【蒼太探偵シリーズ】消える猫草のナゾ|猫はなぜ草を食べるの?

  1. ホーム
  2. 若山動物病院ブログ
  3. 【蒼太探偵シリーズ】消える猫草のナゾ|猫はなぜ草を食べるの?

若山動物病院ブログ

【蒼太探偵シリーズ】消える猫草のナゾ|猫はなぜ草を食べるの?

【蒼太探偵シリーズ】消える猫草のナゾ|猫はなぜ草を食べるの?のアイキャッチ

ある日の放課後。
蒼太はおたまが夢中になって、猫草を食べている姿を見ていた。

蒼太

おたま、そんなに猫草が好きなの?

結衣

猫草って毛玉を吐くために食べるんでしょ?
だから体にいいんだよね?

おいどん先生

うーん、半分間違いかな。

目次

猫草は毛玉を減らしているわけではない

猫草は昔から「毛玉を吐かせるための草」として知られています。
実際に猫草を食べた後に吐く猫も少なくありません。

しかし、猫草が胃の中の毛玉を溶かしたり、毛球症を予防したりするわけではありません。
猫草は胃を刺激し、「オエッ」と吐きやすくしているだけと考えられています。

蒼太

えっ!?毛玉をなくしているわけじゃないの?

おいどん先生

そうなんだ。毛玉を減らすというより、吐き出すきっかけを作っているんだよ。

実は猫草にもデメリットがある

猫草は安全な植物ですが、「たくさん食べれば健康になる」というものではありません。
食べ方によっては、体に負担をかけることもあります。

デメリット①食道や胃を傷つけることがある

猫草の葉は意外と硬く、先端も尖っています。
勢いよく飲み込むと、食道や胃を刺激したり傷をつけてしまうことがあります。
その結果、食道炎などを起こすことがあります。

蒼太

草なのに、ケガすることがあるの?

おいどん先生

軟らかそうに見えるけれど、細長い葉が喉や胃を刺激してしまうことがあるんだ。

デメリット②吐くことが習慣になる

猫草を食べるたびに吐く猫もいます。
たまに吐く程度なら問題ありません。

結衣

でも、吐けるなら良いことなんじゃないの?

おいどん先生

実は吐きすぎること自体が、体への負担になるんだ。

しかも

頻繁な嘔吐は

  • 食道炎
  • 胃炎
  • 脱水

につながることがあります。

リスク先生

『毛玉を吐いたから安心』とは限りません!
毎週のように吐いている猫は、慢性胃炎や腎臓病など別の病気が隠れていることもあります!

毛玉が原因で吐いていると思っていても、実際には胃炎や他の病気が隠れていることがあります。

詳しくはこちら
猫の急性胃炎|吐く原因と治療・受診の目安

デメリット③毛玉と草が絡まってしまうことも

大量の猫草を丸飲みすると、胃や腸の中で「毛と草」が絡まり合い、大きな塊になることがあります。
これが、毛球症や腸閉塞の原因になることもあります。

蒼太

毛玉を出すために食べた草が、逆に詰まりの原因になることもあるの?

おいどん先生

頻度は高くないけれど、絶対にないとは言えないんだよ。

デメリット④シニア猫では悪化することも

蒼太

じゃあ、おたまがおばあちゃんになったら猫草は気を付けた方がいいんだね。

おいどん先生

そうだね。
年齢や病気によっては猫草が合わないこともあるんだ。

高齢になると胃腸の動きが弱くなります。
そのため猫草による刺激が強すぎて、

  • 嘔吐
  • 食欲低下

につながることがあります。

また、

  • 慢性腎臓病
  • 慢性胃炎
  • 炎症性腸疾患(IBD)
  • 膵炎

などの病気がある猫では、注意が必要です。

リスク先生

シニア猫が急に猫草を欲しがるようになった場合は要注意!
慢性腎臓病や甲状腺機能亢進症などで、気持ち悪さを感じているサインのこともあります!

猫はなぜ猫草を食べるの?

猫が草を食べる本当の理由は、実はまだ完全には解明されていません。

現在考えられている説には

  • 胃の違和感を和らげるため
  • 飲み込んだ毛を吐き出しやすくするため
  • 野生時代の名残
  • 草の匂いや食感が好きだから

などがあります。
つまり「毛玉のためだけ」ではないのです。

蒼太

えっ!?理由は一つじゃないの?

おいどん先生

そうなんだ。実は獣医さんの世界でも『これが正解』とは言い切れないんだよ。

結衣

猫って意外と気分で食べてることもあるのかな?

