場合は注意が必要です。
血液検査や画像検査で診断します。
細菌・ウイルス感染
犬の下痢の原因として、細菌やウイルスによる感染症もあります。
腸に病原体が感染すると腸の粘膜に炎症が起こり、水様便や嘔吐などの症状が見られることがあります。
代表的な原因として
- 細菌感染(サルモネラ、カンピロバクターなど)
- ウイルス感染(パルボウイルス、コロナウイルスなど)
が挙げられます。
特に子犬では感染症による下痢が重症化することもあるため注意が必要です。
症状として
- 激しい水様便
- 嘔吐
- 元気がない
- 食欲がない
- 血便
などが見られることがあります。
細菌やウイルス感染が疑われる場合は、便検査やPCR検査などで原因を調べ、適切な治療を行います。下痢が続く場合や体調が悪い場合は、早めに動物病院で診察を受けることが大切です。
下痢が続くときに注意すべき症状
次の症状がある場合は、早めに動物病院を受診してください。
- 何度も下痢をする
- 血便が出る
- 嘔吐もある
- 元気がない
- 食欲がない
- ぐったりしている
特に 体の小さい犬や高齢犬 では脱水が急速に進むことがあります。
「ただの下痢かな」と思っていても、実際には感染症や膵炎などが隠れていることもあります。
犬の下痢の色で分かる病気
犬の下痢は、便の色や状態から原因をある程度推測できることがあります。
ただし見た目だけで正確な診断をすることはできないため、症状が続く場合は動物病院で検査を受けることが大切です。
黄色い下痢
黄色い便は、腸の動きが早くなっているときに見られます。
原因として多いもの
- 急性胃腸炎
- フードの変化
- 食べすぎ
- ストレス
比較的軽い腸炎のこともありますが、下痢が続く場合は注意が必要です。

黒い便(タール便)
黒くてベタベタした便は 消化管出血 の可能性があります。
胃や小腸で出血すると、血液が消化されて黒い便になります。
考えられる原因
- 胃潰瘍
- 重度の胃腸炎
- 腫瘍
- 異物による消化管損傷
黒い便が出た場合は、早めに動物病院を受診してください。
赤い血便
赤い血が混じる便は、大腸の炎症 が原因であることが多いです。
原因
- 大腸炎
- 感染症
- 寄生虫
- ストレス
特に子犬では感染症のこともあるため注意が必要です。

粘液の混じった便
便の表面にゼリーのような粘液がついている場合、大腸炎 の可能性があります。
原因
- 大腸炎
- ストレス
- 食事の変化
軽度の場合もありますが、繰り返す場合は検査が必要です。

水のような下痢(水様便)
水のような下痢は、腸の炎症が強いときに見られます。
原因
- 急性胃腸炎
- 細菌感染
- ウイルス感染
嘔吐や元気消失を伴う場合は、早めの受診が必要です。
便の色や状態は、犬の体調を知る大切なサインです。
下痢が続く場合や体調に変化がある場合は、早めに動物病院で診察を受けるようにしましょう。
ワンポイント解説:犬の下痢で一番大切な判断
獣医師の立場からお伝えすると、犬の下痢で一番大切なのは「元気と食欲」です。
犬が
- 元気
- 食欲がある
- 下痢が1~2回
程度であれば軽い腸炎のこともあります。
しかし
- 元気がない
- 食べない
- 嘔吐もある
場合は注意が必要です。
特に
- 子犬
- 高齢犬
- 持病がある犬
では、早めの受診が安心です。
動物病院で行う検査
犬の下痢の原因を調べるために
- 便検査
- 血液検査
- PCR検査
- レントゲン
- 超音波検査
などを行うことがあります。
これらを組み合わせて原因を診断します。
犬の下痢は何日続いたら病院へ行く?
犬の下痢で多い質問が「どのくらい様子を見ても大丈夫?」というものです。
目安として
- 1~2回の軽い下痢
- 元気がある
- 食欲がある
場合は、少し様子を見ることもあります。
しかし次のような場合は早めの受診をおすすめします。
- 下痢が2日以上続く
- 水のような下痢が何度も出る
- 血便が出る
- 嘔吐がある
- 元気がない
犬は体が小さいため、下痢が続くと脱水が進みやすい動物です。
犬が下痢をしたとき家庭でできる対処
軽い下痢の場合は、家庭で様子を見ることができるケースもあります。
まず大切なのは 胃腸を休ませること です。
- 半日〜1日ほど食事を控える
- 水は少量ずつ与える
- 回復してきたら消化の良いフードを少量から与える
などで様子を見ることがあります。
ただし次の症状がある場合は、様子を見るのではなく受診してください。
- 水のような下痢が何度も続く
- 血便が出ている
- 嘔吐もしている
- 元気がない
- 食欲がない
- 子犬や高齢犬
犬は体が小さいため、下痢が続くと脱水が急速に進むことがあります。
「少し様子を見よう」と思っているうちに体調が悪化することもあるため、下痢が1〜2日続く場合は早めに動物病院で診察を受けると安心です。
犬が下痢をしたときNGな対応
犬が下痢をしたとき、飼い主さんが良かれと思って行ってしまう対応の中には、症状を悪化させてしまうことがあります。
特に次の対応には注意が必要です。
人の薬を与える
人用の整腸剤や下痢止めを犬に与えるのは危険です。
犬に合わない成分が含まれている場合があり、症状を悪化させることがあります。
食事をすぐにいつも通り与える
下痢のときは腸が炎症を起こしていることが多いため、すぐに通常量の食事を与えると腸に負担がかかります。
軽い下痢の場合は
- 半日〜1日ほど食事を控える
- 消化のよいフードを少量から再開する
など、腸を休ませることが大切です。
下痢が続いているのに様子を見続ける
犬は体が小さいため、下痢が続くと脱水が進みやすい動物です。
次の症状がある場合は、早めに動物病院を受診してください。
・水のような下痢
・血便
・嘔吐
・元気がない
・食欲がない
「様子を見るべき下痢」と「すぐ受診すべき下痢」を見極めることが、犬の健康を守るうえでとても重要です。
よくある質問(犬の下痢Q&A)
犬が1回だけ下痢をした場合は大丈夫?
1回だけで
- 元気がある
- 食欲がある
場合は様子を見ることもできます。
ただし下痢が続く場合は受診してください。
犬の下痢は自然に治ることもある?
食べすぎや軽い胃腸炎の場合、自然に回復することもあります。
ただし下痢が2日以上続く場合は検査が必要です。
犬が水のような下痢をしたら危険?
急性胃腸炎のことが多いですが
- 元気がない
- 嘔吐がある
場合は早めの受診が必要です。
犬の血便はすぐ病院?
血便は腸炎や感染症の可能性があります。
特に
- 子犬
- 元気がない
場合はすぐに受診してください。
犬の下痢で病院に行く目安は?
次の症状がある場合は早めに受診してください。
- 水のような下痢
- 血便
- 嘔吐
- 元気がない
- 食欲がない
特に子犬や老犬では脱水が進みやすいため注意が必要です。
獣医師からのアドバイス
犬の下痢はとても多い症状ですが、原因はさまざまです。
軽い胃炎・腸炎で自然に治ることもありますが、中には
など重大な病気が隠れている場合もあります。
特に 「元気がない」「嘔吐がある」「血便が出る」 場合は早めに診察を受けることが安心です。
獣医師がよく見る「犬の下痢」の原因ランキング
動物病院の診療では、犬の下痢はとても多い症状です。
実際の診療現場で多い原因を、分かりやすくまとめました。
1位 食べすぎ・フードの変化
2位 急性胃腸炎
3位 寄生虫
4位 食物アレルギー
5位 内臓疾患
このように犬の下痢は原因がさまざまで、診察や検査で原因を確認することが重要です。
まとめ
犬の下痢は、食べすぎやフードの変化などの軽い原因から、腸炎・寄生虫・膵炎などさまざまな病気で起こります。
特に
- 水のような下痢
- 血便
- 嘔吐
- 元気がない
場合は、重大な病気のサインであることもあります。
犬の下痢は多くの飼い主さんが経験する症状ですが、原因はさまざまです。気になる症状がある場合は、早めに動物病院で相談することが安心です。
「様子を見るべき下痢」と「すぐ受診すべき下痢」を見極めることが大切です。