おいどん先生

そう考えられているよ。草が好きな猫もいれば全く興味がない猫もいるんだ。

本当に大切なのは猫草よりブラッシング

毛球症予防で最も効果的なのは、「毛を飲み込ませないこと」です。

つまり、

  • ブラッシング
  • 毛玉配慮フード
  • 十分な水分摂取

の方が、猫草よりずっと重要です。

結衣

じゃあ毎日少しずつブラッシングする方が大事なんだね。

おいどん先生

その通り。毛球症予防の主役は猫草じゃなくてブラッシングなんだよ。

毛玉対策としては猫草だけでなく、日頃のブラッシングも重要です。
毛玉や被毛の管理についてはこちらも参考にしてください。
夏場の高湿度が犬・猫に与える影響
猫が食後すぐ吐く?それは吐出かも|原因・受診の目安・嘔吐との違い

よくある質問

猫草は毛玉に効果がありますか?

猫草は毛玉を溶かすわけではありません。
胃を刺激して吐き出しやすくする働きがあると考えられています。

猫草を食べると必ず吐きますか?

吐かない猫もいます。
個体差が大きく、全ての猫が嘔吐するわけではありません。

猫草を毎日与えても大丈夫ですか?

多くの猫では問題ありませんが、頻繁な嘔吐や胃腸疾患がある場合は注意が必要です。

猫草を食べない猫は異常ですか?

異常ではありません。
猫草に全く興味を示さない猫も多く、食べないこと自体は病気ではありません。

室内猫でも猫草は必要ですか?

必須ではありません。
ブラッシングや毛玉配慮フードで十分管理できる猫ちゃんもたくさんいます。

蒼太の推理メモ

今回のナゾは……事件解決!
猫草は毛玉を消しているわけではなかった。

調べてみると、猫草は毛玉を消しているわけではなく、吐き出すきっかけを作っていることが分かった。
そして食べ過ぎれば、逆に体に負担をかけることもある。
しかも、『毛玉を吐かせる=毛球症予防』とは限らないことも知った。

猫草に頼りすぎるより、毎日のブラッシングで抜け毛を減らし、毛玉配慮フードや十分な水分で胃腸をサポートする方が安全で効果的です。

もし猫草を食べた後に何度も吐く場合は、「毛玉だから大丈夫」と決めつけず、おいどん先生に相談してみよう。

探偵蒼太シリーズ

このコラムの登場人物のイラスト(おいどん先生、蒼太、結衣、リスク先生)

犬や猫の「吐く・下痢・食べない・元気がない」など様々な症状から原因、受診の目安など、病気を探る探偵蒼太シリーズです。
中学2年生の「蒼太」と獣医師の「おいどん先生」、蒼太の妹の「結衣」そして「リスク先生」が、受診の目安や危険なサインをわかりやすく解説します。

【犬編】
犬の下痢は大丈夫?原因・危険な症状(血便・水様便)と受診の目安
犬が食べない?原因と危険な症状・受診の目安
犬が吐いた?原因と危険な症状と受診の目安
犬が元気がない?原因・危険な症状と受診の目安
犬の治らない下痢、お腹の病気じゃなかった?原因は副腎腫瘍だった
犬の歩き方がおかしい?前足のびっこは危険?原因と受診の目安
犬の歩き方がおかしい?後ろ足のびっこは危険?原因と受診の目安
犬の夜鳴き|認知症だけじゃない!原因・対策・受診の目安
犬にヨーグルトをあげても大丈夫?人間用との違いと下痢の原因
腸内細菌は本当に健康に関係するの?|犬の腸活・免疫・病気との意外な関係
犯人は乳酸菌だけじゃなかった!犬のプロバイオティクスとは?

【猫編】
猫がごはんを食べたいのに食べない原因は?口内炎の症状と受診の目安
春は要注意?猫の体調不良と免疫が乱れる原因と守る生活習慣
猫が食後すぐ吐く?それは吐出かも|原因・受診の目安・嘔吐との違い
猫がジャンプしない?原因と注意すべき症状・受診の目安
猫が水をよく飲む・おしっこが多い原因は?消える水皿のナゾ
オシッコが出ない犯人は石じゃなかった?|猫の尿道閉塞とストレスのナゾ
猫がキャットタワーに登らない理由|シニア猫の関節痛と変形性関節症のナゾ
猫のひげの役割とは?|切ると危険?平衡感覚・距離感を支える高性能センサー
消える猫草のナゾ|猫はなぜ草を食べるの?

【犬猫編】
犬と猫の鳴き方はなぜ違う?猫は長く犬は短い理由と声が変わる病気
幹細胞療法とは?犬・猫の病気に使われる理由と効果・受診の目安
犬と猫はどうして座り方が違うの?理由と見分け方

ブログタグ: